吸血鬼、長き眠りから覚める
「…日の光が懐かしいな」
何年経ったかもわからない、とにかく長い時間を暗闇で過ごした
日の光は久しぶりだった
「しかし、ここはどこだ?」
女神との闘いを始める前までは普通に生活していた、だが見たことのない地形だった
それと…
キュルルルル
「…お腹すいた」
そりゃあずっとなにも飲み食いしてないからな、腹は減っている
昔ならそこらへんの獣を狩って食料にしていたが…
「やはり力が少ないな、これでは小動物ですら捕まえられん」
翼も出せない、魔力はほぼ空、持っていた武具などもすべてない
これはまずいかもしれない
「だ、誰かー助けてくれぇー」
そんな悲鳴を上げた時だった
ガサガサ
近くの茂みが揺れていた
「ヒッ」
力がないとこうも恐ろしい物なのか
だんだん近寄ってきた、そして
ガサッ
「ふぅ、茂みの中は安全ですけど面倒ですね、あ、大丈夫ですか?」
バタッ
チーン
「えっ!?ちょ、ちょっと、大丈夫ですか!?」
驚きすぎて気絶していた
side ミア
森の中で悲鳴が聞こえたので向かってみると
少女がいました、ただ茂みから出てきたのでびっくりして気絶しちゃったみたいです
とりあえず、町に戻ってベットに寝かせておきました
お医者様は問題ないと言っていますが心配です
しかし、なんであんなところにいたんでしょうか
だってあそこは…
「ん…」
おや、目覚めそうですね
まあ話はこの子から聞きましょうか
side フィア
「ここは…」
知らない天井だ
しかもベットの上だ、なぜ?
「あ、起きました?」
「ひぃ!?」
なんかこわい!そうだ!茂みから飛び出してきた人だ!
「そんなに怖がらなくてもいいのに…」
「す、すまん」
「いえいえ、驚かせてしまったのはこちらですし」
「ところで、ここは?」
「ああ、あなたが倒れていた森の一番近くの町です」
「そうか、あとこの国の名前は?」
「?リガルド王国ですが?」
聞いたことのない国だ、かなり時間が経っているため知らない国で当たり前だがな
「あ、そういえば名前を言っていませんでしたね、私は冒険者のミアです」
「フィアだ、あとリリ…」
ぐー
腹の虫がなった、恥ずかしい
「お腹すいてますよね、ごはん持ってきます」
「すまない…」
その後、持ってきてもらったごはんを食べながら質問していった
まず分かったのは、今は女神と戦ってから一万年は経っているということだ
さっき聞きかけたリリシア王国という国が9000年前に滅びていると言った
「とっても古い国ですね、子供のころに女神様の戦いのお話をよく聞きました」
「それはどんな話なんだ?」
「たしか、女神様に逆らった魔物と十年ほど戦って、女神様が勝ってその魔物を封印したってお話です」
…それ私だな、まったく一緒じゃん
「あと冒険者ってなんだ?」
「冒険者っていうのは森で魔物を狩ったり街中の依頼を受けたり、便利屋みたいなものです」
「私もそれになれるのか?」
「たしか10歳から冒険者にはなれますよ、ただ手数料として一万リフィン必要ですが」
「それってどのくらいだ?」
「割と大金ですね、成人男性がひと月に一万五千リフィン稼ぐのが平均です」
かなりの大金だ、ちなみに通貨はさっき教えてもらった(本作についてに書いてあります)
魔物を狩るなら魔力も回収できるだろう、なら少し魔物を狩って登録しよう
「じゃあ魔物を狩ってお金を貯めるか…」
「一万リフィンくらいなら上げますよ?」
「え?ほんとに?」
「ええ、お金もなさそうですし冒険者になって稼ぐなら生きていけるでしょう?」
すごい気前いいなこの人
「それならお言葉に甘えて、あと魔物ってどのくらいで売れるんだ?」
「そうですねぇ、一番弱い魔物丸ごと解体したもので3000リフィンくらいでしょうか」
わー、5匹で一般成人男性の月収超えるー
「あと、依頼を受けていたら報酬ももらえますね、大体そっちの方が少し少ないですが」
「魔物たくさん狩って、おいしいものいっぱい食べるんだ…」
さっき持ってきてくれたごはんもおいしかったし、期待できる
「確かに、この町はごはん美味しいですね、人も多いですし」
ごはんは大事だ!
「それじゃあ、ギルドに行って登録しましょうか」
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更新は不定期ですが頑張っていきます