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VIVA! 地味ハーレム ~派手な芸能一家の末っ子だった俺が、異世界転生したのでひたすら地味に生きて行こう~  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第一章 地味ハーレムの道は地味な幼馴染作りから!

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第32話 夕焼けのサキュバス村、父の元メイドに渡した手紙の内容とは。

「……見えてきました」

「あっ本当だ、夕日に照らされて綺麗だね」

「えっ、見えるのですか?!」「私は見えません!」


 クリスちゃんの盲目ジョークは置いといて。


「実は私の故郷は、魔法で人間には見えないはずです」

「でも見えるよ、意外と普通の、木造の小屋集落だね、煙も出てる」

「お風呂好きですから、おかしいですね、人間には深い森にしか見えないはずで」


 何せ全魔法取得だからね、

 どれかの解呪魔法が勝手に発動しているのだろう、

 その割にはイシタさんの正体は鑑定(ステータスオープン)しないと見えなかったけど。


「いきなり中は不味いかな、って外にあまり居ないね」

「予定より二~三時間早く到着したので、この時間は」

「えっ、僕たちが行くって伝えてあったの?」「いえ、朝夜逆転している村と思っていただければ」


 つまり、人間でいう所の早朝に来ちゃったのか。


「衛兵っぽいのも居るには居るね、人間ぽい見た目にしてるけど、あれがインキュバスか」

「はい、あの広場が入口に繋がっている、って坊ちゃんには見えているのですよね、もう」

「なんだか独特の匂いがします」「クリスさん、それはどういう」「肌から滲み出る匂いといいますか」


 フェロモンとかいうやつかな?

 単に汗臭いとか、そこまでは感じないけどな、

 着地するといかにも人間の衛兵って装備の男性が。


「イシタ! こんな遅い、いや早い時間に」

「人間にとっては寝る前の時間よ、それよりもこちら、私がお世話になっている……」

「ああ、人間側の領主、その息子か」「ええ、その息子の弟、グラン坊ちゃんよ」「はじめまして!」


 深々と頭を下げる。


「……俺はアビリィ、それにしてもなぜ」

「この子にはサキュバスだって見破られたのよ、それで」「餌に」「まだ早い!」


 思わず即座に突っ込んでしまった。


「ごめんねアビリィ、この子なりの冗談よ」

「それにしては飛んできたが」「魔力が凄いうえに隠せる人間みたいなの」

「これ以上は言えねえなあ、ふっふっふ」「……それはそうと、イシタが抱えている少女は俺への土産か?」


 スルーされちった、

 面倒くさそうだもんな、こんな七歳男児。


「こっちの子はクリスちゃん、目に見えて魔力が凄いわ、でも目が見えないの」

「はじめまして、聖女クリスと申します」「こっちは妹か?」「グラン坊ちゃん」

「ええっと、彼女を匿ってあげて欲しいのです、事情はまあ、命をねら」「とにかく入れ」


 さっさと迎え入れられちゃった。


「それでアビリィ、長老は」

「最近は日が沈んだら起きる、もうちょっとだな」

「じゃあそれまで、実家に顔を出してくるわ」「あっ、例の」「そうよ坊ちゃん、居るはずよ」


 思わず俺が『例の』と言った件を心の中で再確認すると、

 父上がかつて傍に置いていた元メイドが実はサキュバスで、

 イシタさんの伯母なんだっけ、今は暇を貰って故郷に帰っていると、それがここだ。


「じゃあ俺は表に戻る」

「ありがとうねアビリィ」

「そちらの御嬢さんも、またな」「はいっ!」


 奥へ行くと大きな屋敷も多いな。


「この様子だと、多いんですねサキュバス、インキュバス」

「大体はひとつの家に親戚も集まって暮らしているわ、共有性が高いの」

「物を大切にしているんですね」「命もね」「防衛的にですか」「捕食的によ」


 ……何を食べちゃうのか、

 七歳児としては聞けないよね!

 行った先は三階建ての屋敷、といっても三階部分は飛行のための出入口っぽい。


(でもちゃんと一階の、玄関から入るや)


 紐を引っ張ってベルを鳴らす。


「ただいま……ただいま、ただいま」


 しばらく繰り返したのち……


 ガチャッ


「あらおかえり、こんなに早い時間に、急に」

「ただいまお母様、事情があって一泊だけ、伯母様は」

「まだ寝てるわ、って人間の子供!」「はじめましてグランと」「早く入りなさい」


 急いで家の中へ、

 イシタさんの姉みたいなお母さんだな、

 サキュバスは年齢を重ねても綺麗なままなんだろう。


「とりあえず、こちらへ」


 居間へ通される、

 お茶を出してくれるが紫だ、

 シソかな? と思って飲んだが、どっちかというと甘い。


「お母様、まずは説明を」「ええ」


 ということで、

 ここまでの流れを説明してくれるイシタさん、

 もちろん俺の事は隠している部分までは言えない(知らない)が。


「……七歳でフライ、ティム、テレポートねえ」

「坊ちゃん、それ以外に魔法は」「えっと、触れないで!」

「人間よね?」「人間ですよ」「……そちらの聖女様は」「クリスと申します!」


 などと話していると……


「朝から賑やかね、人間の匂い、久しいわ」

「伯母様!」「イシタこの二人はお土産?」

「子爵様のお子さんと、その子が保護した聖女よ」


 そう言って父上からの手紙を渡すイシタさん。


「これは……」「坊ちゃま、伯母のミロルです」

「は、はじめまして、父が昔、お世話になったと……」

「……読んだわ、イシタ、これ返事しないと駄目?」「どうでしょうか」


 いったい何て書いてあったんだろう? 聞くか。


「あの、内容は」「子供にはわからないわ」

「返事が無いなら、なかったってちゃんと言うために、一応」

「賢い子ね……貴方を、息子グランをよろしくって話と、あとは……ふうっ」


 大きくため息をついた。


「あと、は」

「書いてあるまま読むと『あの夜の事は本当だったか幻だったか、最後に教えて欲しい』と」

「あーーー、はいはいはい、それで返事が無し、と」「わかるの?」「ぼくななさいだから~」


 まあ確かにこのミロルさん、

 身体で父上を黙らせられるスタイルをしているねっ!!


「イシタ、返事をしないのが答えよ」

「はい、確かに手紙を開いて読んだとお伝えしておきます」

「ぼくもぼくもー! おんどくしたっていっとくー、まーかせて!!」


 ……急な七歳アピールに、

 ちょっと引かせてしまったや、

 サキュバス相手に……さあ、この空気、どうしよう。

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