第63話 眼鏡屋さんで、地味ハーレム候補と遭遇。
(と、いうことでカロリちゃんは視力の検査中です)
眼鏡屋さんで待機中の俺とお金を母上から預かって来たミラさん、
待合室で待っているものの、その部屋の隅では、やかましい少女がひとり……
「ウインド! ウィンド! ウゥウィンドッ!」
杖を持って空へ向かって唱えるイレタちゃん、
いつもと違う眼鏡は予備だからか、いつものは調整中かな?
こっちもこっちで地味眼鏡、うん、素晴らしいがいつものより地味眼鏡だ。
「イレタちゃんイレタちゃん、また声がかすれてきてるよ」
「でも、でも早く」「だから、のんびり行こう?」「だってぇ……」
「……わかった、無詠唱で出来るようにやってあげる」「ほっ、本当っ?!」
後でちょっと調べたけど、
無詠唱魔法なんて、よっぽどの努力と経験を重ねたエキスパートか、
スキルとして最初から持っているのは宝くじレベルらしい、つまり超貴重。
(って、ミラさんに聞かれちゃってるな、まあいっか)
全てを話す訳にはいかないが、
ある程度は知っている訳だし、
秘密共有の仲間が近い所に居るのは便利だ、兄上メイドのイシタさん行っちゃったし。
「じゃあ背中を」「ウィンド! ウィンド!」「それはしたままなんだ」「ウドゥン!」
いま、うどんって言わなかった?!
まあいいや、ステータスオープンっと。
名前:イレタ 年齢:7歳 性別:女性
体力:16 魔力:94 職業:(魔法使い)
装備:私服 魔法使いの杖 魔法:ファイア、サンダー、ウォーター
加護女神:エデス スキル:魔力回復速度大
あれ、ウォーター憶えてる、
個人的にはヒールが先のがいいんだけどな、
使用魔力の関係かな、まあいいや、余白はっと。
(スライドして……あったあった)
ちらっと見ると、
ミラさんは俺とイレタちゃんを全体的に見てるから、
やっぱり半透明のウィンドウは見えていないらしいな。
『全ての初期魔法を10000回の修練で憶えて使うことが出来る
※魔法は使う毎に威力を増す事が出来るが消費魔力は変らない』
『最大魔力量は同じ魔法を10000回使うと、ひとつの魔法につき1回のみそこそこ増える』
これに無詠唱を追加かあ。
「ええっとイレタちゃん、無詠唱の条件って何かあるかな」
「条件、というと」「こうしないと無詠唱で魔法できませんよっていう」
「……声を大きくする、とか」「いやそれ無詠唱じゃないから」「あっ」
さすが七歳児の頭脳だ。
「じゃ、じゃあ、グランくんと居る時、とか」
「そっか、僕と一緒の時だけ無詠唱できるっていう、
でもそれだと家で特訓が」「来て欲しい」「ええ」「駄目なら、普通に声を」「あっそうか」
普通に唱える事も出来るからね。
「じゃあ、それで入れてみるよ、くすぐったくなったらごめん」
四行目に『無詠唱』っと、
これだけだとやはり紅枠が点滅、
五行目に※を入れて注釈、条件を……
『※ただし、グランと一緒に居る時に限る』
エンター!
あれっ、枠が黄色に。
<四行目と五行目はまとめられます>
あっそうか、
注釈だからって無理に分ける必要ないか、
あと四行目が、たったの三文字だし……よしっ。
『グランと一緒の時、無詠唱で魔法が使える』
リターン! っと。
おっ、緑の枠が点滅して……
<文章の調整が必要です、こちらで行いますか? YES/NO>
通るんならいいや、YESっと。
『愛する人と一緒の場合、無詠唱で魔法が使える』
……あれっ、グランの名前が消えて、えっ、
(ええええええええええ?!?!?!)
俺は後ろから、小声で尋ねる。
「イレタちゃん、その、『愛する人と一緒だと無詠唱を使える』って、なるんだけど」
みるみるうちに顔が紅くなって、
無詠唱で、もとい、無言のままコクリと頷く。
(これでいいってことか……)
まあいいや本人が良いって言うんだ、
このまま通しちゃえ、ってちょっと待てよ、
憶えるための訓練も含まれるんだろうか、それこそ注釈で……
※魔法を憶えるための訓練も含む
これでリタンタンタン!
<五行目は省略できます>
つまり、最初から無詠唱で出来るのか、
消してっと、って勝手に消えたな、さすがAI、サービスがいい。
<このまま申請しますか? YES/NO>
「よし、それじゃあ行っちゃうよ?」「はいっ」
せーの……エンターーーー!!!
(どっかの外国人女性シンガーみたいだ)
自分で考えて何言ってるんだか、言葉には出してないが。
<受理されました、一分以内であれば消すことが出来ます>
ガチャッ
「グランおにいちゃん!」
「あっ、眼鏡!」「はっきり、くっきり、みえます!!」
店員のお爺さんも出てきた。
「ではお代についての話を」「はい」
そしてミラさんと再び引っ込んで行った。
「カロリちゃん、良い縁なし眼鏡だね」
「いちばん、やすいって」「壊さないようにね」
と、ぎゅっと強く腕を掴まれた!
「……その子、だれ?!」
イレタちゃんの表情が、
なぜか、怖いんですけれどもーーー!!
(七歳児が六歳児に嫉妬かぁ)
いや、俺も七歳児ですけれどもね!
さてどうしよう、いや、ちゃんと挨拶をさせようっと、
地味ハーレムへの大切な一歩だぞ……ここは、最初が肝心だ!!
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