第69話 サバサさんの正体と、その確認。
「ああ憶えている、黒い不気味な馬車だったなアレは」
とんでサキュバス村、
族長さんにお願いして盗賊親分のライドを呼んできて貰った、
よかったまだ生きてて、ゲッソリとやつれているけれどもね!
(うん、来週には干からびていそう)
隣りには一応、記憶補助にガストンとかいうのも来ている、
親分の側近らしいので連れて来てはとガルダさんに言われて、
生きていればついでにと……巨漢が普通サイズのデブになっているな。
「親分、その時の荷物は確か盗品のようでしたぜ」
「そうだったなガストン、金貨もその時にあったものの中の一枚だ」
「じゃあ、金貨はサバサさんの馬車の中から」「俺の記憶が正しければだが」
なんだか話が繋がって来た!
あっ、ちなみにガルダさんもサバサさんも、
例の廃ドライブインみたいな山小屋に置いてきています。
(うっかりサキュバス見て発情しちゃうと、即アウトだからね)
だからこそのガストンも指名なんだけど。
「じゃあサバサさんは元から山賊だったんでしょうか」
「わからねえが、実は……」「ライドさん、実は?」「ヤツは、アサシンだった」
「えっマジで?!」「ああ、黒装束でアサシンナイフを二本、両手に持っていた」
ステータス見た時は職業はそんなの……あっそうか、
今は職業:衛兵(元山賊)になってたから、山賊の時に見てたら、
ひょっとしたら職業:山賊て表示されていたのかも!
(これは、会った人に対してすぐステータスを見る癖をつけた方がいいかも)
今後のために、憶えておこう。
「ちなみにそのナイフは」
「とっくに売った」「良い金になりやしたぜ」
「ちなみに売り先というのは」「ああ、その隣国の貴族というのがだな……」
ということで、
情報を聞けるだけ聞きだした、
これとアジトに残っている証拠を出せば、過去の罪も足がつきそうだが……
(下手するとガルダさんサバサさんが、改めて捕まってしまう)
まあ、あんな廃道を抜けようとする馬車、
訳アリだから元から素性が怪しいのも多そうだし、
ここを突っ込むのは藪蛇かな、もういいや面倒臭いし。
「ありがとう、じゃあ生きていたら、また」
「おう、それより仲間が何人か、姿が見えなくなったんだが」
「ええっと、ガルダさんサバサさんはウチの私兵に、あとは知りません」
美味しくいただかれたんだろうなあ……
ということで族長さんにお礼を言って淫魔学校へ。
(サバサさんが本当に、あっちの山賊だったらクリスちゃんが声を聞いているはず!)
それで何かわかるかもしれない、
ただ、本人が記憶を取り戻した瞬間、
襲ってきたりは……ティムされているから、それは無いか。
(丁度、休み時間みたいだな)
覗いてみると……!!
「アトリ様、アトリ様ぁ」
「クリスさま、ほんっと、人間の友達が出来て、うれしぃ」
いちゃついているううううう!!!
(こっちも百合NTRかよっ!!)
地味ハーレムが本当に出来るか、心配になってきた。
「あっ校長先生」「気配を感じたのでね」
「ちょっとクリスさんをお借りしてもいいですか、
これ、寄付のポーションです、まだ少ないですが」「……良いでしょう」
こうして教室に入ると、
俺の姿を見て駆け寄ってくるふたり。
「グラン様!」「グラン御主人様!」
あっ、今度はこっちに抱きついてきた!
「また来ちゃってごめん」
「嬉しいです!」「私も!!」
うん、クリスちゃんは早くその眼帯を取ってあげたい、
あとアトリちゃんは早くメタモルフォーゼを憶えて人間に変身できるように……
って時間がない、さっさと用事を済ませよう、次の授業が始まっちゃう前にね。
「クリスさん、ちょっと確認して欲しいことがあって、出られるかな」
「でも」「校長先生の許可は取ってあるよ」「グラン御主人様、私もー!」
「いや、アトリちゃんは」「アトリ様も一緒が良いです!」「じゃ、じゃあ、すぐ戻るよ?」
廊下に出てタウンテレポート、
廃山小屋の例の売店跡で待っていたのは……
「いらっせい」「ガルダさん」
「ちゃんと石を売ってるぜ」「ありがとう買わないけど」
「ここって、こうなっていたんですね」「クリスさん憶えているんだ」「匂いで」
これだと、サバサさんも会ってたら匂いでわかるかも?
「サバサさん」「はいっす」
「クリスさんと面識は」「わからないっす」
「あっ、当時は盲目ね」「当時と言われても……っす」
そうか、名前以外の記憶が無いもんな。
「クリスさん、声を聞いてみて、思い出せない?
攫われていた山賊アジトに居たかもしれないんだけれど」
「んーーー……もう一度、声を」「サバサさん」「サバサっす」
目を閉じで耳に集中したクリスちゃん、
そしてカッと茶色い片目を見開くと……!!
「グランさん」「思い出した?」
「正直に申しますと」「うん、申すると?」
「はっきり言って……」「言って?」「わかりませんっ!!」
わからないのかよーーー!!
「いや、サバサって名前に心当たりは」
「無いですね、お世話してくれたのは女性ばかり、
あとたまに親分さんの声が聞こえた程度ですから」
うーーーん、
これはいっそ、
サバサさんにあのアジトまで……いや、やめておこう。
(それこそ、藪蛇だ)
ただ、こうなるとサバサさんの名前を変えた方が良いかも?
「ありがとう、じゃあ帰すよ、ガルダさん達も、もうちょっと待っててね」
これもまあ、
一応は進展があったってことかな、
早く帰って明日の学校に備えて、寝なきゃ。




