第四話 お戯戯れ戯れ戯れ保健室
保健室の格闘から場所を移せば、教室ではたっくんが、授業中自らの眠気と格闘していた。単なるその場の気分で浪藤吉藤吉浪についた嘘によってフルパワーチャージを遂げたたっくんは不可解な授業内容を100%攻略することに成功する。しかし、人知れず浪藤吉は、計り知れないダメージを抱えていた。そしてそれは、その後の彼の運命を大きく揺り動かす契機となるのである。
そんな中、保健室の格闘はひと段落に入り、意外な方向へと転がっていたのである・・・
さなたむ
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「あなたあん、ねえん、お熱にするうん、それともマキロン?」
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夫多英
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「ああ、お熱で頼む」
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さなたむ
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「ううん、うううんん」
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夫多英
↓
「ど、どうしたんだ、さな」
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さな
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「それともあーたーんし??」
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多英
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「ばかやろう、コノヤロウ」
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「う~んんもうオシイオシイッ!!ばかやろうは一回でいいのよ一回で」
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さなみ先生
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「回数が増えるだけ盛り上がるかと思ったんですけど」
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生徒多英
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「んもうこれだから若いってのば嫌あんねんもう~。クオリティってわかるう??」
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多英
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「あはい」
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「量よりも質なのよううん。それじゃあねえ、ビイトたけしいんみたあいになっちゃあうんからっ、んまっ、でもおおうん、それも込みの若さってやつうんよおんねえええんん」
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大人の一面を振りかざすさなみ先生
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言葉の合間合間にわざとなのか癖なのかイチイチ細長くかといって健康的で形のいい指先を髪に絡めたりホドイタりするのだった、その度に周囲へと放たれる、シャンプーの香りが魅惑的である。
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多英
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クネクネとイチイチ悩ましげな動きをとりながら、ちょっと教育の現場にしていくらか、いやややもすれば大幅に身に纏った衣装がセクシーすぎるのではないか、ここに来てやっとのこと冷静になった多英に、そう気づかせているかのようだった。
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多英
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「ねっ、せんせ?」
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セクシーさなみ
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「なあに?多英ちゃん」
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多英
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「ひとつお願いがあるんだけど・・・」
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いっぽさきゆくおんなのさな
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「なんでもいってご覧なさいな」
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多英
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「それ、旧式ですよね。わたし、割れそうで怖っくって・・・」
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さなみの憂い
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「旧式の体温計と言ったらそう、思い出すなあ。中にはね、水銀が使ってあるのだから、それを気体のまま吸い込んじゃうと大変でしょ?前の学校でね、いつもいつも体温計を必ずどこかへ隠しては、体温計割っちゃった、水銀を気体ですっちゃったーっておんなじ男子生徒が言ってくるの。はじめは心配して真剣に取り合うのだけれど、救急車を呼ぼうとしても少量だと思うから大丈夫だよ、それより怖いからすこしそっと背中さすってて欲しいって言ってきて。結局体温計は割れてないなくて最後には見つかるの。同じことが何度も何度も続いてしまいには呆れてしまってこっぴどく叱ったあげく、もうその男子生徒は出入り禁止にしてしまったの。前の学校ではまだ新任で・・・でも今思えばわたしに気があるだけだったんだよね。そんなことも分かんなくて、余裕なさすぎだよねわたしいっ。それに、たとえ少量でも本当に吸い込んだのならすぐ救急車呼ばなきゃ教師として失格だよお・・・ちょっと長話になっちゃったわね。そうそう、うちの学校、この旧式の体温計以外ないの。どうする多英?パスしとく?」
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「先生の若い頃の話し聞いてたら元気出てきた。熱は計らずとも大丈夫だよ。せんせ、あんがと、もう元気元気」
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多英
↑
「あ~~~ん、羨ましいぞ~~~!!若いってえ!!」
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膨れるさな
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「先生だって若さ以外にたくさん武器がありますよおお」
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多英
↑
「んっもう、お世辞言ってカラカッテばかりいたら嫌いになっちゃうんだからあ」
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結構さな本気モード
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「うふふははははっっ。少っしもカラカッタリしませんよーー」
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多英
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颯爽と駆けていく多英、やはり若いって、ただそれだけで美しい、それだけで躍動する、何かが、ある。廊下の窓から差してくる目映い目映い太陽の光に、溶けていくような幻影が見える、そう、若さ、それは光にも通ずる力、漲るものだと・・・
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若かりし頃の幻影に自分を重ねてややうっとりと多英を見届ける陶酔のさな
次回、急展開!エゴサーチ。お見逃しなく!!
さなの気分アラモード
さなたむ:ねえん、お熱にするうん→さなみ先生:う~んんもうオシイオシイッ!!ばかやろうは一回でいいのよ一回で→大人の一面を振りかざすさなみ先生:その度に周囲へと放たれる、シャンプーの香りが魅惑的である→セクシーさなみ:なあに?多英ちゃん→いっぽさきゆくおんなのさな:なんでもいってご覧なさいな→さなみの憂い:そんなことも分かんなくて、余裕なさすぎだよねわたしいっ→膨れるさな:あ~~~ん、羨ましいぞ~~~!!若いってえ!!→結構さな本気モード:んっもう、お世辞言ってカラカッテばかりいたら嫌いになっちゃうんだからあ