第80話 次はこっちのお願いを、聞いてもらう番だ。
『スキル:三連剣、ワンチャンカモンベイベー』
ステータスを見て、
ちょっと頭が痛くなるようなスキルが付いていた、
だれだこれ考えたの、女神様か? ノリが独特というか、古いような。
(でもまあ、希望通りだが)
これ鑑定してくれるシスターに見せたら、
意味わかるかなあ、まったくの新種っぽいし。
「あの、もう再確認は」
「うん、ついている、はず」
「それで私は、どのような行為を」「行為って!」
ある意味、当たっているけど。
こっちを向くレイムさん、相変わらず興奮気味だ。
「ダンジョンに行きたいんだけれども、手伝って欲しいんだ」
「さすがに七歳のグラン様をひとりで守り切るのは、初心者ダンジョンでも」
「このアルトリアスにダンジョンは」「ありません、冒険者研修は隣国か森ですね」
という基本情報はもちろん知っている。
「……それが、まったく新しいダンジョンを見つけたと言ったら」
「本当ですか、早速、ご当主様に」「そこを先に探検したいんだ」
「危険過ぎます、まずは調査隊を冒険者ギルド経由で」「先に行って、最高級魔石を手に入れたいのー!!」
と、ちょっと七歳児らしく駄々をこねてみる。
「……本気で最高級魔石が欲しいのでしたら、私が貯金を崩して」
「そんなお金あるの?!」「冒険者時代の蓄えが」「いやいやいや」
「足りなければこの身体で」「四十七歳ですよね?」「よく御存じで、まだ頑張ればソロ依頼を」
あっ、そっちの身体か。
「ええっと、ウチの私兵を使う」
「一人は元冒険者のようですが」
「C級だって」「実はそこまでならお金で買えますよ」「えええ」
ちょっと冒険者ギルドの闇を見ちゃった。
「グラン様、とにかくダンジョンの様子がわからないと」
「それなんですよ、何が起こるかわからない、
だからこそのレイムさんが」「……昔の仲間を呼びましょうか」
おおっ、なかなかの展開に!
「良いのですか」「はい、グラン様がスキルを付けてくださったのが、本当ならば」
「確認してきて下さい」「それはもちろん、ダンジョン行きはいつにしましょう、場所は」
「領内です、ええっとメンバーは僕と私兵ふたりとレイムさんと」「あと枠は四人ですね」
そう、この世界では冒険者パーティーは、
最大で八人までがお約束になっているのです、
全体魔法がかかる範囲の限界が八人らしいので。
(学校でも、冒険者の師匠からもそう聞きました!)
でもなあ……
いざとなったら俺の魔法を大発動しないといけない、
とんでもないダンジョンで、高位魔法を連発しまくったら……
『あいつ、全ての魔法を使えるんじゃね?!』
って思われかねない、
何かギミックとでもいうか、
違う人を……候補は何人か。
「すみません、枠をひとり分、空けて貰えませんか」
「というと」「レイムさんの連れてくるのは三人で」
「あと一人は」「僕が用意します、心当たりが」「それは」「筆頭は……聖女様かな」
同じ七歳だけれども、
正確には七歳半か、まあ無茶だけどね。
「冒険者ですか」「いいえ、子供です」
「……あっ、では」「レイムさん知ってるんだ」
「いえ、聞いて聞かなかったことにしているので」
あーーー……そういうことか、
イシタさんから例の『ここだけの話』ということで、
報告を受けていたんだろうな、で『聞かなかったことにします』と。
(って、それじゃあ俺の能力も?!)
やばいな、
勘の鋭そうなレイムさんだ、
俺のスキルに検討がついていても、おかしくない。
(もしバレてたとして、バレた人数ってわかるんだろうか)
後で自分のステータス確認やって、
どこかにそれが表示されてないか確かめよう、
とにかく今は目の前のメイド長さんだ、話を詰めなきゃ。
「秘密裏に進める話です、私兵ふたりには僕から言っておくので」
「私から説明した方が」「大丈夫、そこは実は大丈夫なんですよ」
「では私の方も手配を」「無理に急がなくていいので、ただ、良い人選をお願いします」
八人中、六人が大人なら、まあなんとかなるか、
念のため、私兵ふたりに何かあったときのためのスキルを、
俺の『余白記入』で付ければ良いし、これに関しては急ごう。
「わかりました、ではまず明日、私のスキル確認をして参ります」
「行ってらっしゃい、あ、あと資金調達で頼む事があるかも? いや頼もうかな」
「何でしょうか」「ポーションを売ってきて欲しいんだ、後で渡すね」「はい、わかりましたグラン様」
今日のところは、これで良いかな。
「じゃあもう、おやすみなさいします」
「わかりました、添い寝は必要ですか?」
「いやいやいや、とりあえず添い寝の枠は埋まっています!」
……熟女添い寝に、
興味が無い事は無いが、
とりあえずは地味ハーレム候補が優先だ。
(ダンジョンの難易度によっちゃ、あのふたりも……いずれ、ね)




