第74話 一緒に寝ながら、余白記入について考える。
「あの、こうしないと」
「いや、無理に抱かなくても」
「これが、おつとめ、ですっ」
夜、ベッドでのカロリちゃん、
なぜか無理に胸元へ俺の上半身を、
顔を埋もれさせてくる、甘えさせるように。
(相手は六歳なんだけどなあ)
これが十六歳と十七歳なら、
年下なのにお姉さんぶっている妹みたいだが、
六歳と七歳だと……いや、こっちの方がある意味、健全か。
「カロリちゃん、確認だけど、本当に僕のメイドになるの?」
「パートナー、ですからっ」「いや、だったら対等な関係でないと」
「……よく、わからない、です」「まあ一緒に居る理由として必要ではあるけど」
婚約者っていう形だとイレタちゃんが居るし。
「あの、メイドで、おそばに、だめですか」
「いや、カロリちゃんが良いなら」「……うれしい」
「それで、スキルのことなんだけど」「あって、ほしい、です」
そうか、学校入学で初めて知るんだよな。
「槍使いになるなら、槍のスキルがいいと思うんだけど」
「グランおにいちゃんの、すきにして、ください」「好きにって」
「パートナーに、なりたいからっ」「そんな出会ったばっかりで」
孤児院で何かあったのかな。
「ずっと、いっしょで、ぼうけんしゃになるから」
「あー、将来的な事を考えているのか」「ずっと、いっしょに」
「いきなり重いなあ」「……たいじゅう、かるいと、おもう」「そっちじゃなくて」
とりあえず背中にまわろう。
「じゃあスキルをつけてみる?」
「は、はいっ」「あ、でも今つけると、学校で見られちゃう」
「いいです、スキルがあったほうが、やくたたずって、いわれなく」「あー」
これ以上は、いけない。
(もうこれ、スキル見て貰う前につけてあげた方がいいな)
スキルありませんって言われたら、
普通に傷つくパターンだからね、よーし……
「じゃあ背中見せて」
「……おなかじゃ、だめ?」「なんで!!」
「かおを、みていたい、です」「いやそんな」
決してすけべな顔はしないぞー!!
「脱がなくて良いから! 前もやったよね確か?」
「はい……」「んもう……ミラさん覗いてたりしてないよね?」
ガタガタガタッ
(わかりやすい……)
マップでバレバレだったけどね。
「じゃあ見るね」「はずかしい、です」「ごめん、言葉を間違えた」
ステータス……オープン!
うん、変りない、からのーーー……
余白スクロール! うん、真っ白な十二行。
(よし、今日は眠くないぞ)
と、いうことでえ……
「あの、さわり、ますか」
「触らないけど、くすぐったくなったらごめんね」
「きもち、いい、ですか」「やめてーーー!!!」
なろう小説だったらBANされちゃう。
(隣の部屋から笑い声が聞こえるのは無視で!)
まったくもう……
前世で女優に楽屋でファスナー外してって言われて、
やった直後に叫ばれるドッキリくらったの思い出したよ。
(隠しカメラばればれだったけどな!)
あれはまあ、そういう仕事だ。
「ええっと、槍のスペシャリストになりたいんだよね」
「おまかせ、します」「じゃあ」「あっ」「変な声ださないで、何?!」
「その、めがね、かけたほうが、いいですか」「関係ないから! びっくりさせないで」「はい」
まあ眼鏡フェチは、居る。
「んーっと、『槍の連続攻撃で、続けて命中すればするほど威力が増す』とりあえずこれで」
審議になったら注釈で、
二行目に『※ただし一度でも外れたら威力は最初に戻る』って書き入れれば……おっ!!
<このまま申請しますか? YES/NO>
すんなり行ったーーー!!
さすがゆるゆるの一・二行目、
逆にもったいなくなるな、うーん。
(改行すれば三行目にできないかな)
でもこれエンター押すと申請になっちゃうんだよな、
あっ、NOを選べば良いのか、そして一旦消してだな、
三行目の所を指でクリックして、書きこんで……エンター!
(あっ、勝手に一行目に!)
詰められちゃうのか、
シビアだなあ、うーん、
まあ、こういう必殺技は幼いころから慣れるべきだから、やっちゃおう。
「……よし、行くよ?」「おねがい、します」「エンター!!」
<申請中>
からのーーー……
<受理されました、一分以内であれば消すことが出来ます>
きたあああああ!!
「ああっ、からだが、あたたかく、こ、これが」
「スキルが入ったってことだよ」「うれ、しいっ」
なんか声だけ聴くとやばいな、
六歳と七歳の会話なのに、やましいことはないのに!!
(スクロールを戻して、っと)
うん、表示されてるな!
『スキル:連続加重攻撃(槍)』
これでカロリちゃんも、
立派なスキル付き少女だ!
「カロリちゃん」「はいっ」
「学校の教会で、スキル発表をお楽しみに!」「はいっっ!!」
結局、俺の胸に抱きつかれて、寝ちゃった。
(ほんっと、赤毛の猫め!!)
かわいい、かわいい。




