8話 物語の始まり
「えーと…年齢は32歳です…弓使いです…えーとっユーカちゃんと一緒に洞窟潜りたいな…デュフ」
「うーん、不合格ね!カゲ!応募要項にコミュ症は禁止って書いといて!あ、それだとカゲもダメになったちゃうわ!」
「へいへい…ってコミュ症じゃねーから!」
僕たちは張り紙をギルドに出して、現在面接を行っている。
「ふう駄目ね…どいつもこいつも骨のあるやつはいないわ!」
「まあこの街ってあんまりモンスターいないし、強いやつはみんな他の街にいるんだろ」
「私、見ただけで分かるんだけど、私より強そうなオーラの人はいないわ!」
「じゃあ一回飯でも食うか」
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「お前オーク肉本当に好きだよな」
オークのハンバーグをがっつくユーカ。それはもういい食べっぷりなこと。
「なあ俺にも一口くれよ」
「いいわよ。はい」
ユーカは一口分のオークのハンバーグをフォークに刺し、突き出すようにハンバーグを差し出す。
…これは、『あーん』というやつなのか?
「なによ、するわけないでしょ?フォークごとあげるわ」
「いや、そんなこと思ってないけどな?」
こいつ、たまにこういうことしてくるんだよなぁ…
突然というのは意味通り、当然来る。
「ここに、ユーカというやつはいるか?」
声から男だと察せることはできるが、見た目は中性的で金髪をピシッと結び、横長なサングラスをかけてぴちぴちのコスチュームスーツを着ている。
「あぁユーカならここにい…」
ここにいるぞ。と言いかけたばかり。
その男は、短剣を出し、文字通り、一瞬でユーカに突進していく。
俺はそれをただ見ている。
いや、実際にはちゃんと縄か何かで捕縛しようとしたけど、見ていることしかできなかった。
「カゲ!下がってて!!!」
優夏は武器屋で買った普通の剣ではなく、聖剣を出した。
聖剣の鞘を抜いたのを見たのは初めてだ。白くて美しい。
聖剣とその男の剣が衝突し、衝撃破が出る。
「ユーカ!!こいつは誰なんだよ!!」
「知らないわよ!!」
ユーカとその男はを5秒ほど攻防をつづけ続け、いや。ユーカは防戦一方という感じなのだろう。
「チッもう時間か…」
そういって男は、天井だった場所から飛んで行った。
ユーカは気が抜けたように座る。
「ほんと誰なのよあいつ。」
頭から血を流しているものもいるが、幸い全員冒険者だったので衝撃波で死ぬことはないだろう。
ギルド内は半壊。
この世界ではあまりないガラス製に窓も、ドアベル付きのドアもレンガで作られた壁もなくなっていた。
あいつが誰なのかもわからないし、また来るかもしれないが、ひとまずは。
「ああ…まあ…お前が死んでなくてよかったよ」
「………よくはないわよ」
「そうか…」
あぁそういえば、異世界ってのはこんな感じだったか
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「本当にドアとガラスだけでいいの?」
「壁は土魔法でどうにかなるからな、それに、ドアとガラスだって弁償しなくていいって言ってるだろ」
「だめよ!せめて200万カーキくらいは払わせて!」
「まあ、払ってくれるに越したことはないんだが…」
なんというか、すごい。
回復魔法でけが人はもうぴんぴんしてるし、土魔法で壁はもう完全に修復しかけている。
ひょっとしたら、異世界ではこれくらい日常茶飯事なのかもしれない。
「おい坊主!そこのドア新しいのつけてくれ!」
あのムキムキな感じで魔法使いなのに先ほどから拍子抜けしていたが、ドアを片手で数メートルぶん投げれる筋力もあるらしい。いや、魔力か。
ドアを付けるのは意外に簡単だな…
「痛てっ!」
ドアを直した直後、ドアを外側から開けられ鼻に当たる
「お、すまんすまん。気づかなかった。」
その男がスタスタと歩くのに俺はまた驚愕した。
コスチュームのような、異世界のではなく、文字通りスーツを着ていた。
ワイシャツは第一ボタンまで締め、ネクタイをピシッと。
全身黒の、この世界に置いての異世界。
イギリス発祥の日本製。
「今度は誰よ!!!」
ユーカは聖剣を抜き、先手必勝のごとし、襲い掛かる。
「おーっと威勢がいいなあ」
その瞬間止まる。
そのスーツの男は、俺とユーカだけが止まるものを持っていた。
それは使えば絶対的に致命傷になり。
それは日本では一部の覗き所持を許されていない。
それは引き金を引けば誰でも使える。
「俺はパーティー募集の張り紙をみて面接に来たんだが『聖剣使いとその他ニート』ってのはどのパーティーだ?まあ拳銃見て立ち止まったお前だろうけど」
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「名前はコージ。アラフォーだ。職業は『鍛冶師』だが、一対一だったらお前らよりは強いはずだ」
店員にカップだけ頼み、手から黒い飲み物を出し、飲む。
四人席にユーカと俺が隣にすわり、このおっさんは対面にいる。
「それコーヒー?」
「こっちでは初めて見たか?まあいい。早速本題に入ろう。」
コーヒーを置き、少し前のめりになり神妙に言う。
「もうじきユーカちゃんを殺しに魔王の手下が殺しに来るだろう。」
「…あのう…」
「なんだ、遠慮なく言え」
「今さっき来たんですけど…」
「サングラスのちっさいのが来たわ!」
もう一度コージはコーヒーをすすり、カップを置く。
「まじか」
冷や汗だらだらで頭を抱えている。
「ま、まあ誰も死んでないからいいじゃないですか」
「預言者相手に無傷とは、お前強いな」
「それほどでもあるわ!!」
それが唯一の取り柄だもんな。と言いそうになったが料理がうまいことを思い出し、言うのを辞めた。
「まあでも、一回来たからと言ってこないとも限らんからな」
「あいつは一体何なんですか?」
「あいつらは『預言者』といって、まあ用をするに魔王の使徒だな、俺らみたいな『転生者』を殺しに定期的にやってくる。」
いきなりシリアスだな…
「ただし、カゲ。お前は別だ」
「どういうことですか?」
ユーカは自分の聞きたいことを聞き終えた瞬間、店員にサンドイッチを頼んでいた。オークではない。
「まあ焦らずに聞け少年。俺が転生したときのことを話そう。」
コージは少し前のめりだった腰を後ろに倒して、リラックスする。
アストの転生話の時とは重要度が違いそうなので、聞いてみることにした。
「あれは一年前くらいの日曜だったか、娘と妻と三人で遊園地に行った帰り道。
まあ帰り道っつても、車だから俺以外は疲れて寝ていた。俺もさすがに一日中遊んでたし、運転手なのに寝てしまったんだ。で、気づいたら、草原。ここに来たってわけさ。」
思い出すかのようにコージはカップにコーヒーを注ぎ、ごくごく飲む。
「居眠り運転しちゃったってわけね。もぐもぐ」
「ユーカちゃん、食べながら喋るのはよくないよ」
「それと今回の『預言者』はなにか関係があるんですか?」
「まあまてよ少年。話はまだ終わってない。娘も来たんだよ、異世界に。」
声が低く、少し震えている。
「アストとかいう青年がギルドまで案内してくれて、そのあとは適当な家を買って暮らしてたんだ。まあ俺のスキルは『錬成』だから特に何も困らなかったさ。ちなみにマリア…娘は魔力もない貧弱なステータスだった」
「で、その娘さんは今どこにいるのよ」
「死んだよ。買い物をして帰ってきたら、家が半壊してた。その次の日にもまた来たが、『預言者』の仕業で間違いないだろう」
俺とユーカは唾をのむ。生半可な態度だったことに少し反省する。
「で、だ。お前たち、魔王倒すんだろ?俺も参加させてくれ。」
俺は正直に温度が違うかもしれない。
倒せるに越したことはないが、命をかけるまで倒そうとは思っていない。きっと、ユーカだってそう思っているはずだ。
「俺たちはそこまでーー」
「いや、何も三人で倒そうなんて思ってもいないし、多分無理だ。
今のお前たち二人で最高幹部一人にも見たいないだろう。アストがいたって、お前らは足手まといだ。」
「それ、もしかしたら私もやろうと思ってたかもしれないわ」
「集めるんだ転生者を」
「でもどうやって?」
コージさんは自分の右目の瞼を上にあげ、眼球を見せつける。
黒目だった場所がだんだん緑色の歯車のような形になる。
「俺には鑑定がある。これで見つけられる」
コージはギルドで『錬成』を発現させてから、永遠とコーヒーを飲んでいる。