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霊害  作者: 鹿犬
3/6

いどみます。

「カズユキんちってなんかゲームあったっけ?なんかしようぜー暇だし。」

「あーうん、wiiならあるよ」

「じゃあWiiやろう!Wii!久しぶりだわ‼︎」

罪悪感も冷めやらぬまま、確かもう製造停止になってしまったかわいそうなWiiを探し出し、電源をいれ、ようとしたのだが。着かない。

「あれ?着かない…」

「え?まじ⁈壊れてんかなぁ…やることなくなったじゃん…」

う〜ん、確かまだ使えたはずなんだけどなぁ…と思いながら、こたつに戻ったのだがこちらもまたあまり暖かくない。かろうじて余熱でほのかに暖かいが、多分これも消えている。

「停電か?うそだろ〜〜」

俺も停電かと思ったが、これは停電じゃない!奴だ…‼︎奴が来た‼︎混沌から現れ気付いたときには魂がぬかれているという<<闇夜の死神>>がっ…‼︎………違うな。うちの霊は魂なんて抜かなかったし(そこじゃない)まず今は普通に昼だしね。(そこじゃない)

「なんかクローゼットの扉勝手に開いたり閉まったりしてんだけど⁈自動ドアか⁈すげぇな‼︎でもこわれてるぞ⁈やべぇな‼︎」

ねー、すごいねー、そんなの聞いたことないねー。はい終わり。かまってる暇なんてないんだ‼︎今はこの霊をどうするかが先決!

「りく、ちょっと台所に行ってお菓子とってきて!好きなの選んでいいから!」

「え⁈まじ⁈よっしゃー、何があるかな〜」

よし、これでりくは遠ざけたぞ…別にここにいると危ないからとかじゃなくて邪魔だったからである。ちなみにお菓子は昨日俺が食べたのでない。探してたら時間稼ぎにもなるな、多分。

「うぉっ⁈」

ついに物がとんできた。まぁボールだったので痛くはないが、これがもし固いものだったら死ねる。割とまじで。ん?あれ?というか…今どうしようもなくない?w霊感とかないし。お守りもないし。うそだろ…?ここで俺は死ぬのか…?つまらない人生だった…年齢=彼女いない歴のDT残念系オタク…うわぁ…オラこんな肩書きさいやだ‼︎もうカズーチカおうちに帰る!間違えた逃げる!ざまぁ幽霊!悔しかったら追いかけ…てきたぁぁぁぁぁぁテレビからでてきたぁぁぁぁぁ…(後から思えばここから俺の頭は恐怖からか、ネジが多分5本ぐらいはずれてしまったのかもしれない。仕方ないよ。貞子だよ?貞子。無理。)


『ここからは独白なしのノーカット編集でお楽しみください』


「テレビからでてきたぁぁぁぁぁ貞子だぁぁぁぁすげぇぇぇぇこんな機会ないし握手してもらぉぉぉぉいや抱きついちゃえぇぇぇぇぇいえぇぇぇぇい」


「うわぁぁぁぁやべぇぇぇぇ貞子押し倒しちゃったよぉぉぉぉしかも冷てぇぇぇぇ幽霊感すげぇぇぇぇ」


「ふぅぅぅぅぅ↑なんか動かなくなっちゃったぁぁぁぁやべぇぇぇぇ生きてるかぁぁぁぁ⁈いやもともと死んでたわぁぁぁぁこりゃ一本とられたぜぇぇぇぇ」


「うわぁぁぁぁ消滅したぁぁぁぁすげぇぇぇぇやっぱ幽霊だわぁぁぁぁ」


「…カズ、お前なにやってんの…?」


気づくとそこにはりくがたっていた。………俺にはこの後どうすることもできなかった。部屋には森のような静けさが広がり、聞こえるのはカタカタという、風が窓にあたっている音だけ。果たしてりくに幽霊のすがたがみえたかはわからないが、俺が発狂していることに気づいてもどってきたのだろう。普段うるさい分、こう静かにされると妙に恥ずかしさが増す。

「おれ…今日はもう帰るな…?悩み事があったらいえよ?とりあえず今日は寝とけな…おれはお前の味方だからさ…」

「あ、あぁ…ありがとう…」

残されてしまった俺は死にたい気持ちを必死に抑え、少し肌寒い家の中、一人部屋の片付けをはじめるのであった……死にたい…




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