ティアvs盗賊女 戦闘後2
投稿します。
しばらく同じ姿勢のまま互いに目を瞑り伝わる体温を感じ合うティアとソフィー。やがて、一抹の寂しさを感じつつ自然と離れた。互いに見つめあうソフィーとティア…
「あのお二人共...もう、よろしいでしょうか?」
そんな二人に申し訳無さそうにレイラは声をかけた。
「「っ!」」
声に驚き二人はばっと直ぐに離れる。互いに顔は真っ赤だ。そんな様子の二人にレイラはくすりと微笑む。
「先ずはここから出ましょう。きっとエドワード様が心配しています。」
その言葉を聞いてティアは自身の状況を思い出し暗い表情になった。その様子に気付いたソフィーはティアに尋ねる。
「どうかなさいましたか?」
「私、一緒、無理...」
ソフィーはばっと振り向くとティアの目を見て強く尋ねた。
「っ!何故です?」
「...私、追われ、てる、もう、ここ、いるの、迷惑。」
「そ、そんなこと...」
「私達がいない間に何かあったのですね?」
「ん。」
レイラの問にティアは頷くと、経緯を話し始めた。
...
「それで、私、迷惑、だから、出て、行く。」
ティアが話し終えると、レイラは黙っており、ソフィーは俯いてぷるぷると震えていた。そして、ばっと顔をあげるとティアに言い放った。
「ティア様が迷惑なんて思いません!!そんな失礼な人達が悪いんです!」
ティアのために怒るソフィーにティアは胸が熱くなる。
「あり、がとう、ソフィー、様。でも、直ぐに、出る、無理、分かって。」
「そんな」
「今、出る、捕まる、危ない。」
ティアはソフィーに言い聞かせるがソフィーは首を縦には振らない。ティアとソフィーはどちらも互いに大事に思ってるがゆえの対立だ。二人に熱が入る中、レイラは冷静に答えた。
「どうやら、話を聞いているとティアさんだけでなく私達もすぐに出ない方が良さそうですね。」
「どういうことですか?」
「ティアさんを捕まえたい連中は私達がいないことを利用しています。今、私達が見つかれば彼らにとって都合が悪いことになります。おそらく捕まればそう簡単に開放されないでしょう。」
「っ!あり、うる。」
レイラの意見にティアも同意した。たしかに彼らならやりかねない。ティアも判断した。
「このまま表から出ると彼らにも見つかりやすいです。だから、裏から回るように戻ることにしましょう。」
「洞窟にいたままは不味いのですか?」
「あの女はまだ生きています。それに奴らと繋がっていれば簡単にこちらを見つかってしまうかもしれません。先ずはここを離れるのが先決かと。」
「...」
そう、ティアは女の命の火まで消すことはしなかった。ティアはこれまで人の命は奪ったことがない。孤児たちの命は軽い。殺人現場は数回、死体は何度も目にしてきた。しかし、己の手で殺人をすることはしなかった。掠れた記憶のかなたで言い聞かせられた様子が思い浮かんで、最後の一線を越えることはできなかった。そのため、仮に女が目覚めて再びこちらを襲えば今のティアの体力では次は勝てないだろう。それほどの敵であり、それほどティア自身の体力もかなり減っていた。無言の肯定をするティアを見てソフィー。彼女としてもティアには人を殺してほしくない。ただ、それにしても自身の命を軽く見ているティアに複雑な感情を抱きつつ、気を取り直してレイラに尋ねた。
「分かりました。では、レイラさん案内お願いします。」
「ん。待って。」
そこで、ティアはストップをかけた。
「どうされました?」
「少し、時間、欲しい。いい?」
「??いいですよ。」
ソフィーとレイラは疑問に思いつつ許可を出す。ティアはノロノロと起き上がると例の女のもとに向かった。
「ちょっ…」
レイラが慌てて止めようとするが、ティアは気にせず、女の体をごそごそ障り始めた。そして…
「これ、これ、これ…」
ひょいひょいとティアは女から武器を取り上げた。魔力に反応して爆発するナイフ、何かの石、ついでに例の蜘蛛の力を宿す手甲を外す。その姿はさながらクエストに出かけて倒したモンスターから素材を採集するかの様だ。ごそごそごそごそ…
「まぁ。」
「…」
ソフィーとレイラが絶句するのをよそに、ティアは女から奪ったものをいくつか装備し始めた。ナイフはベルトごと奪って巻きつけようとするが、残念ながら緩くて締まらず、ずり落ちてしまう。
「ム…」
ティアの小柄な体では難しいようだ。ティアはギルバートからもらった黒い短刀でベルトを短くして巻きつけた。手甲もぶかぶかだが、裏側の紐を締めれば何とか固定できた。
一通り女から武器、道具を奪う(さすがに身包みは剝がさなかった)と要らないものは隅に追いやり最後に氷の錠とロープで手足を拘束する。ティアは2人の下に戻る。レイラとソフィーは複雑で何か言いたげな様子だったが、ティアのやりきった表情と彼女のお蔭で助かったので、ないも言うことはなかった。
「先ずはここから出ましょう。この洞窟はこの先にも出口があります。そこへ参りましょう。」
レイラは操られていた際の記憶があり洞窟に荷物を運ばされていたので、洞窟について把握していた。レイラの先導でティア達は洞窟の反対側の出口から脱出した。薄暗かった洞窟から出た瞬間眩しくて目を細めてしまう。
「お気を付けください。暗闇に長時間いたので目が慣れていないのです。」
3人は目を慣らすようにゆっくり目を開ける。そこは森林の中であったさらさらと音が聴こえるので川も近いようだ。ティアとソフィーの様子を確認したレイラは2人に言う。
「先ずはここで休む場所を探しましょう。きっと...」
「見つけたわ♪」
レイラの言葉を遮るように誰かの声が聞こえた。
「「「っ!?」」」
ティア達がばっと振り向くとそこには、フードを被った人物がいた。彼女は口元を三日月状に歪める。
「ふふふ。会いたかったわ、ティア〜♪」
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