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決死の攻防

 自分が囮になるとは、とフータは嘆いた。

仲間からもハブられて、最後はドラゴンと一騎打ち。

正直、泣けてくる。

それでも、仲間を守る為に戦うのは、ちょっと格好いいな、とも思った。


(ホノカを逃がす時間を作らないとな)


 どちらかが生き残れば、まだ希望はある。

戦う覚悟を決めると、フータは今までに見せたことの無い程、高い集中を見せた。

周りがスローに見え、何をどう動けばいいのかが、分かる。


(スポーツでいう、ゾーンってやつか)


 フータの目には、鎖によって繋がれた道筋が見えていた。

それは、最初にハンマーの柄に繋がり、そこからライトボーガンに繋がっている。

素早く動いてそれらを回収すると、ドラゴンの攻撃を待つ。

ドラゴンが、右手を振り上げる。


(……そこか)


 腕を掲げたことで、相手の腹がむき出しになった。

そこに、一筋のひび割れを見つけた。


(爆発で出来た、傷だ!)


 どれだけ強固な皮膚を持とうと、さっきの爆発で無傷なハズがない。

フータの予想通り、皮膚にダメージを負っていた。

フータは、ライトボーガンに装填したハンマーの柄を飛ばし、亀裂の箇所に命中させた。


(っし!)


 一瞬、相手が怯む。

その隙を見て懐に飛び込むと、柄を引き抜いて離脱。

やや遅れて振り下ろされた右腕が鼻先をかすめる。


(あぶねっ)


 フータが、柄の先端に付いた血を舐めると、手をかざす。

手のひらから鎖が飛び出して、転がっているハンマーに繋がる。

力を込めて、繋がったハンマーを頭上で回転させた。

再び、ドラゴンが右腕を掲げる。


「ゴルアアアアアーーッ」


「うらあああああーーっ」


 ドラゴンの振り下ろした右腕にハンマーをぶつけ、弾く。

更にそのまま回転をつけて、腹に命中させる。


「グフッ」


 腹部のヒビにハンマーが命中し、装甲が砕ける。

肉がむき出しになると、フータはハンマーの鎖を切り離し、刀を手に取った。

ドラゴンに向かって掛けだし、刀で斬りつけようとした、その時。


「……!」


 フータの背に、ボーガンの矢が突き立てられた。

膝をついて、崩れるフータ。

背後には、無表情でライトボーガンを手にするホノカの姿があった。

 


 


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