第70話 これがこれからの、毎朝の通学メンバー。
「では行ってきますが」
「ええ、かんがえておくワ」
「あたしゃあんまり頭を使うのは得意じゃないけどさ」
と、朝から学校へ出発する玄関前、
冒険者の師匠、野獣セクシーなホセロペス先生と、
今にして思えば『き○んどうし』というより『ドルイド』なアナベガ先生、
(いや色違いじゃねえか、というツッコミをした方、正解です!)
その二人に朝からサバサさんの新しい名前をお願いした所です、
本人が山賊から新たにやり直したいと、強く希望をしているということで……
将来、立派な私兵、領兵としてもし戸籍が必要になったら、その名前で改めて取るためにも。
「ありがたいっす、これから頑張るっす」
頭を下げるサバサさん、
ということでガルダさんが前、
サバサさんが後ろでしっかり警備しながらの通学。
「あの、ほんとうに、にゅうがくまえなのに」
「あと15日くらいだからね、見学ってことで」
「机と椅子も用意して貰った方が」「いやイレタちゃん、さすがに机は」
という僕グラン、
今日から見学(校長あての手紙は母上に書いて貰った)のカロリちゃん、
晴れて僕の仮婚約者となったイレタちゃんと三人での登校である、ちょっと目立つ。
「グランくん、今日からいっしょだね」
「って言ってもウチに泊まるの毎日じゃないよね、僕の指名した日だけ」
「泊まらない日も、毎朝むかえに行くから!」「えええ」「帰りも送ってあげる」
正妻アピールのプレッシャーきたこれ、
まあ泊めない理由はカロリちゃんが虐められたらどうしよう、だったから、
昨夜の感じだとまあ大丈夫かな、一応は本人達に聞いてみようっと、歩きながら。
「イレタちゃんは、カロリちゃんと仲良くなれそう?」
「うん、妹が出来たみたいで嬉しい!」「ならよかった」
「グランくんは弟だよ」「えっ、同い年では」「学校は先だから」
年単位じゃなく日数単位なら、
まあ確かにお姉さんと言えなくもないな、
双子だって兄弟姉妹に分かれる訳なんだし。
(あっ、領民に頭を下げられた、下げ返しておこう)
続いてカロリちゃんだ。
「カロリちゃん、イレタちゃんは怖くない?」
「……こわくないおねえちゃんで、よかったです」
「仲良くやれそう?」「もう、なかよしです」「な、仲良しさんかあ」
あまりにも、
引く程に仲が良くなり過ぎたら、
さすがにちょっと困るかなあ……。
(そんときゃ VIVA! 百合ハーレム、だ)
もしそうなったら女装でもするか、
いやいや俺はいったい何を考えているんだ、
地味ハーレムを作るんであれば、しっかり育てないと。
「じゃあ魔法の練習するね」
「えっ、歩きながら?」「むえーしょーだもん」
「ちょ、あんまりそれ声に出さないで」「わかった、むえーしょーだもんね」
いやそうじゃなくて、
すれ違う人でも誰が聞いているかわららないから……
子爵家三男の婚約者なんて、ちょっと地位が上の者が目をつければ、簡単に攫える。
(犯罪の意味じゃなくてね)
無詠唱魔法を一通り使えるとなると、
メイド兼護衛として公爵レベルでも欲しがるだろう、
魔法血統の名家なら側室に是非に是非ともと押しかけてきそうだ。
(だからこそ、護衛が必要だな)
今は単なる地味魔法使い少女だが、
最高のチート地味魔法使いに育て上げるには、
隠匿というか、いかに目立たないように生きていくかということも教え込まないと。
(って、もう魔法の練習してるや)
無言で魔法の杖を上空に振りながら歩くその姿、
目立たないようにしろっていうのが無理があるかも、
でも俺の傍でないと無詠唱は使えないからなあ……。
「カロリちゃんは、どうかな」
「あの、がっこうでも、ぶじゅつのれんしゅうが、あるって」
「木の剣だからね、楽だよ、僕とする?」「うれしい、ですっ」
笑顔だ、うん、
カロリちゃんの場合は余白記入で剣士スキル、
全ての武器を使えるようにするか、ひとつを極めるか……
(あと、拳闘士って選択もあるけど、このちっちゃい身体だとなぁ)
面白おかしい武器とかないかな、
いや無理して色物使いにすると目立つか、
それこそアサシンみたいな陰の戦士に……クノイチも良いね!
(冒険者学校まで五年あるんだ、じっくり考えよう)
ビュンッッ!!
「うわっ?!」
「ウィンドの魔法が、出たっ!」
「いきなりだなあ」「やった、やった!」「……次はヒールにしよ?」
びくりしたあああああ!!!
うん、鳥さんに当たらなくて良かった、
護衛のふたりも、カロリちゃんもびっくりだ。
「でも、魔法憶えたら、一日休みって」
「あっ、そうだった、じゃあ今日は」
「グランくんと、仲良くします!」「あっはい」
声を、喉を護るはずの休み設定だったんだけどな、
まあいいや、もっともっと親睦を深める日にしようっと、
あっ、もちろんカロリちゃんとも、ねっ!!




