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第三話 召喚魔法

 『ホバー』で10分ほど移動してまたイリア王国(勝手に命名)に戻ってきた。そろそろMPも溜まってきたのではないだろうか。イリアに尋ねる。


「あ、100MP超えてますね!家を建てられますよ!」


 イリアが宙を眺めながら透明の板に書いてあるMPの確認をしているが、傍から見たら変人である。あれ、他人には見えないんだよな。


「なぁ、そのマナって俺も使うことはできないのか?」


「マスター登録を行えばできますよ。私がマスターなのでコーキはサブマスターということになりますが、マスターとできることは大して変わりません」


 確かに言い換えればマスター代理だからな。とにかく俺もマナが使えるなら好都合だ。


「さ、お家建てましょ!お家!」


 さっきからイリアはこのMPを使って家を建てたいようだが俺はそんなこと微塵も考えていない。MPを使って出すのは木だな。とにかく木がほしい。


「とりあえず、俺をサブマスターにしてくれないか?」


「あ、はい。・・・・・・サブマスター登録っと・・・できました!」


「もうできたのか?早いな」


 なにはともあれ、これで俺もイリア王国のMP操作権限が与えられたわけだ。早速見てみよう。おぉ、これがMPで出せるもの一覧か。木は・・・あ、あった。なになに、10MP消費して木を出しますか?はい。


 すると、何もなかった空間に木が一本ぱっと現れた。すごいな、さすがファンタジー。ただ、一本じゃ足りないから残りのMP全部を木に使う。


「え?あれ?お家は?」


「・・・・・・さっきの俺の魔法を見てなかったのか?」


「ふぇ?あ、そっか!木で作るのですね!」


 やっと気づいたか。今までよくめげづにやってこれたな。軽く感心するよ。

 ここからはさっきもやった通り、オリハルコンの斧で木を切り、『クリエイト』で家を造る簡単なお仕事。これで一先ず家は完成した。家の大きさはかなりの木材を使ったので大きめだ。なかなか立派なものができたんじゃないかな。うん。


 うーむ。しかしあれだな。木材はたくさんほしいから植林地を造らないとな。そのうちやろう。今日はもう十分働いて疲れたから家で寝たい。


「MPで出す家よりもすごく豪華です」


 イリアが感心したようにつぶやく。使ったのは120MP分の木だ。やはり『クリエイト』は建築に適していると言っていいだろう。もちろんそれだけではないが。


 俺は早速新築の家に入り、中を見渡す。木の香りがするいい家だ。強度も確認する。うん、大丈夫そうだな。

 あと、生活に欠かせないものといったら風呂とトイレとベットと・・・・・・考え出したらキリがないな。とりあえず今あげたものは今日中にそろえたいな。先ずはベット。ふかふかの布団が必要だな。ウールとか羽毛布団なんかがあればいいんだけど・・・・・・めんどくさいな。


 俺の持つ魔法で何とかできるものは・・・・・・一つだけ、ある。できるかどうかはわからないが、やってみる価値はあるかもしれない。『召喚魔法』。

 物や人、はたまたモンスターも呼び出すことができる魔法だ。呼び出すものによって魔力の消費量は違うが、やってみよう。


「コーキ、いったい何をやっているんですか?」


「今、集中してるから話しかけないで」


「は、はい・・・」


 召喚魔法はかなり集中力を使う。なぜなら召喚するもののイメージをしっかりと頭の中で描かなければならないからだ。トイレと風呂とベット。俺の頭の中にはそれらが鬩ぎあっている。


 やがて大きな脱力感とともに三つの物体が現れる。トイレと風呂とベット。見事に召喚に成功したのだ。あれ、なんかすごい疲れた。

 歩くのも億劫に感じ、ベットまで体をずりずりと引きずる。


「なんかもうコーキが何かしても驚かなくなりました・・・・・・けど、これは何ですか?」


「トイレと風呂とベットぉ」


 もはや声を発するのもいやになるほどだるい。一気に三つも召喚したのが間違いだった。そこで俺はベットに乗った瞬間気づいた。


「・・・・・・これ、ウォーターベットだ」


 水物と一緒に召喚したせいでこうなってしまったのだろうか。しかし、ひんやりとしていて気持ちがいい。俺はそのあとすぐに眠りに落ちてしまった。

すいません。今回は短めです。

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