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VIVA! 地味ハーレム ~派手な芸能一家の末っ子だった俺が、異世界転生したのでひたすら地味に生きて行こう~  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第二章 地味ハーレムは冒険者学校でも地味にいきたい!

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第122話 子爵なんて、そんなもんですよ。

(うっわ、もう一時間半も待たされている)


 王都の最高級レストランとやら、

 貴族用の入口とやらで入ったは良いが、

 ランチは予約で埋まっており、キャンセルが出たら通すとか言われて待たされている。


「兄上、これ最初から普通の、庶民の入口から入った方がまだ」

「いや、子爵家として、貴族としての扱いを受けるべきだ!」「はあ」

「こんな贅沢めったに、いや、我がフィッツジェラルド子爵家を汚す訳にはいかぬ!」


 いやお腹が空いてるんですけれども、

 地味ハーレムの面々は久々再会のウォルちゃんと、

 ずーっと雑談してて飽きないみたい、お使いに出したアトリちゃんが抜けても。


(なにが『子爵家を汚す』だ、次男しかも大領主の小間使いが)


 まあ気持ちはわかる、

 せっかく本家から(と思っている)のご馳走で奢り、

 しかも一番良い高級レストランを選んだものだから、プライド的に良い扱いをされたいのだろう。


「兄上、これ待ち続けて『ランチタイムは終わりました、また明日』で言われるやつですよ」

「貴族相手にそんなことするはず、ないだろう!」「でもよく見ると空席もちょこっとありますし」

「予約席だろう、聞いていなかったのか」「いやまあ、可能性は色々と考えられますが」「とにかく待て!」


 おそらく上位貴族が急に来た用に空けてある分もあるのだろう、

 子爵が来た? 王都最高級レストランからしたら子爵なんてそんなもんですよ、

 あとは単純に人数、八人用テーブルとか無さそうだし、まあ六人掛けを窮屈に使えば可能だけど……


(おそらくお店のランク的に、更に貴族エリア的にそんなのは出来ないだろう)


 それとこれはあまり考えたくないが、

 あんな事実上の子供ばかりの子爵一行、

 予約もしていないんだし時間切れまで放っておけ、っていうのは、ありうる。


(あったんですよ、真冬の東北のホテルで)


 プライベートで行って友人が当日予約を入れようとしたら断られ、

 同じホテルを俺が『俳優の高峰群司(たかみねぐんし)です』って言ったら普通に予約できた、

 チェックアウトの時に『サインいただいてもよろしいでしょうか』と言われて断ったのは、友人のためのせめてもの抵抗だ。


(普段は基本、断らないんですよ)


 それにしてもこのままだと、

 本当にお昼ご飯がおやつ時間まで待たされる、

 いやそれどころか『キャンセルは出ませんでした』になる、嘘でも本当でも。


「あっ、アトリちゃん来た来た」


 イレタちゃんが反応した貴族入口、

 やってきたのはアトリちゃんが連れてきた女剣士。


「話は伺った、事情も察する」

「ごめんなさいヴァネッサさん、すぐ王都を発ってなくて良かったです」

「お姉様に頼まれた買い物や、こちらでないとできない補給もあるのでな」


 そう、ネームサーチで俺たちに一番近い『ヴァネッサ』さんを探すと、

 普通に冒険者ギルドに居たのでアトリちゃんに走って行って貰ったのです、

 で、子爵家として貴族の特別扱いはさせて貰えそうにないからということで……


「それでは、こっちではなく」

「ああ、ついてきてくれ」「兄上、順番が来ましたよ!」

「なんだ、貴族の入口では」「そんなの出て来る料理は一緒ですよ、多分」


 渋る兄上をお付きメイドのジュディさんが引っ張り出してくれる、

 きっと彼女もイラつい、いや、お腹が空いているのだろう、うん、きっとそう、

 そして一般入口でもない、おそらくこれは冒険者入口だな、へみんなで入ると……


(酒場みたいだなオイ!)


 いやこれ、本当に同じ店か?

 受付のおばさんがやってきた。


「軽くヴァネッサから聞いたよ、話が本当か冒険者カードを見せてくれるかい」

「はいはい、僕のだけで良いですか?」「リーダーならね」「はいどうぞ」「ちょいと待っておてくれよ」


 いやほんと、

 エールとつまみを出しそうなおばさん、

 いやこれ冒険者酒場だから同じ物が出るか疑わしいのだが。


(奥で何か確認して、急いで戻ってきた!)


 そして頭を下げてくる。


「本当にドラゴンキラーだったんだね」

「ええ、ヴァネッサさんも最初、疑っていました」


 一日分の記憶を消しちゃってたからね。


「このレストランは有能な冒険者には、

 貴族と同じ扱いをするからね、ささ、こっちから」

「ありがとうございます」「八人だね?」「はいはい」


 奥に通され、

 厨房に隣接する通路を通される、

 そしてぐんぐんぐんぐん進むと……あっここ、貴族用エリアの最奥だ。


(普通に六人掛けがふたつ並んでんじゃん)


 でも『予約中』って置いてあるな、

 と思ったらおばさんが偉い感じの執事風にコソコソ、

 渡したままの冒険者カードも見せてる、納得したみたいだ。


(あっ、おばさん戻って行っちゃった)


 そして紳士が冒険者カードを俺に渡す。


「失礼致しました、ドラゴンキラー御一行様でしたか」

「ちょっと手伝っただけですけどね」「余計なことは言わないの、それじゃあね」

「あっはい、ヴァネッサさんもありがとう」「……包みなさい」「えっ? あっ、そうか」


 ナプキンを手に取って、っと。


「それで本日のコースは」

「ランチコース、銀貨何枚からですか?」

「金貨でしたら一枚ずつで」「ほうほうほう」


 たっか!!

 ランチでそれかよ、

 まあいいドラゴン倒して貰った分を使って……


「ではそれで八人分、あとこれ、どうぞ、どうぞどうぞどうぞ」


 さっき取ったナプキンに包んだ金貨を一枚渡す。


「……貴族様でもいらっしゃるのですね」

「フィッツジェラルド子爵家だ!」「ほうほう、あの」


 兄上、こんな所で出しゃばらないでー!


「ではお酒はいかがなさいましょう」「頼む!」

「いや兄上、午後も職務があるでしょう」「構わん!」

「すみません、お酒は無しで、そのかわり何か」「では特別なデザートを」


 という事で頭を下げて引っ込んで行った執事さん。


「なんだ、少しくらいは呑んでも良いだろう、もうボクも十五歳だぞ!」

「兄上、おそらくあれって頼んだら金貨もう一枚追加ですよ」「そうなのか?!」

「断ったので、チップの範囲内でちょっとグレードの上がったデザートは出てくるでしょう」


 なんで十二歳の弟の方が詳しいんだか、

 まあ前世のおかげだ、チップは意外と大切だったりする、

 もちろん場所にもよるけどね、ここで悪手なのは、あの執事さんに金貨ではなく銀貨を渡すことだ。


(話の流れでわかるよね、銀貨の存在が否定されたの)


 もちろん今、

 お水を持ってやってきたメイドさんには銀貨で良いけど。


「それで兄上、またここに来る予定は」

「連れて来てくれるのか?!」「今度は兄上の奢りですよ」

「なら当分ないな」「わかりました、だったら帰りも冒険者側の出入口です」「ウチは子爵家だぞ!」「はいはい」


 恥ずかしいから、

 もう連れて来ないでおこうっと。

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