What color feather do you have ?
女性はある条件を達成すると背中に翼が宿る事を皆さんは知っていますか?
ほら、あちら女性には甘い桃色のいい匂いのする翼を、今私の目の前をお通りした女性には爽やかな柑橘系の香りを漂わせるライトブルーの翼を……………。
ふと、ショッピングモールの大きなガラスで私の翼が目に入りました。
「………っ。」
周りの女性達は色取り取りで、とても艶やな麗しい翼を持っている。
それなのに、……………………。
カー カー
いつのまにか日が落ちていた。
…………今日はもう帰りましょうか。
これ以上、此処に居たくない。
ガチャ
玄関を開けると、見慣れた女性モノの派手なパンプスが、
「まぁ、希羽さん、今帰ったの⁈今まで何処をほっつき歩いていたのかしら!もう、貴女がこんな愚図だから翔ちゃんが不憫な思いをしているのよ!!」
目の前に居るのは、歳に不似合いな化粧をし、Baccaratの派手な赤のワンピースを待とう女性。
「………いらっしゃいませ、御義母様。すみません、今晩の夕食の買い出しをしておりまして…。只今から、夕食の支度をさせて頂きますね。」
フンっ
御義母様は面白くないのかいつも通りに露骨に嫌な顔をしている。
「処で、希羽さん。子供はいつ出来るのかしら?ウチの可愛い大事な長男の花嫁にしてあげたのだから、早く男の子くらい産みなさいよ。……………って、希羽さん。貴女、この私に粗茶ぐらい出せないのかしら?ホント、貴女って愚図ねー、今までどうやって生きれたのか不思議なくらい。」
「た、只今御用意致しますね。」
コポコポ
我が家で一番高い紅茶を入れる。
「粗茶で御座いますが、」
グビーと、品の無い飲み方をする。
「フン、………………って貴女。何なの?この本棚。本の整理がぐちゃぐちゃじゃない!!それにさっきから鼻がムズムズすると思えば、この家、埃が溜まってるじゃない!私を殺す気なの⁈」
その本棚は旦那様専用の書斎で私が勝手に触ると、、、
それに御義母様は、アレルギーはお持ちでないはず、それに今日訪れるなんて一度も聞いてないのですけれど、一応謝っておきましょう。
「申しわ_」
バチン
ガシャン
頰を思い切り叩かれ、コップがひっくり返り割れ、私は頭から熱い紅茶を被った。
イタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイ
「まぁ、貴女。自分から紅茶を被りに行くなんて愚の骨頂ねぇ。そんなに熱い紅茶に被りたいのなら、仕方がないわねぇ。」
まだまだ熱い白湯の入ったポットを持ってきた。マサカ_
ドポドポドポドポドポドポドポドポドポドポ
「う、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。」
イタイアツイイタイアツイイタイアツイイタイアツイイタイアツイイタイアツイ
「まぁ、なんて品の無い声なのかしら。」
御義母様はまだまだ続ける。
痛みの感覚が消えかけた頃、アノヒトが帰ってきた。
「ただいまー、って母さん。どうしたんだ?」
「あら、お帰りなさい!翔ちゃん!!あんたの愚図ってば自分からアツイ白湯を被りに行ったのよ。もう、私、恐ろしくて………。」
「………………分かった、じゃ悪い子には罰を与えないとな。」
ズリズリッ
床に錆びた鉄の匂いを撒き散らす金棒を持ってきた。
その後、____
***
「ゔゔぅ、」
ジャー
つい先程、御義母様は帰り、旦那様は例の女の元へ向かった。
鏡に映る私の翼は更に傷跡が増え、所々に刃物が突き刺さっている。
お湯を浴びるたびにイタクてアツくて………
いつからこうなってしまったのだろう。
結婚当時はあんなに笑いあったのに、御義母様もまだ此処まで酷くなかったのに、彼の人を愛し合ったのに、
どうして?
ドウシテ?
ドウシテ‼︎
旦那様・御義母様からの暴力を受け自問自答を繰り返す日々がまた続いた、、、、
そんなある日のお昼、全てが変わる、新しい私の誕生日がやってきた。
『プルルルル プルルルル』
「はい、どちら様でしょうか?」
『お姉ちゃん、私よ、菜々羽よ!』
去年、翼の生えた私の可愛い、世界でたった一人の妹だ。
「久しぶりね。今日はどうしたの?」
『ふっふっふ、実はねお姉ちゃん!!私、赤ちゃんがお腹にいるの!!」
アカチャンガデキタ………………………
その言葉を理解した瞬間、私の中で黒い何かが生まれ育った。
「そ、そうなの!それはおめでたいわね!
今、安定期?」
『えへへ、うん、安定期だよ!男の子ができるみたいなの。慎二さんったら物凄く喜んでくれて泣いたのよ、ふふっ大の男がなくなんて、』
……………………。
『でねー、お義母さんとお義父さん達ったら、もう舞い上がって舞い上がって、こないだなんかまだ生まれてないのにこの子のため、電車で神奈川に行って占いで有名らしい人のところまで行って占いをを頼んだんだよ〜。もう、ビックリしてさー………っておーい。お姉ちゃん?どうかした?』
あぁ、見えるよ、菜々羽。
貴方の翼、優しい若草色でキラキラに輝いて、まるでこの世の物とは思えないような華のようで___羨ましい、、とっても幸せなのね
『__い、おーい、おーい!お姉ちゃん‼︎』
「___っあ……………….。ご、ごめん。」
『お姉ちゃん、どうしたの?最近逢えてないけど大丈夫なの?』
「ええ、大丈夫よ。………………ねぇ、一つ質問していいかしら?」
『ん、なぁに?』
「どうして、貴方は幸せな生活を築けたの…………?」
『えっ⁈あ、あぁ子供のことか。確かにお姉ちゃんは奥手だからかなぁ、私みたいにがつんと、勇気を出して、一歩行ってみたら?それが、幸福の第一歩だと思うよーー。』
勇気を出して一歩………そうか、だから私は………………………。
今になって、漸く笑えた。
「ありがとう、菜々羽。そして、これからもずっと慎二さんに愛されなさいよ。」
『へ、お、おね__』
プツン
電話を切った。
勇気を出して一歩前に行く、か
「ふっふっふ、あはっはっはっはっ。」
そこからの行動は早かった。
ナエキで長い縄のロープを買い、家に帰り寝室のプロペラにくくりつけた。
「ふふっ、私は空を飛べるかしら?でも、私だったらいけるわよね。一歩進んでみましょう。」
ギッグググッ
イタイ、クルシイ…………でも気持ちいい。
その瞬間、何時もは閉じていた翼が大きく、大きく開いた。
私の翼は真っ黒で、何処か淀んだ色。
血もこびりついて痛々しいモノ。
とても大きくてまるで悪魔の翼のよう。
でも、私は飛んでいる。
道を歩いてる女性の翼は美しい、けれど飛べない。
「飛べない翼って何でしょうね?ふふっ、なんて可哀想。」
私はなんとも言えないこの優越感に浸りながら、この大空を高く自由に飛ぶ。
そしてこう言う。
「何処まで私は飛べるのかしら?」
__と。
拙い物語りですが、読んでくれてありがとうございます‼︎
ムチャ嬉しいです!
もし、『誤字脱字』や『こんな感じにしたら良いよー』とかあったら教えて下さい!
待ってます!