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変わりない夏
君がくれた甘い罠に迷い込むとは
四半世紀前 夏の心変わりみたいだ
生涯それが波紋に似て染み込む間際
悦ぶべきことか 汚点として受け入れるのか
鏡に照れた後ろ姿 髪がうなじを隠す
風が 風だ 何処か
癒されていく 放たれていく
風だ 晴れた 明日
癒されても 奪われても
朝が来れば呼吸をして日が暮れるまで
市販の化粧水と柚子湯の香りみたいな
とにかくそれが正しく有り続いていくのか
善悪を切り落とした 天使になりましょうか
痛みが外へ逃げ出したら 素晴らしい世界観
風が 風だ 何処か
癒されていく 放たれていく
海だ 晴れた 明日
癒されても 奪われても
風を 風の 奥が
溶かされていく 満たされていく
海が 海だ 駆けた
知らなくても 飛ばされても
空だ 空だ 青だ
動かしていく 動かれていく
君だ 君が 君の
離れていても 離れていても
朝になれば甘い罠に逃げ込む算段
四半世紀頃 夏の心変わりみたいだ




