第十五話 道場その二、もったいないから飲料水に使ってね
「ジャミケ」
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グオオオオオオオオオオオ
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自転を止めた惑星が再び回り始めた。ひとりの幼児によって。
幼児とは言っても強さにおいては成人よりも上なのだ。
彼が新しく身につけた技は正しく棚ぼたであった。
つまり履きなれたスニーカーは案外ボロボロだったりする。
履きつぶす、という言葉があるくらいだから、尻に据えて潰したところで大差はないのであろうか・・・
安易に木下藤吉郎の猿真似はやらないほうがいい。
藤吉浪は一種の天才児であった。
天才児は沈んだマットに突っ伏していた。
「なにごと!!」
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空林
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「歯磨き粉の入ったガム」
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モンスター、部類
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・・・・・・
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バタ
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幼女が倒れた・・・
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ヒュ~~~~~~~
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風・・・
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業苦
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シャッシャッシャッシャ
↓
ヒュ~~~~~~~
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風をゆびに掬って舐めてみる
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「風・・・」
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升龍
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スタ、スタ、スタ
↓
「起きろーーーーー」
↑
升龍
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瞼がピクピク揺れている・・・・・・
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藤吉浪
↑
升龍
↓
フウム・・・早くもか・・・・・・
↓
・・・・・・
↓
魔王の扉・・・
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藤吉浪
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ギーーーーー
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荘厳な重い扉
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ふうっ
↑
藤吉浪
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ん!
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「は~~い」
↑
升龍
↑
「ジジイ」
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藤吉浪
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「ここは何処だ」
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「可笑しな質問じゃな。その前に、誰じゃ?と聞かんのか」
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藤吉浪
↓
「ふん、聞かなくてもわかるもんに普通は聞かんだろ」
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藤吉浪
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「お前はジジイ・・・」
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「ほう」
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升龍
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「ジジイの霧だ」
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藤吉浪
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ふっと、ロウソクの火のように升龍のカタチをしていた霧は消えてしまった
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再び升龍が現れる
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「ワシが思う通りとはな・・・いや、これまでにないくらいじゃ」
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「もう、言葉を費やす必要はない」
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藤吉浪
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「その通りかもしれん。」
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升龍
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「藤吉浪、お前の役割は、師範代であるワシを、更なる境地へと引き上げるためあるのかもしれない」
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「違う。俺が奴に勝つため、それだけだ」
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藤吉浪
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「一面。お前にとっての一面はそうだ。しかしまた、ワシにとっての一面もあるのじゃろう。こういう思いをすることになろうとは・・・」
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升龍
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「うるさいぞジジイ!俺はお前に敗けてお前を倒すために強くなろうとしているわけではない!」
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藤吉浪
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「無論。しかしワシを倒してからでなければな・・・しかし、もうワシの描いた速度を通過していることも事実じゃ。これが現代というものかのう。まあ、強い弟子が勝手に育ち巣立っていくことも計り知れん快感じゃ」
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「・・・・・・」
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藤吉浪
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「ベラベラとうるさいジジイだ。」
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「弁。これが我が道場の精髄じゃからな」
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升龍
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「見よ」
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彼方は地平線にぶつかって消えている・・・ちょうど中央にいるからキレイな巨大な二等辺三角形に見えてしまうのだった。
つまり。
バケツに注がれた大量のジュースは、完全な一直線上に並んでいることだろう・・・
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升龍
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「心配せんでいい。このバケツ、使用前じゃ。このまま文明が続いていけば、全国の学校へと卸されるバケツじゃからな・・・」
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「その前にこの場所にて使われることになっておる」
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「検査目的か?」
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藤吉浪
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「本質を射抜くのう。そのとおりじゃ、それに・・・」
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升龍
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「弁じゃ、といったじゃろう。こうしてなんでもない会話をするだけで飲み込みの早いお前のことじゃ、ワシを凌駕してしまうことじゃろう」
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「うるさいジジイだ」
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藤吉浪
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「ふうむ、グウの音も出ないとはこのことじゃろうな。お前に長く厳しい修行の期間など必要もないのだからな・・・お前の修行は、一言で足りている・・・」
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升龍
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「もういい」
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藤吉浪
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「まあ、もう少し喋らんか。せっかく用意した飲料水が必要なくなってしまうではないか」
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升龍
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「見よ、この美しい図形を・・・これらひとつひとつは、これまで世界中で発売された、そしてこの先発売されるであろうすべての飲料水が一つ残らず入っておるのじゃ。組み合わせは実に、宇宙の可能性すら超えておる」
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「矛盾だ」
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藤吉浪
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「一面、とさっきから言っておるではないか。まあそれも若さゆえ、ということか、粗っぽいのも良し悪しじゃな。しかしそのスピードで来られるからこその飛躍的な伸び。」
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升龍
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「そろそろじゃ。その前にひと救い飲んでみい」
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パシャ
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藤吉浪は手で救い口に含んだ
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・・・
↓
「うっ・・・」
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「はははは、とことん青いな。ただのアーモンド水だと思ったか?ここには青酸が混入されておるぞ」
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升龍
↑
ぷるぷるぷるぷる・・・
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「そんなもの売るんじゃあない」
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藤吉浪
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「ORAAAAAAAA」
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・・・・・・
↑
升龍
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「遂に覚醒しよったな、いざ、お手合せといこう」
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青酸カリの混入したアーモンド水によって瀕死をくぐり抜けた藤吉浪。
遂に覚醒!
次回師弟対決、エゴサ↑チ十六話、拳。
空林
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最強モンスター、部類にさらわれる
業苦
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風を感知し囚われの空林のいる部類のもとへ
藤吉浪
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魔王の宮殿へ
升龍
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藤吉浪の覚醒に立ち会う




