第113話 とりあえず、宿屋で頭の整理。
「ふう~~~~~」
ベッドに仰向けで倒れる俺、
色々と疲れた、いや精神的にね、
ちょっと情報を整理しよう、頭の中から出して。
「グランくん」「はいイレタちゃん」
「どうしてもというのでなければ、壁を見ててね」
「あっはい、お着替えですか」「色々よ」「まあ女性は大変ですね」
十二歳のお年頃だもんな、
でも『どうしても』なら見て良いという、
さすがは婚約者特権、ハーレム特権……いや見ないですけれども!
「じゃあそのまま聞いて欲しいっていうか、
独り言みたいなものだから無理に反応しなくて良いけど、
とりあえず父上からの、子爵家からの贈り物は双方、これで良かったと思う」
そこはほぼ完璧だった。
「それなんだけどグランくん、結果として辺境伯に、
アースドラゴンを丸ごと渡しちゃったのは、良かったの?」
「いやさすがに僕らには、あんまり関係ないっていうか倒して放棄したのはNNN団だ」「……そうね」
僕らが(あえて僕呼び)、SET隊が本当に独自で倒して、
それを辺境伯に渡したとなると伯爵も良い気はしないだろう、
でもあくまで、やったのは謎の成人集団だからね、僕らはおこぼれでしかない。
「グラ兄ぃ、『団』はいらないんじゃ」
「あっカロリちゃんそうだね、ありがとう」
「それでグランくん、本当に良かったの? 最高級地魔石」「ヤツは最高級魔石では最弱っ……!!」
比較的、お金でなんとかなる部類だからね。
「グラン様、クリスの生存を聞き出して教会が動いた場合、どうなさるのでしょうか」
「うん、まあ、最終的にはクリスを攫って監禁していた教会の連中に『ざまぁ』かな」
「それはつまり、私のために……?!」「後はまあ、単純にNNNの箔付けとでもいうか」
実はあまり、深く考えてないのは内緒だ!
「それでご主人様、冒険者学校の寮は本当にグレードアップするのでしょうか」
「さすがにそこは嘘つかないと思う、意地悪されたら伯爵の方に言いつけてやる!」
「あくまでこれは個人的にですが、私だけご主人様と同棲は、気が引けるとでも言いますか」
やさしいなあ、
でも、あくまでメイドと主人だからね、
ついでに言うと魔物と人間だ、事実上のティムモンスター。
「僕の方なら子爵邸と何ら変わらないよ、隣りにメイド部屋があるのは同じみたいだし」
「そうですか……」「それよりイレタちゃんカロリちゃんルシアちゃんの方が、三人で相部屋かなあ」
「私は平気よ」「元々、孤児院出身ですから!」「わたくしは、雨風が凌げれば」「個室のお金かかるなら僕が出すよ」
もういっそ、
王都に家でも買っちゃおうか。
「グランくん、浮気は駄目よ、私達以外は」
「イレタちゃん、僕がそんな男に見えるかなあ」
「あの女勇者、ティーナさんは」「あれは怖い、畏怖を感じる」
あれがオッケーな低身長合法成人だなんて、
どんだけドMなんだっていう、人生奪われるぞ。
(まあ、ドMはそれが良いのだろうけど!)
あんな派手なのより、
やっぱり俺は地味が良い、
そう、特に地味眼鏡は最高だぜ!
「それにしても、やたら女性にモテてた女勇者だったけど、みんなはそういう目では」
「そっちの趣味は、無いかな」「戦闘の師匠いえ教師としてなら、少しは見てもらうのも」
「私の目にはグラン様しか入りませんから!」「インキュバスだと四人、いえ、七人掛かりくらいかなあと」
何をするつもりだ何を!
「でもあのティーナさん、
今後、何かで役に立つかもだね」
「だったら会っておく? 変身して」「いや、見破られそう」
すでに『大人の匂い』とか言っていたし。
「なら逃げるのね」
「逃げると言うか、神出鬼没にしたい」
「ではグラン様、次は王都に出現と」「どうだろ」
あんまり俺たちの動きとカブるのは、なあ。
「ではこうしましょう!」
「そうしたのルシアちゃん、そっち見れないけど」
「私だけなら見ても」「何の話?!」「いっそ、また別の大人パーティーを!」
NNNとは別で、かあ。
「却下、面倒臭いし、こんがらがる」
「そうですか……」「まあ、何もかも必要に応じて、かな」
「グランくん」「はい」「もうみんな、着替え終わったわよ」
……すっかりお出かけモードだ。
「どうするの、これから」
「金貨貰ったでしょ、買い物よ、お買い物」
「あっ」「それとも分けないの? 溜める?」「ひとり金貨二枚で!」
早速、使う事になったのでした。
(さて、俺は何を買おうかな~~~)
じゃあ俺も着替えなきゃ。
「ちょっと待ってね、てなんでみんな僕をじーっと見てるの」
「グランくん、手伝おうか」「着替えさせて、あげます」「いやいや」
「大丈夫ですグラン様、すぐ済ませますから」「ご主人様、こういうのはメイドにお任せください!」
みんなして、俺に群がって、
む、むっ剥かれるううう!!!
「うああああああ!!」
「まったくもう、グランくん、大袈裟よ」
……少し、怖かった。




