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VIVA! 地味ハーレム ~派手な芸能一家の末っ子だった俺が、異世界転生したのでひたすら地味に生きて行こう~  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第一章 地味ハーレムの道は地味な幼馴染作りから!

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第45話 イシタさんが怒られる、と思ったらまさか助けてくれたのが。

「申し訳ありませんルミエル嬢ちゃん、私が洗っておきました」

「えっイシタが?! ということは、ジェラルお兄さまが」「いえそれは」

「じゃあなんでイシタが洗うのよ! わかった、かばっているんでしょう!!」


 ただいまー、とイシタさんと帰ってきたのは良いが、

 いきなりフィッツジェラルド子爵家次女、僕の近い姉である、

 ルミエル=フィッツジェラルド(11歳)がやってきて、挨拶もせず、


『ねえ、私の部屋の下着が無くなっているんだけれども!!』


 と問い詰めてきた、こっちに。


『ぼく知らないよ! そんな、ぱ……』


 パンツが三枚も、と言いそうになった瞬間、

 イシタさんが慌てて割って言ったのが冒頭の言葉である、

 ってなんだ冒頭って、まあいいや、イシタさんが怒られてくれるらしい。


「テト、あとで渡しますね」

「は、はいイシタさん」「テトも言ってやりなさいよ!」

「ルミエルお嬢様、これにはきっと理由(わけ)が」「さっさと言いなさい!!」


 うーん、ヒステリック!

 11歳の女の子なんて感情的に色々と難しいというか、

 反抗期だったり思春期だったり心身ともにバランスを崩しやすい頃だ。


(ましてや時代が中世ヨーロッパっぽい異世界だからね)


 精神を落ち着かせる魔法とか無いかな、

 と思いながら、とりあえずはイシタさんの言動に任せてみる。


「全体的なお掃除をしていた時、時間も余ったので全てのお部屋のチェックをと思いまして」

「それで私の部屋へ無断で入ったの?!」「はい、部屋を空けて随分と経つので、お掃除を」

「だからって、なんで私の下着を」「ネズミや虫に食べられていたりしないか、一通り見て」


 虫よけ防虫剤とか、

 この世界には無さそうだもんな。


「……そもそもなんで私の部屋の合鍵を、マスターキーはメイド長の部屋よ」

「それは」「私だってさっきテトに言って、持ち出そうとしたけど入れなかったわ」

「ルミエルお嬢ちゃん、それに関しては、その」「合鍵はテトだし、どうやって出入りできたのよ」


 あー、これどうするんだろう、

 勝手にメイド長の部屋に入ったってなったら、

 あきらかに処分される、でもここで俺が入って言い訳するのは悪手な気が……


「私が命じたからよ」「「メイド長?!?!」」


 出たあああああ!!!

 泣く子も黙る(当家に限るが)メイド長、

 昔は公爵家の六女だったとか元冒険者だったとか噂のレイムさんだ。


(なんだろうこの名前、本人はめっちゃ厳しく怖いメイドなのに、ゆっくりしていきたくなる)


 前世になにか覚えが、

 なんとなく忘れた方が良い気もするが。

 あっ、どさくさまぎれに挨拶しよう、七歳児なら許されるだろう。


「ただいまかえりましたっ、レイムさまっ!」

「グラン様、仕えるメイドに『様』はいけません、そこは『さん』です」

「はいレイムさん」「旅は楽しかったですか?」「それはもう」「今はルミエル様と話しています、黙っていなさい」


 うん、確か五十そこそこ手前そして独身、

 もう子爵家のメイド長という仕事にしか生きていけない感じ、

 いや、七歳の記憶と三十九歳の偏見が混じった感想だけれども!


(軽く怒られたから黙っておこう)


 さささっとイシタさんの後ろに隠れる俺、

 そうそうメイド長は子爵家の子供全体の教育係も兼ねているのに、

 丁寧にみんな『様』で呼ぶんだよな、その割には怖くておっかない。


「レイムさん、どういう、こと、ですか」

「まずルミエル様、取り乱してみっともないですよ、はしたない」

「ご、ごめんなさい」「ルミエル様の兄や弟に、そんなことするのが居るはず、ないでしょう」


 いまーーーす!

 ぼっくでーーーーっす!!

 いやいや用途はきちんとしていますよ?!


(明かす訳にはいかないけど!)


 インビジビリティの魔法で商店に入り込んで、

 女児用の下着を盗んでくる訳にもいかないし、

 身内のなら、あくまで借りるだけ……無許可は窃盗か。


「でも、じゃあなんで」

「抜き打ちチェックです、衣服の洗濯はお付きメイドの仕事、

 イシタに言って確認させて、少しでも汚れていたら洗い直すようにと」


 あっ、なんだかよくわからないけど、

 メイド長が辻褄合わせしてくれている!!


「そう、だった、の」「ルミエル様、もっと兄弟を、家族を信頼しなさい」

「……悪かった、わ」「きちんと謝りなさい!」「ひっ、ご、ごめんなさい」

「そしてテト、貴女は仕事に粗い部分がたまにあるわ、気を付けなさい」「申し訳ありません」


 ……ぶっちゃけ、綺麗に洗ってあったと思う、

 いや丸めてあるのを奪ってきたから拡げて確認とかしてないけど!

 そう考えるとテトさんにも悪い事しちゃったかも、まあ当然、ルミエル姉さんにもだけど。


「ではイシタ、グラン様を部屋に送ったら私の部屋へ」「はい、旅の報告を」


 ……あっこれ、

 もしかして、メイド長もわかっている側か?!

 とまあこの場(玄関)は解散となった、黙って自分(グラン)の部屋へと。


(なんとなく、前世のあのシーンを思い出すな)


 新人女優が、おっかない監督の元での映画撮影、

 体育会系なのか『叱れば磨かれる』みたいに思っているせいで、

 やたら怒られていたけど、あるシーンでまったくミスしていない主演級の有名女優さんが、


『今のNGは私のせいです、ごめんなさい』


 と謝って演者スタッフ全員に丁寧に頭を下げた、

 そして最後にもう一度、監督の耳元で何か言って、

 撮影再会、その後はNGが出ても、新人女優はそこまで叱られる事は無かった。


(あの時、何を言ったんだろうって演者の中で話題になった)


 俺はあえて言わなかったけど、

 出演者で一番近くに居た俺には聞こえてしまった。


『今後、彼女のNGは全て私のNGにしますから』


 うん、色々と怖い、

 その日の撮影後、新人女優がその人気女優に謝りに行ったら、


『さっきのNGは私のミスよ、さっきのは、ね』


 と……次からは気をつけろよ、

 もう同じように(かば)うようなことさせるなよと、

 こういう所が一流女優の、気の遣い方なんだなあって感心した。


(このメイド長、その女優さんと同じような雰囲気を感じる)


 まあ実際になんで(かば)ったのかは知らないけど、

 と考えてながら俺の部屋へ、入って落ち着く……ふう、疲れた。


「ではグラン坊ちゃん、メイド長の所へ行って参ります」

「うん、ちなみにメイド長は、イシタさんの正体は」「知らないですよ」

「そうなんだ、じゃあなんで(かば)ってくれたの」「それは……とりあえず、秘密です」


 秘密、ねえ。


「それでは失礼致します」

「うん、僕も寝直すよ、お昼寝する」


 と去って行ったイシタさん、

 インビジビリティの魔法で姿を消して、

 メイド長との会話を聞きに行っても良いけど、さすがにそれは反則かな。


(この世界において、異世界転生レベルの反則をしている俺が何だけれども!)


 さて、寝るか……いや、お風呂かな、

 なんだかんだで汗かいた、鳥とも軽く格闘したし、

 ということでお付きメイドのミラさんも居ないことだし、ひとりで支度して……


(さすがにこの時間、誰も居ないよね)


 ゆっくり準備をしてお風呂場へ、

 クリスちゃんの忘れ物とかないよね?

 まあいいや、そんなの探している暇はない、さっさと入って……


 ガラガラガラ


「誰?!」「あっ、姉上」「グランじゃないの」


 さっきまでヒステリー起こしてた、

 ルミエルお姉さまがすでに自分で身体を洗っていた!!


「ごっ、ごめんなさい!」

「いいのよ、洗ってあげるから来なさい」

「えっ」「さっきのお詫びよ」「う、うっ、うん」


 まさかの姉弟、お風呂で水入らずだ!!!

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