表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
彼と歩む無限の世界  作者: 睡眠欲
一章 一節 一年生編
7/13

入学式

入学式。それは、校長と学年首席と生徒会長が

長々と話をするだけの世界一つまらない時間だ。

まあ、100点を取った二人と話してみたいからそれが楽しみではあるが。

──────────────────────────────────────────

「王立学園校長のフォーテというものだ。新入生諸君。歓迎する。…」

長い話に興味はない。だから聞かない。

入学試験首席と次席の椅子が空白だ。体調不良なら心配だが…

「この学園にて、これから6年間を有意義に【ガチャ】すご…何事だ!」

扉が開けられた。不審者でも出たか?

「あ、もう始業式始まってんの?」

「とっくの前に始まってますよ〜!遅刻ですよ?」

「まあいいんじゃね?」

「いいんですけど〜」

なんだあいつは。なんなんだ。言動はまるで違う。髪の色も違う。

あの人の髪色は私とは違う澄んだ黒だ。だがあいつは灰色だ。でも…


顔も体格も何もかも5年前のあの人と同じだ。


「校長喋ってなくね?校長挨拶終わったの?」

「まだ壇上に立ってますし終わってないんじゃないですか?」

「でもかんけーねーだろ」

「それもそうですね」

そう言うと、無理やり壇上に上がって拡声の魔導具を手に取った。

「やあやあ諸君。俺が新入生首席のフィリオ、平民だ」

周囲がざわつく。

首席がまともな学習環境がない平民だと分かれば当然だ。

「突然だが、ノブレス・オブリージュというものを知っているか?

もとは強者の責務という意味だが、現在は貴族の責務という意味で使われている。

弱きを助け、強きをくじくという意味だな。

だが、現状はどうだ?王族や公爵家とつながりを持つために子供を

道具のように扱う貴族家当主たち。貴族の重税に耐えられず自ら命を絶つ平民。

弱きを虐げ、強きに媚びているじゃないか。

俺はそれを正す。なにか質問はあるか?」

ザワザワ…ザワザワ…ザワザワ…ザワザワ…

ふと、誰かが挙手した。

「そこのお前」

「この学園の生徒会副会長であるアペルト・デヴォツィオーネだ。

栄光ある入学式に遅刻したと思えば校長に対する狼藉。決して見過ごせるもの

ではない。除籍もあるだろう。そのことに対してどう考える?」

「生徒会長なのか。お前優秀なんだな」

「そんなことは今はどうでもいい。質問に答えろ」

「優秀なら父親の弟への暴行見過ごしてないで止めてから物言えや。

 俺が止めるまで殴られ続けてたから全部ボロボロじゃねえか」

「なっ!」

「あとはなさそうだな。これで入学式を終わる」


あんな不良みたいな喋り方。

多分あの人と同一人物じゃないな。そう信じよう。


一章スタート

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ