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ヒカリ
二つとない人に逢える灯台の真下では
老若男女が行列を作り待っていた
きっと運命とか幸せとか
欲しがるように創られ
誰も見たことない涙だけが
何処かで溢れていた
ヒカリの側で ヒカリの側に
ずっと居られる気がしていた
眩しくないよ 海の彼方へ
揺れる階段を造っていて
ギリギリ手が届きそうな時だけ伸ばしていた
縁の遠いがむしゃらが僕を密かに笑っていた
きっと涙脆く受け身の癖
それでは生きていけなくて
判子押されるように名付けられた
嫌に的を得た例え
ぐしゃぐしゃな夢 星の船体
どんな願いを秘めているの?
ツキが堕ちても 海が逃げても
どうか僕等を見捨てないで
灯りのない導き
出会えた後の満ち引き
涙はいつか川を流れ海へ辿り着いた
塵が積もるように星の船体の中心
ぐしゃぐしゃな夢 星の船体
どんな願いを秘めているの?
ツキが堕ちても 海が逃げても
どうか僕等を見捨てないで
ヒカリの側で ヒカリの側に
ずっと居られる気がしていた
眩しくないよ 海の彼方へ
揺れる階段を造っていて




