第110話 そういえば、この大人ハーレムの名前は。
例の住民が逃げ出した村へ戻ると、
俺たちが治した衛兵さん達が群がってきた。
「さ、さっきの凄い音は」
「ドラゴンの断末魔が聞こえて来たぞ!」
「ひょっとして貴方達が、本当に」「ええ、倒してきましたよ」
少し浮いた上空から、
アースドラゴンのまず同体を、
そしてその上に首をアイテムボックスから出す。
「我々にかかれば簡単でしたよ」
「すごい、やはり只者ではなかった!」
「き、君はいったい、彼女達は」「さぞかし名のある冒険者パーティーでは!!」
……そういえば、
一番肝心なパーティー名をまだ決めてなかったな、
口から出まかせじゃないが、今この場で勢いで決めてしまおう。
「我々は冒険者ギルドに登録していない、
登録できない者の集まりでね、あえてパーティー名を付けるとしたら、
そうだな……『ノーネームドナンバーズ』略して『NNN』だ、今日からそう名乗ろう」
そしてまずは首だけ回収する、
いつのまにかクリスちゃんの前には、
怪我や病気を治して貰った何人かがひれ伏している。
「貴女はどこの聖女様ですか?!」
「ロワイエクール教会のクリス=ヴィクトワール=バシュロナルカンと申しますわ」
「あ、あそこの教会は内部でかなり揉めて」「だからこうして逃げて来たのです、ふふっ」
うん、これで教会も何か動いてくるかもね。
「では隊長と副隊長、前へ」
居るのか知らないけど。
「私が隊長だ」「副隊長です」「私もです」
副隊長二人かよ!
まあいいやパーティー定員の八人ぎりぎりだ、
いやサキュバスはティムモンスターだからいいのか。
(誰がティムしている事になっているんだろう、まあ俺か)
そんなことよりもだ。
「我々は理由があって冒険者ギルドへは入れない、
したがってアースドラゴン討伐の報告を君たちに手伝って貰いたい、
あくまでも手伝うだけで、手柄は横取りして欲しくないのだが」「わかった」
着地する俺たち。
「ではテレポートを行う、
ドラゴンの胴体はここへ置いておくので、
最高級地魔石などは自由にしたまえ、では我々のパーティーに入って」
互いにパーティーメンバーと認識すれば、入れます。
「……よし、入れたはずです」
「ではクリス」「はい、タウンテレポート!」
あえて詠唱して、
領都の冒険者ギルド前へ!
「おお凄い、教会の大聖女しか使えないタウンテレポートを!」
「やはり貴女は本当に、本物の聖女様だったのですね」「素晴らしい、しかしその目は」
「ふふっ、冒険者ギルドの古い依頼を探せば、私が出てくるでしょうね」「それよりドラゴンの首を出してくる」
そう言ってみんなで冒険者ギルドの裏手へ、
建物の隙間だから誰も見ていないな、無詠唱で魔物魔法……
『サブスティチュートドール!』
うん、本来の俺グランが出てきた、
念じれば思った通りに喋ってくれる魔力人形だ、
他のみんなも……イレタ、カロリ、ルシア、アトリ、みんな揃ったな。
(五人にドラゴンの頭を、って狭いな)
路地裏に出て担がせる、
血がまだ滴っているが仕方ない、
そして俺たちの後ろからついてこさせる。
「待たせたな」「そ、その子供達は!」
「何でも領都の辺境伯に『アースドラゴンの首を持ってこい』と無茶振りをされて、
泣いていた所を街外れで相談に乗ってな、俺がこうしてある意味、助けてやった訳だ」
ウンウン頷くグラン。
「おじちゃん、ありがとうございます!」
「いや、おじちゃんっていう年齢でも……あるか」
「坊や、あんまり言うとウチのサキュバスが黙っていないわよ?」「食べないでくださ~い」
イレタちゃんもノリが良いな。
「メリッサ、子供を脅かすのはそれくらいにしてやれ、
では隊長、手柄は彼達に、と言っても無理があるだろうから、
辺境伯の無茶振りに応えた事にしてやってくれ、『方法は問わない』と言われたらしいからな」「わ、わかった」
では、そろそろ姿を消すか。
「我々NNNは冒険者では無い名もなき存在だ、
本当に何か困った時、気が向けば助けてやろう、ではな!!」
と、インビジビリティの魔法を仲間一人ずつに掛ける、
みんな順番に消えたからテレポート系だと思うだろう、
そして最後に俺が消え、残ったのはコピー人形の俺たちだけだ。
「じゃあ、持って行きますね!」「そ、そうだな」
こうして透明になりながら俺たちは、
それぞれの分身を念じて操りながら、
掲げたアースドラゴンの首を五人で冒険者ギルドの中へ運んだのだった。
「キャー!」「なんだなんだ」「あの首は、ドラゴン?!」
うん、そりゃあ騒然となるよね!
「皆よ落ち着け、我はバルバートのドラゴン討伐舞台、衛兵隊長の……」
とまあ遅れて入って説明してくれた、
大人に任せば楽で良いね、あっそうだ!
「すみません、ドラゴンの血でべっとべとなんで、トイレで一旦、洗って着替えてきまーす!」
ドカッと床に首を置いて、
みんなでこの隙にドールを消して、
急いで元の自分と入れ替わろう、何食わぬ顔で戻ってしまえ。
(誰か居たら大の個室へ入れば良いし!)
ということで、
各自、魔法でドールは消したのでした、
いや消すのは俺の手を煩わせなくても各自で出来るんですよ、細かい事までは知りません。




