表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

第二話 便利な魔法

「さて、どうしましょう?」


「いや、どうしましょうって、今までどうやって国を造っていたんだ?」


 そう、本当にここに国があったのかどうかがそもそもの疑問だ。略奪ゲームとやらで何かしらの戦闘はあったのではないだろうか?だとしたら少なからず建物の瓦礫やらなんやら落ちててもおかしくない。だが、ここには戦闘があった形跡がまったくなく、瓦礫なども落ちていない。


「今までは『マナ』を使ってお家などを出していたのですが・・・さっきも言った通り略奪された後なのでマナがありません!」


「なんでそんなに自信満々なんだ!・・・・・・・そのマナとやらはいつ戻るんだ?」


「マナは時間経過とともに徐々に溜まっていきます。もっとも、一番手っ取り早いのは略奪することです」


 ああ、略奪されたからすっからかんなんだよな・・・・・・・

 

 それから聞いたことを大まかに要約すると、まず普通の家を建てるのに100のMPマナポイントが必要になる。それを基準だと思えばいい。MPは建物だけじゃなくモンスターも出せる。あと、建物の瓦礫がないのはマナで出されたものだから崩れるとマナに還るからだそうだ。瓦礫が残らないってのはいいな。俺の魔法はどうなるんだろう?やっぱり瓦礫は残るか?ま、物は試しだ。自分の魔法を使ってみよう。


「どこかこの辺に木が生えているところか、石なんかがあるところはないか?」


「えっと、こないだまではあったのですけど、それも略奪のときに・・・・・・」


 なるほど、木や石もマナで出せるのか。いいことを聞いた。だが、それならMPが自然回復するのを待つしかないのか、と思ったが少し距離はあるが森があるらしいのでそこまで行ってみることにした。





ーー





「この魔法すごいですね!」


 ふお~、という静かな風音を発しながら俺たちは進んでいる。地上から数センチだが浮くことができるこの魔法は風魔法『ホバー』。スピードも遅いが自分で歩かなくていいのですごく楽。ダメ人間になりそうだ。

 異世界に来て初めて魔法を使ってみたが、あまり難しくはなかった。結構イメージによるところが多い。


 そして、イリアもこの『ホバー』という魔法は初めてだそうだ。この世界の人がどれくらい魔法を使うのかはわからないが、『ホバー』は見たこともないらしい。まぁ、魔法と言ってもたくさんあるだろうからな。俺もあの時女神に見せてもらった魔法の一覧も100個力くあった気がする。絞って100個って、どんだけあるんだ・・・魔法・・・・・・・


「あ、見えてきました」


 そうこうしているうちに、森が見えてきた。よし、ここなら木材が手に入る。


「さて、木を切るか」


「はい、えっと・・・どうやって切りますか?」


 そこで俺は懐からさっと、一つの石を取り出す。きれいな青色に輝くその石はオリハルコンだ。これも女神と交換したものだ。


「何ですか!?その石!?きれいですね!」


 そうだろう。なんせ幻の金属だからな。さ、この幻の金属を『クリエイト』を使って斧に変える。


「え!?きれいな石がきれいな斧に!?」


 さっきから驚いてばかりの人がいるが今は放置。

 斧でスパスパと木を刈っていく。木が豆腐のように切れるよ。


「これだけあればいいだろう」


 楽しくてついたくさん刈ってしまったが、木材が集まった。あとはこれを使って家を建てるだけだ。木で作るからウッドハウスだな。


 横に寝かしてあった木が形を変え組み合わさり、やがて立派なウッドハウスが完成した。完全にイメージ通りになった。時間は5分ほど。これが『クリエイト』の力か。


「・・・・・・・コーキ」


 今まで家を造る間に黙っていたイリア。てっきり家を作っている最中も驚くかと思っていたが、静かだった。


「コーキって実は神様なのでは・・・?」


 ついに頭が壊れたか。いや、前々からネジが抜けているとは思っていたが等々壊れたようだ。


「神様じゃないが・・・・・・結構簡単だぞ?」


「そんな魔法見たことありません!こんな短い間に建物が出来上がるなんて・・・・・・人には到底できませんよ」


 それができてしまっているんだなぁ。


 ま、確かにこの能力はすでにチートの域だ。自分でもとんでもないものを手に入れたと思っている。女神さんあざーっす。


 それはそうと、本来の目的は俺の魔法で作った建物の残骸は残るかどうかだったな。だいぶ話がそれていた。


 俺はオリハルコンを剣に変え、ウッドハウスを切り裂く。隣で見ていたイリアは言葉も出ないほどに口を開けていた。おそらく俺が何の躊躇もなく、家を壊したからだろう。許せ、これも実験だ。


 家としての外見が完全になくなるほど切ってみたが、マナに還ることはなかった。俺の魔法では瓦礫が残ってしまうらしい。まぁ、当然といえば当然なのか。マナでは作ってないし。魔法とマナは別物のようだな。


 少し、めんどくさいが瓦礫はかたずけないとなぁ・・・・・・と、思った矢先俺はあることを思いつて実行する。するとそこにあった木の破片などの残骸は跡形もなく消えた。そう、『クリエイト』で残骸を木材に変換したのである。なんて、エコロジーな。と思いつつ俺はこの魔法がチートであることを再び実感した。

これからはなるべく21時に投稿できるように頑張ります!(投稿できない時もあります)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ