第124話 情報収集のような、取り調べのような。
結局、俺たちは冒険者ギルド本部で、
情報収集を個別にすると言われ各個室に入れられたが、
あきらかに騎士団員な感じのおじさんに取り調べ、いわば尋問をされていた。
「……わかった、ではそのNNNとかいう連中の仕業なんだな?」
「はい、あとはあっちの冒険者ギルドに聞いてください、確認して下さい」
「わかった、情報の擦り合わせはしておく、まあ良いだろう」「ありがとうございます」
テレパシーでたまに情報の確認をしたおかげで、
どうやら個々の話を合わせた矛盾点は無く過ごせたっぽい、
あとは実際の、現場の声でわかるだろ、領兵とか、ティーナさんとか。
「時間を取らせた、それで今夜は」
「兄上の屋敷は狭いから、宿をと思っていたのですが」
奢りだと思って、兄上が一番高いレストラン頼んじゃったからなあ、
まあドラゴン討伐の手柄を貰ったことによる金貨十枚から払った事にすれば、
あの支払いも辻褄があうってことで一応は納得して貰えた感じ、とりあえずは。
(実は俺が五年間、ポーションとか魔石とか売って貰って稼いだ金貨なんですよ)
アイテムボックスにザックザクである。
「よしわかった、君たちにドラゴンバスターの敬意を込めて、宿代を出そう」
「えっ、本当ですかあ?!」「そのかわりに指定した宿だ、一晩だけだがな」
「……牢屋って落ちは嫌ですが」「何か後ろめたいことでも?」「冗談ですよ」
解放されて冒険者ギルド受付へ、
初心者受付も三列あるとはさすが本部!
そのうちひとつでアトリちゃん達がすでに待っていた。
「あれ、最前列、って言っても『休止中』の札が」
「グランくんが来るまで、待っているんだって」「あっ、来た」
カロリちゃんの声に見やると、
ザマス言いそうで言わない眼鏡受付嬢がやってきて、
休止中の札をひょいっと取ってカウンターの内側、下へと仕舞った。
「はいっ、『SET隊』の皆さん、新しい冒険者カードです!」
「えっと、Fじゃないですか」「はい、ドラゴン討伐の印もきっちりと」
「ええっと、僕ら、冒険者学校へ」「まれに居ますよ、すでに正式なカード持って入学される方々が!」
いやいや、これは困る、いくら白色でも。
「ドラゴンの頭を貰って出しただけですよ?」
「運も実力です、冒険者学校でも、そう教わるかと」
「本当に何もしていないんですって」「ご迷惑をおかけしたお詫びです!」
いや、ありがた迷惑だよ。
「すみません、冒険者学校で正当な評価を得たいのですが」
「では」「学校でGランクのを貰いたいんですが」「わかりました」
ほっ、二階級特進は無しになりそうだ、死んでないし俺たち。
「ではこのカードは」「それはそれでお持ち下さい」
「えっ、Fは回収しないんですか?」「そちらが本命、本来のカードで」
「じゃあ学校で貰えるのは」「それはそれ、これはこれ、ということで」
冒険者カード、二枚になっちゃうよ!
「それって、確か違反では」「特例です」
「えええ」「冒険者学校限定のカードということで」
「じゃあ、こっちのFは」「冒険者ギルドでは、そちらをお使い下さい!」
駄目じゃん!
でも、なにせ冒険者ギルド『本部』の決定だからなあ。
「片方を、廃棄したら」「罰せられます」
「うーーーん」「学校側には、よく説明しておきますので!」
ま、どっちみち卒業したらF級からのスタートだ、
学校では学校で地味に目立たず卒業できれば、それでいい。
「わかりました」
「ちなみにドラゴンハンターはVIP受付が使えます!」「えええ」
「そしてドラゴン討伐関連のクエストを優先して受けられます!」「ちょ、困ります」
肉壁は嫌だあああああ!!!
「安心して下さい、冒険者ギルドとしては事情を知っているので」
「ほんとにぃ?」「ですので本当にドラゴンを倒せる実力を手に入れて下さいね!」
「それはどうだろう」「またNNNの皆さんに頼んでも構いませんよ!」「いや初対面ですし」
うーーーん、
冒険者ギルドの方も、
やっぱり繋がりを疑っているみたいだ、少しは。
(これ、アルトリアスでNNNを出現させようかな)
いっそ懐かしの山賊アジトでも壊滅させるか、
クリスちゃんが捕らわれていた方ね、隣国だけど。
「ではこちらも」「えっ、なにこの手紙」
「今夜の宿でございます」「あっはい」「それを持って騎士団の方に」
振り返ると待ってるや、若い感じのが。
「わかりました、ってちょっとまだ早いかな」
「もうチェックイン出来るように、手筈は終わっております」
「ええっと、騎士団持ちでしたっけ」「冒険者ギルドもですよ!」
ということで話は終わりか。
「ありがとうございました、それでは」
「申し遅れました、わたくし、ここ冒険者ギルド本部、
受付部長のココ=ジャスミンと申します、SET隊担当でもありますので」「うそー」
受付嬢の頂点かよ!
「もちろん担当は、沢山持っておりますが」
「ですよね」「初心者は皆さんだけですよ?」
「それはそれは」「困った事があれば、何なりとどうぞ」
ということで冒険者ギルド本部を出た、
ええっと泊めて貰えるホテルって、どこだろう?
誘導してくれている騎士団についていくと……うっわ、見上げるレベルに巨大な馬車!
「騎士団の馬車を用意しております」
「すごーい、豪華」「ささ、お乗りください」
これ貴族どころか王族レベルだ。
(困ったな、目立って仕方が無い)
地味ハーレムの、明日はどっちだ。




