第128話 豪華夕食は、決起集会みたいな。
甘酒4本飲んだら11時間も寝てしまいました、
更新遅れてごめんなさい、さっき朝ごはんをいただきました。
「では我が『SET隊』の王都到着を祝して、かんぱーい!」
「「「「かんぱぁ~~~いっっっっ」」」」
レストランは目立つしマナーがアレなのも二人居るので、
いや子爵家でもそれなりには教えてはあるんですけれどもね、
やはり場所のランクというものがありまして、なので部屋の食堂でルームサービスディナーですよ。
(メニューは変らないらしい)
場違いなのは王都一のレストランで体験済みだからね、
十二歳用にしてはほんとに豪華、ランチといいディナーといい、
勘違いしそうだ、でも今日だけ、到着記念ということで今回は許そう。
(そしてこのメイドの多さよ)
背中をじーっと見てみると、
やはりというかこれメイドじゃないよねって人も、
いやもちろん元冒険者が隠居してメイドとか、冒険者兼メイドとか……
(って、あんまり黙ってても不自然だな)
まあ公爵家の食卓とか静かなイメージはあるけど、
今は子供だけしかも冒険者見習い、あんまり喋らないのもね、
みんな乾杯のジュースも飲み終えた感じだし……と思ったらイレタちゃんが。
「それでグランくん、この後どうするの」
「いやお風呂入って寝るよ、それぞれ個別のベッドで」
「グラン様の隣は空いてますでしょうか?!」「隣の部屋?」「いえ、同じ部屋で!」
メイドさんのひとりが笑ってら。
「ルシアちゃん、個別ベッドって言ったよね?」
「グラン様のベッドは二人分以上かと」「個別じゃないよね」「個別ですよ」
「グランくん、あのベッドだったらみんなで一緒に寝ても」「冒険者はじめたら雑魚寝なんて、ざらだから!」
いくら正妻の提言でも、
無理に集める必要は無いっていうか、
さすがに十二歳でそれは早過ぎる気がする、いかにハーレムでも。
「あの、グラ兄ぃ」「カロリちゃんどうしたの」
「ここは、SET隊として、多数決を!」「えええ」
「ではメイドとして決を取らせていただきますねご主人様」「アトリちゃん……」
さらに笑っているメイドが増えた、
いやいいのかメイドとしてそれは、
ちゃんとお水を注いだりはしてくれているが。
「今夜、グランご主人様のベッドで、みんなで眠るのに賛成な方!」
「はいはい」「はいっ!」「はいですわ」「私も、ですので賛成が4票です!」
「おいおいおい」「反対の方は?」「……」「居ませんね、では反対0票で!!」
もう逆らえないや。
「グランくん」「あっはい」
「正妻命令よ」「んー、みんなさあ、十二歳だよね」
「グラ兄ぃ、一緒に寝るだけだし、今更だよ」「ですわ」「もう決まりました!」
まずいな、
あのベッドだと部屋のど真ん中だから、
壁を向いても必ず誰かと向かい合っちゃいそうだ。
「それでグランくん、私が聞きたかったのは、それじゃなくって」
「えっそうなの?!」「これからていうのは冒険者学校の話よ、明日以降」
「ええっと、寮に入れる日までは兄上の家で、多分二階の部屋かな、ウォルちゃんが寝てる」
それこそ一部屋で雑魚寝だ。
そう思ったらメイドから思わぬ言葉が。
「遠方から来た生徒は、もう宿泊は黙認されていますよ」
「えっ本当?!」「辺境の貧乏貴族いえ金銭的に余裕の無い方のために」
「そうなんだ」「もちろん、それなりの爵位が無いとですが、ドラゴンバスターの称号があれば余裕かと!」
そこでその実績が使えちゃうのか、
まあ確かにあのまま居たら毎日たかられる、
今度は王都二番目のレストランで、とか言われたら出費が多くなってその出所は、ってなる。
(さすがにドラゴン討伐の金貨も、父上からの餞別の銀貨も底をつく)
これ以上の持ち出しは、不自然だ。
『アトリちゃん、もう最低限しかないって言ってね』『はい』
念話魔法で仕込んで、っと。
「称号はともかく、もうお金がなあ」
「はい、もう王都で生活する最低限しか残っていません!」
「えっもう?!」「はい、グランご主人様の、お兄さまのせいですね」「んったくもう」
あれはお金を過度に持たせたらヤバいタイプだ、
そういえば前世のウチみたいな芸能ファミリーで、
中学生の娘に月のお小遣い二十万円渡してた家族があったな。
(もはや生きているだけでサラリーマン並の給料だ)
パパ活されるよりもはマシって話だったが、
何に使っているか聞いたら同じクラスの貧乏な友達ふたりに、
マックや服を奢ったりしてるって話だった、本人は『課金』とか言っていたが。
(それって本当に友達? って聞き返した)
まあ本当に痛々しい程の貧乏、
経済的DVを受けているならって気も少しはするが、
正直『それ、たかられてるだけだから、やめた方がいいよ』って言いたくなった。
(まさに今日の兄上の件で、思い出したよ)
百歩譲って自分の芸能の金で、
ならまあわからないことも無くはない、
でも親からのお小遣いだぜっていう……話を戻そう。
「入学前にFランクの依頼をちょっと受けるのもいいかも、
薬草採取という名の雑草取りとか、あと訪問治療という名のお年寄りの話相手とか」
「グランくん、それって冒険者学校に入ってからやらされそうね」「うん、しかも無料で」
だから先にお金取ってやろうと。
「グラ兄ぃ、やさしい」
「グラン様の御意向に従います」
「グラン御主人様の手足となります!」
相変わらずのこの完全同意ハーレムよ!
いや本当にイレタちゃんの存在は助かる、
俺だって間違える選択をするのは十分ありうる、いや絶対あるからね。
「じゃあグランくん、そのあたり、後で整理しましょ」
「それぞれ個々の能力と、出来そうなことを」「そうね」
「グラ兄ぃ、だったら改めて冒険者ギルドへ」「うん、Fランク用の依頼を見るだけでもね」
話ながらもしっかり料理はいただく、
残したらお持ち帰りできないのかな、
アイテムボックスなら腐らないんだけれども。
「グラン様、私もどこの教会の所属になるか、見て周らないと」
「それがあったね、ルシアちゃんに合う教会があると良いんだけれど」
「正直、よくわかりません!」「冒険者学校に入るまでに、とかそんなことは無いはずだから、じっくりね」
まあ、例の元居た教会にさえ行かなければ良いだろう。
「グランご主人様、私は出来れば例の本家に」
「あっそうか、挨拶に行かないとね、公爵家だっけ」
「校長の、メッシュお爺様の手紙を持って、一度はご挨拶に」「ついて行くよ」
そう、手配してくれたルシアちゃんの戸籍の大元、
一回はちゃんと姿を見せないといけないことになっている、
でないともし、身分照会か何かが行った場合、面倒だからね。
(そんなヤツは知らん! だと出自を疑われる)
そのあたりの仕上げもしなくちゃ。
「グランくん、一日で全部やらなくても」
「まあそうだよね、とにかくじっくりゆっくり」
「グラ兄ぃに任せるね」「ついて行きます!」「メイドとしてお手伝いします」
よし、まだ食事中だけど、シメよう。
「僕らはまだダメダメな新人冒険者見習いだけどさ、
無理して死ぬことは避けたいから、地味に地道にこつこつ、
やれることを精いっぱいやって、とにかく一生懸命、生きていこう!」
みんな俺の方を見て……
「「「「はいっっっっ!!!!」」」」
うん、凄く良い感じだ、
まさに決起集会といった夕食、
あとの心配は……ネトラレだけかな。
(いや、フラグじゃないよっ!!)
ということで食事を済ませた、
メイドさん達を、うまく自然に往なせたとは思うけど、
さて、どうなることやら……あっ、この後はお風呂タイムです。




