第103話 宿で確認、俺の新たな余白記入。
「はい、ステータスオープン!」
到着した宿屋の中、
俺は『ミラー』の魔法で自分を出し、
その背中を鏡で見ながら、自分の余白記入を確認する。
(みんなにわかり易く、詠唱してね!)
そしてずらして、
余白部分を見てみると……
『全ての魔法を使うことが出来る
※ただし、それを百人に知られると二度と魔法を使うことが出来ない』
『自分に掛けられる魔法を同じパーティーにもかけられる』
そう、三行目も新たに使っているのです!
全部で十行だからね、あんまり増やせられない。
あくまでも『自分にだけ』かけられる魔法、そう、フライや変身魔法とか。
(ただ、解除も俺がしないといけない)
ちなみにルシアちゃんは最初からフライを憶えています、
えっ、何でかって?! フライングマントってあったじゃないですか、
淫魔の学校であれをずっと装着してたせいで、その影響もあっていつのまにか憶えていた。
(なので俺、ルシアちゃん、アトリちゃんは自力で飛べます)
そして何より大きいのは隠匿魔法!
いやね『ステータスシークレット』って魔法があるんですよ、
好きに選んで見せたくない項目を隠せる、しかも数値の場合は擬装もできる。
(俺の場合は勝手に、自動に使われていたな)
それを仲間にかければ、ルシアちゃんのフライも教会のシスターに鑑定されないという。
なのでアトリちゃんの『想い人のためのモンスターマジックマスター』は隠匿で消していて、
逆にというか『ポーションボックス(ログインボーナス付き)』の方は、あえて見せています。
(といっても、見られる人はそうめったに居ないけど!)
ちなみに効果は俺の魔力が尽きるまで、
すなわち無限大なので俺が解除しない限りは、
永遠にそのままという、まあ俺にはちゃんと隠匿部分も見えるからいいけど。
「ということで、みんなメタモルフォーゼを……」「その前に」
「はいイレタちゃん、何でしょうか」「行き先の確認を、改めて」
「だから領都へ行って王都へ」「領都の、具体的には」「姉上の所だけど」
何を今更、説明したはずでは。
「会って何をするの?」
「冒険者学校へ行く報告だけど、
下手するともう二度と会わないかもだし」
前世でそんなことあったからね、
嫁に出たとたん、疎遠になったという。
「私達を紹介するの?」「もちろん」
「ていうか私達の結婚式に招待とかは」
「無いかな、家を出るからね、ぎりぎりまだ十四歳でどうしてもって言えば、子爵邸で出来ないことはないけど」
すっげえ面倒臭そうだし、
もうすぐ家を出るって人間にそんなお金は使いたくなさそう、
だったら俺が自分で出すよ、式も例のアジトでやるかなその時は。
「用事はそれだけ?」
「一応、父上から手紙と贈り物が少々」
「それなら仕方が無いわね」「嫌なの?」「確認よ」
ひょっとしてイレタちゃんも面倒臭いとかか?!
(まあいいや、話を進めちゃおう)
ええっと、メタモルフォーゼの話だっけ。
「みんなに『靴屋の妖精』の話をしたけど、
基本的には僕らは地味な冒険者パーティーを目指しつつも、
どうしても本来の、全面開放した力を使わないといけない場面もあると思う」
絶体絶命のピンチとか。
「そのときはグランくんが助けてくれるんじゃ」
「うん、イレタちゃんとかカロリちゃんルシアちゃんアトリちゃんならそうする、
でも、みんなで行動を同じにするときは、全員が変身してないと、下手するとバレる」
誤魔化す事も出来ないことは無いけど、
こういうのは案外。身内がポロっと失敗しがちだ、
素の喋り方が出たり、変装(変身)してるのに俺の本名を呼ぶとか。
「そこでメタモルフォーゼね」
「アトリちゃんは自力で変身魔法があるけど、
他のみんなは、僕含めて、一度、別人に変身してみようと思う、お試しで」
変身キャラがブレるのもアレだからね。
「どういう変身?」「やっぱりここは、動きやすいように大人に」
「ではご主人様、まずは私から」「アトリちゃんは最後かな、変身慣れしてるし」
「そうですか」「ということでイレタちゃん」「私?!」「やっぱ正妻から」「そっ、そうよねえ」
このイレタちゃん、
十二歳になっても、いや、
おそらく十二歳だからか、正妻呼びされると喜ぶ。
(顔がにやけているからね)
イエスマンでない所が良いんだけど、
結構チョロい面も多いというのが五年付き合ってわかった、
あと地味に可愛いのも、ってそれはみんな同じか、VIVA! 地味ハーレム。
「やはり黒を中心とした、妖艶な魔法使いがいいかな」
「変身させてくれるのね」「うん、色々と増し増しでね」
「眼鏡は?」「変身だから無しで!」「外せばいいの?」「そのままで大丈夫」
と、いうことで……
まずはイレタちゃんから、無詠唱で……
『メタモルフォーゼ!!』
みんなが見守る中、
変身したイレタちゃんの姿は……!!!




