第121話 第五の、ハーレム候補?
王都に早めに到着した我らSET隊、
十五歳になって小間使いみたいに働かされている、
ロベル兄上の狭いもとい庶民に近い家で、先に到着して待っていたのは僕らにとって半年ぶりの少女だった。
「ウォルちゃん、お婆ちゃんは元気?」
「ええ、アナベガ師匠は夫婦そろって隠居して、でも元気よ」
そう、俺の冒険者としてのセクシーモンスター師匠、
二人居るうちモンスターの方を担当してくれたアナベガ婆さん、
その孫娘であるウォルちゃん、俺より十か月年上、でもまだ十二歳のはずだ。
(再会に俺の地味ハーレムも、みんな大喜びだ)
改めて会話を順番に。
「冒険者学校で、また一緒になれるのよね、ウォルちゃん」
「そうよ、三年間、イレタちゃんとも、みんなとも一緒の予定よ」
「今までだと、アルトリアスの時だと短い期間の繰り返しだったから、今度はずっと!」「ええ!!」
互いに手を合わせて、
再会を喜んでいるな。
「ウォル先輩、また先輩の斧と私の槍で」
「うん、練習しようね、一緒に頑張りましょう」
「そして、また一緒に前衛を」「連携が楽しみね」「いやあの僕は」
と言ってみるが、
この二人って本当に相性が良いんだよなあ、青髪と赤髪、
ちなみに孫娘だけあってアナベガさんの弟子になったのが、ウォルちゃんの方が先なので、先輩である。
「ウォル様、半年ぶりでございます」
「ルシアちゃんも久しぶり、また回復魔法をしてね」
「はい、でもあまりご無理はなさらないで」「学校ではどうかな~」
そうなんだよな、
ウォルちゃん、ルシアちゃんの回復魔法を信頼しきってて、
結構無茶な動きというか、平気で斧ごと的や魔物に突っ込んで行ったりする。
(そして血まみれで戻ってきたり)
たまーに大きな敵に呑みこまれて、
戻ってこなくて俺とカロリちゃんで、
慌てて大急ぎで助けたりとかもしてたよな。
「ウォルさん、またお会い出来て嬉しいです」
「メイドのアトリちゃん、またポーションいっぱい持ってきた?」
「はい、それはもう」「二百個くらい借りがあるけど、またお願いね」
そうそう、勝手にポーションの借りを作っているんだよな、
カツアゲじゃないかっていうくらい強欲にポーションを出させて、
使ったら使ったっきりで返さない、それが二百個を超えているという。
(まあ、後でアナベガさんが返していたんだけれども!)
という感じの、
半年ぶりの再会である。
一通り終わって兄上が言葉を。
「もういいか、飯はどうする」
「兄上、みんなでレストランですよ」
「なんと、悪いなグラン」「まあ、兄上込みでお金を貰っていますから」「よし、店は任せろ」
ということで戸締りをしっかりして、
いや大して金目の装飾品とか無いけどね!
みんなで王都の兄上おすすめレストランへと行く事になったのだが。
「なあグラン、その、出来ればひとりくらい」
「あげませんよ」「その女戦士もか」「ウォルちゃんは、んー、候補?!」
「ハーレムのか!」「これから次第かな」「グラン、他のみんなは賛成だって」「それなんだよなあ」
みんなよりちょっとだけお姉さんなウォルちゃんは、
季節の休みのたびにアルトリアスまで来てくれてSET隊の鍛錬に加わってくれた、
俺の秘密に関しては言ってない、なんていうか、みんなでそういう訓練、内緒にする練習に使わせて貰った。
(おそらく彼女にばれる=アナベガさんにばれる、だからね)
師匠ふたりにも、
最後まで秘密で通しました。
「グランは本当に、側室を持てるのか」
「兄上、冒険者は自由ですから、持てなくても持ちますよ」
「だったら尚更、せめて一人くらい」「ジュディさんはどうなんですか、お相手に」「怖い!!!」
うん、わかる、
よーーーくわかる、
俺だって女勇者ティーナさんに迫られたら、ちびる。
(本当に失禁していた兄上ほどじゃないけどね!)
でも実際、ウォルちゃんは候補止まりなんだよなあ、
ウチのハーレムにはウケが良いんだけど、その、正直言って、
地味じゃないんですよ、眼鏡をかけてないのはまあ別に構わないが……
(十二歳にしては背が高くて、胸がある!)
兄上がずっと見ているくらいにはね、
EかFカップかな、うんこれだけでもう地味では無い、
地味ハーレム失格だ、って俺はいったい何様なんだろうか?
(異世界転生さまだよ!)
口には出せないけど。
「兄上も、相手を選ばなければ」
「相手が選んでくれないんだ」「あっ」
「グランってそういう意味ではモテるよな」「兄上だって、もうちょっと頑張れば」
というヨタ話? をしながら、
ぞろぞろと王都内を移動していく、
馬車も多いから気をつけないと……おっ、ここかあ。
「兄上」
「王都で一番の、レストランだ!」
いや、入って良いのかココ、
ドレスコードとか、まったくしてこなかったのだが。




