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エゴサ↑チ  作者: 夢之ゆめぜっと
第一部 学園編
37/50

第三十七話 SHINDO、その五 「真紅」 (黄丹立腺、その1)

砂漠・・・

美しい真紅の縞縞

乾いている・・・すべてが・・・

夢が吹きすさぶたび、硬質の世界はますます膨張する宇宙へと広がっていく

風、欲望

尽き果てることのない生物たちの冀求

転がりゆく鉱石

赤い血液のダイアモンドの大海原のよう

牧歌的な幻想を降らせながら燃えている炎天のはずが

いつの間にかざわついてそれはノイズに充満し

巻き起こした刺は渦巻いて

前立腺の赤い大地にもう埋まっている

乾いている

生命の断絶は既に闇と密会し

無機質さはココロの喪失を物語り

傷が意識へと結ばれていた

風圧は狂悦の上昇

切り立つ絶望の城壁は切り裂く死影の女王

口腔から肛門に運ばれた

吹き荒ぶ渇きの砂風

生殖器が擦れあい

互いを傷付け

カサカサに干からびた前立腺の縞模様

パリパリにミイラ化して仕舞った両生類の蠢きと噴射した粉末状の血液

狂った脳髄

すべては吹き荒れて

滝のような激痛の快楽が

噴き出した不死なる化石の砂嵐

・・・・・・

・・・・・・

「はあ、はあ、はあ、はあ・・・」

「はあ~・・・喉が渇いたわい。体重が三分の一にまで減少したのかのう」

右龍

真なる覚醒者の影、升龍の右半身

(理由あって片割れ)

「それにしても・・・」

「お主には堪えんのかのう・・・」

黄丹立腺スキーンサハラ

真なる覚醒者、浪藤吉藤吉浪の三位一体のひとつ

「あいにく乾きと熱には耐性があってな」

「羨ましいのう・・・はあ。ワシなど既に晒された内臓という内臓が完全に乾燥してしもうたわい」

右龍

「持ち運びに便利な野郎だぜ」

第二の武士オルタナ、黄丹立腺スキーンサハラ

黄丹立腺スキーンサハラの世界

風が通り抜ければ、行く旅人の足跡は掻き消され、渇いた縞模様だけが無機質に更新されては刻まれる。

眩しい燃え盛る光線の刃。

目を瞑れば、デジタルにデザインされた刻印が精神を追い駆け、精神の深い場所にまで人格を奪い尽くしにやってくる。

逃れられない死の影、縞模様・・・

一面に広がった真紅の砂漠・・・・・・

狂騒・・・乾燥・・・

・・・

・・・

見えている・・・

向こう側に・・・

あれは、待ちわびていた筈の・・・

「・・・・・・」

「それにしても・・・」

右龍

「向こうへ見えている緑の景観は、オアシスな筈じゃが、しかし一向に近づいとらん気がするのは気のせいじゃろうか・・・」

「ふん。そんなものを目指していたとは、やれやれな野郎だぜ」

武将、黄丹立腺スキーンサハラ

「お主には見えておらんかったとは意外じゃな。砂漠はお主の専門じゃろうて・・・」

右龍

「どうやらとんでもなくおめでたい野郎なようだな」

武将、黄丹立腺スキーンサハラ

「ど、どういう意味じゃな??」

右龍

「ここまで言ってまだ気づかんとは、どうやら本当に始まっているようだな」

武将、黄丹立腺スキーンサハラ

「失礼な奴じゃのう!誰が健忘症じゃ」

右龍

「馬鹿にしてんのか!お前はとっくに痴呆症だ」

武将、黄丹立腺スキーンサハラ

「げびーーーん」

右龍

「まあよいわい!それにしても、ワシが何に気づいておらんというのじゃ?」

「どうやら原因は惚けの問題だけではないようだな」

武将、黄丹立腺スキーンサハラ

黄丹立腺スキーンサハラはおもむろに地面に広がる赤い砂を拾い上げ、ほんの少量口に含んだ

「砂・・・」

武将、黄丹立腺スキーンサハラ

「やはりな。ここまで気づかんとは、どうやら俺自身にも問題ありだな」

右龍

「どういうことじゃ?さっぱり分からんぞい」

「この俺に紛れ込んでいたくらいだ。お前に見分けがつかないのも無理はない」

武将、黄丹立腺スキーンサハラ

「だから何がじゃい」

右龍

「お前がさっきから見え、目指しているものがあるだろう」

武将、黄丹立腺スキーンサハラ

「ああ、あれのことか」

右龍

右龍は景観の奥の方を指差していた。

・・・・・・そこには、赤い縞模様以外、何もなかった。

「お前が見ているものは・・・」

武将、黄丹立腺スキーンサハラ

「蜃気楼・・・ただの幻覚だ」

「??」

右龍

「なんじゃと!本当か!!」

景観の奥に広がっているらしかったそのオアシスらしき幻影は、すぐさま立ち消えてしまっていた。

・・・・・・

「本当じゃ。消えてしもうとるわい」

右龍

「ただし」

武将、黄丹立腺スキーンサハラ

「ただの蜃気楼じゃあない。砂漠に生まれ育ったこの俺を騙すとは、相当な野郎だぜ、忌々しい・・・」

「騙すとは何事じゃ?」

右龍

「ジジイ、地面に積もっているその砂埃を手に掬ってみろ」

武将、黄丹立腺スキーンサハラ

「こ、こうか」

右龍

右龍は、脇に力をいれ、松葉杖を砂の地面に深く差しながら、やりづらそうにも砂を右手に掬った。

ヒュ~~~~~~

風がさらっていく・・・

「あれ!」

右龍

「どうやらやっと感づいたようだな」

武将、黄丹立腺スキーンサハラ

「こ、これは何なのじゃ!!」

右龍

右龍が掬った筈の砂が、完全に消えてしまっていた。

「幻覚だ。それも、こいつが俺たちの幻覚、つまり奥に浮かんだ蜃気楼をつくっていた」

武将、黄丹立腺スキーンサハラ

「こいつが。じゃと?」

右龍

幻覚が幻覚をつくっているじゃと・・・?

「どうなっとるんじゃ本当に」

武将、黄丹立腺スキーンサハラ

「ポアロアロアロアロアロアロアロアロロアオ」

黄丹立腺スキーンサハラのコマンド

真紅に広大なパノラマ全体が突然巨大に脈打ち始めた!!!

「うわあああ、なんなのじゃあああ!!」

右龍

・・・・・・

真紅に埋め尽くされた無数の粉塵が一挙に地面より上空に浮かび上がった!!

舞い上がった細かい粒子の無数は気づいたときには既に粘度の高い真紅の液体と化していた。

赤黒く一面を覆い尽くす、血液!!!!!!!!

砂漠の丘陵と思われていたものは、無数の屍のうずたかき山々!!!

武将、黄丹立腺スキーンサハラと右龍が踏みつけ、向こう側の地平線の奥までも、無限に続いて絶え間無い景観は、干からびた無数に山となりたる胎児の、絶叫湛えた屍の、青白く地面を覆い尽くした無残な重なり合いであった・・・

参考曲


Sonic Youth-Diamond Sea

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