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ピンチ

 フータとホノカは、ハイウェイをひた走り、北を目指す。

すると、道に雪が積もっている。


「……進めるか?」


「行くしか無いわよ」


 スピードを減速して、突き進むも、雪が吹き荒れ始めた。


「ダメだ、一旦様子見しよう」


 フータが腕で顔を覆いながら、叫ぶ。

それを受けて、ガイドをしていたシマリスがテントのような形状に変化し、ジープのむき出しの部分を覆う。


「サンキュー、シマリス」


 





 ジープの暖房を炊きながら、それでも凍てつくような寒さに震える。


(違う意味で震えて眠る夜になるな……)


 ホノカは黙ったまま下を向いている。  

フータがシマリスに訪ねた。


「なあ、シマリス、目的地まであとどのくらいだよ」


「日本の地理的にはまだここは秋田に入った所で、目的の北海道まではまだかなりあるでいす」


「……マジか」

 

 それよりも問題は、この雪である。

高く積もってしまうと、身動きが取れなくなる。

ジープには非常食が積んであるが、それもいつまでもつかは分からない。

結局の所、天候が落ち着くのを祈る以外に術はなかった。

そんな状況下で、奇跡的に雪が止んだ。


「ライトを照らせば進めるでいす」


「よし、少し進むか」


 シマリスがリスの姿に戻り、ホノカがアクセルを踏む。

ゆっくり車が前進すると、前方に何かが見えた。


「……」


 フータが目を細めると、素早く影が動き、次の瞬間、車がひっくり返った。


「うわあああっ」


 車から投げ出されたが、雪がクッションになって落下時の衝撃を和らげる。

起き上がって振り向くと、車は逆さまの状況で、ホノカ、シマリスの姿は見えない。

代わりに現れたのは、先ほどガソリンスタンドで仕留めたハズの、スパイクドラゴンであった。


「グルウウウ……」


(……マジかよ)


 手元に武器は無い。

フータは、ホノカに助けを求めようとして、慌てて口をつぐんだ。


(ダメだ、下手を打ったら、俺たちはここで全滅する)


 素早く周りを見返すと、ジープに積んであった武器が散乱している。

刀、柄の折れたハンマー、矢の装填されていないライトボーガン。


(これを使って、こいつを足止めしなきゃならない)


 フータは、目の前の相手を見据えて、覚悟を決めた。

 


 


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