表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
83/145

ティアとハイキング?-11

投稿します。連続3つ目です。

シフォンもティアに魔力を流し二人の魔力が繋がる。それは魔女から聞いた精霊との繫がり(契約)がなされたということ。本来はこれで完了だ。のはずだった…同時にティアの体はバチバチと青い稲妻と赤い稲妻が巻き起こされてティアの全身を包み込むように走り出した。稲妻は泥を吹き飛ばしていくが、ティアの全身が引き下げれるような痛みが走り思わず声を上げる。


 「アアアアアア!!!」


 ティアは目を見開き声を上げるしかないくらいできない位全身に激痛が走る。


 ”ティア!”


 シフォンも予想外の状態にらしくなく戸惑う。何故その様な状態になるのか分からないのだ。だが、そんな中でもティアは諦めていない。


 「シフォン、絶対、助ける!!」

 

 ティアは強い魔力同士の反発を感じていた。その反発でシフォンとの繋がりが上手く行かないのだ。ティアは歯を食いしばり痛みに耐えながら全身の魔力を奔流させて無理矢理2つに分ける。そして、片方を左もう片方を右側に収束避けるように魔力で道を作りを無理矢理誘導した。


 「はああああああ!!!」


 ティアが叫ぶと瞳や髪が青く光り、次の瞬間左右の手に電流がそれぞれ流れ集まり、手の甲に何かを刻んでいき光が収まると紋章が出来上がっていた。右手は青い光を放ち、雪の結晶のような形をしており、もう一方は赤い光で長い髪の女性のシルエットが浮かび上がった。ティアは右手でシフォンの手を掴む。


 「シフォン!」


 "ティア!”


 シフォンが応えた瞬間、二人が光に包まれる。そして...次に目を開くとティアは大蛇の目の前にいた。隣にシフォンはいない。しかし、ティアには確証があった。黒い大蛇は何かに気付いて激昂する。


 「テメェエエェェえ」 


 「ん。返して、もらう!!!」


 ティアの全身に纏わり付く黒い影が青い光に染まると黒い大蛇に向かう。そして、ティアが右手を掲げると言い放った。


 「帰って、きて!シフォン!!!」


 その声とともに手の甲が青く光出す。そして、光が収まった頃にはティアの右手を握るシフォンがいた。


 「シフォン..」


 「ん。ティア。ただいま。」


 「おかえり」


 ティアの瞳に涙が浮かぶ。だが、まだだ。ティアの怒りは収まらない。ティアが再び黒い大蛇を睨みつけると魔力を大蛇が伸ばしてきた影と連結させて釣りをするように引き込み始めた。黒い影は掃除機で座れるようにティアの下に取り込まれていく。そして、瞬く間に黒い大蛇のオーラが小さくなる。


 「ま、待テ!!」


 大蛇は制止を求めるがティアは止める気なんて全くない。ティアは黒い影…大蛇の力を根こそぎすべて奪い取ると掌を通してシフォンに流した。シフォンの顔に血色が戻り瞳が青く変化する。それに対して大蛇の様子が変わり、全身がボロボロ崩れていき、角ももろく崩れ始める。

 ティアはさらに止まらない。もう離さないとばかりに強くシフォンの手を握ると魔力を練り上げる。同時に変化は起きる。髪が青く光出して粒子を纏い日に当てられてキラキラとする。右目は青く澄み渡った海のような青色に、左目は深い深海のような色に変化した。


 「報い、受ける!」


 ティアが声を上げると大蛇の周囲に紋章が次々と浮かぶ。そして


 「グルルルル」


 唸り声をあげる複数の物体が現れた。それは全身が氷ででき、目は青く光っている。形状は狼だ。ティアは手を振り下ろして大蛇に向けると、その合図と共に狼は一斉に黒い大蛇に向かった。


 「ま、待、」


 「待た、ない!!」

 

 狼が噛み付くとそこから氷が現れた。黒い大蛇は尾を振り上げて必死で抵抗するも、一頭砕いてもまた現れてキリがない。徐々に大蛇は氷に包まれる。


 「き、貴様アアアアアア」


 黒い大蛇は最後の力を使い全身の魔力を奔流させて氷を砕くと周囲を黒く染め始めた。


 ”魔石、暴走!!!”


 白蛇がティアに伝えるが、間に合わない。ティアの視界は一瞬にして真っ黒になった。


 「黒い。」


 全てが真っ暗な闇に包まれた世界、先も何も見通せない。だけど...


 ギュッ


 ”ティア、私、ここ。”


 隣にはシフォンがいる。誰かがいると分かるだけで安心できた。ズズズと音が近づいてくる。大蛇がシフォンを狙って来るのは予想できる。再びシフォンを取り込み力を取り戻すつもりだ。ティアの体力的にもう同じことはできない。ティアは必死に聞き分けるが色んな雑音が混じって上手く行かない。そんな中でも徐々に近づく音。

 ティアが焦り始めていると、シフォンがちょんちょんとティアの腕に触れてきた。


 「シフォン?」


 ”ティア...私を” 


 「駄目」


 ナニを言いかけたか察したティアは即座に拒否する。だがそうは言っても、手がない。真っ暗な闇で前が見えず盲目なのも同然だ。これでは何も...

 ティアは何か気になる。


 (盲目、なら、白蛇、さん、何故、私、分かった?)


 白蛇は両目を潰されているにも関わらず、ティア達を認識していた。それは何かを認識していたからだ。

 何を視ていたのだろう?ティアは疑問に思っていると視界に変化が起きた。眼の前に細長く青いもやもやが視えたのだ。右目ではない。視えたのは左目だ。ティアは左目を手で覆う。

 

 (何を、視て、いる??視えた?)


 左目は修復してもらったが機能は失っていた筈、そう思っていた。ティアが困惑しているとシフォンが教えてくれた。


 ”ティア、その目、簡単に、やられない、感じる。修復、できた、何か、できる。その目、使えない、貴方、拒絶した、から”


 シフォンはティアの目が何か分かっていたかのようだ。彼女の指摘した通りティアは左目が視えるのは嬉しいが、使うのは怖い。ノラとの戦闘中、左目は完全にティアの制御を離れて暴走していた。あの状態になるのが怖いのだ。


 「ティアなら、できる。」


 シフォンが初めて声に出してティアを励ました。ティアはシフォンの言葉にゆっくり頷くと左目に魔力を集中させて前を視る。魔力が流れる度にぼんやりと視えるようになる。それはモヤモヤと炎のように揺らめき様々な形を成していた。地面に根ざした物体は周囲より熱を逃がしにくいからか仄かに明るい橙は枝や根が視えるので木、左手側に倒れる巨体は周囲より木より少し青いが木には思えないほど柔らかい形をしているのは白蛇、そして、真っ青な色でティア達に近づいているのは...

 

 「ん。いた。」


 決着の時は近づいていた。

ありがとうございました。

宜しければ感想、評価等お願いします。

続きはまた次回…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ