第一話 開校イチバン、ホームルームにて
ゆめ→(ときに)めんどう
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・・・ゅし青生一←いしれう(とう叶ぱっやもで) (?ん)
「今は平成初期、ITのあ、の字もなかったようなあの平和成るあの時代、ブロードバンドインターネット接続なんかより、虎舞竜や、ロードや、バンドのほうがよっぽどナウでイカしてトレンディであり且つインターよりも引退、ネットよりも熱湯のほうが世間をお騒がせなのであり、接続といえば総じて接続詞なのである。今はそんな時代・・・うっかりネットで調べてきなよ、なんて口ずさもうものなら向かう先はスマートフォンは遥かかなた、パソコンルームもいざ知らずきっと校庭のバックネットによじのぼり、あのあたりにありましたかね~、などと遠くを指差して見当違いなリアクションをとるに違いない。そういえば、ググるの語源Googleなんてまださきのさきの、Yahoo!すらないヤッホーしか知らない悲しい世界・・・ひとびとはパソコンをコンピューターと呼び、それをまた持ち運びの出来ない不便なワープロぐらいにしか思っていないそんな想像を絶する世界であった・・・」
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ナニコイツ、マジでキモイんだけど・・・ホームルームもうはじまってるしー・・・ヤバイってシカトしといたほうがいいって・・・ヒソヒソヒソヒソ・・・
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「先生!」
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女生徒のひとり
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「黒板の日直の日の字が目になってるんですけど~」
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「あー、ホントだーだれー日直が書いたのー?」ざわざわざわざわ・・・
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担任
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「あ~スマンスマンついうっかりな」
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うっかりしすぎじゃ~ん、センコ~か~い!ていうか・・・
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別の女生徒
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「ていうか日直の直の字も置になってるし~」
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目っ多!
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担任
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「こ、こういう時はなあ、こうするんだよ」
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担任はどう血迷ったかおもむろにチョークを取り出して黒板を埋め尽くし始めた。
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カキカキカキカキカキカキカキカキカキ・・・
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何書いてんの~センコ~ったら黒板消しでさっとひと吹きするだけじゃんよ~、てか、なにアレ・・・
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中目黒、目ダカ、一目瞭然、奥目、夏目漱石、目からウロコ、五目あんかけ、つり目、今週の目玉、引け目、目ヤニ、目黒祐樹、目玉のおやじ、目盛り、一目惚れ、目には目を、隠し目付け、勝目梓、金の切れ目が縁の切れ目、目的、一つ目小僧、目クソ、横目付け、目玉焼き、キツネ目の男、分け目、一目散、腹筋の割れ目・・・
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「きゃー、なんなのよー」
「てかめっちゃ高速なんだけど」
「意味わかんないし・・・」
ざわざわざわざわざわざわ・・・
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な、なんか、見、見られてるみたいで、は、恥ずい~、しかも目置の字、逆にますます目立ってるんだけど~
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ひとりの女生徒
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「せ、せんせ~い、せんせ~い・・・」
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担任
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気づいてない、まったくのうわの空・・・
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せ、せんせ~~~い
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担任
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「あ、な、なんだ~藤本~」
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藤本
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「目置・・・じゃない。ちょっと体調が悪くなったので保健室にいってもいいですか?」
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「なんだあそりゃー、いきなりだなまったくこりゃ、気合が足りんぞ朝イチだってのに」
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「不潔~!!先生~、女子はデリケートなんだから黙って行かせてやらなきゃダメですよ~」
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担任
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「そんなめんどいコトおとこがわかってたまっかよ!藤本、一人で行けんのか?」
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藤本
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「行けます!」
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「多英~一緒についていくよワタシ~」
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「だいじょぶ、ありがと」
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藤本多英は颯爽と保健室に繰り出していく、青春、それは青く輝く颯爽と流れくる一陣のそよ風・・・
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西岡加奈子
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「行っちゃったね、ま、多英っていつもあんなだし、気にしない気にしない」
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隣の女生徒
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「ていうかアイツまだ喋ってるし・・・」
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「レーザーカラオケ一曲百円払ってました、モー娘。宇多田にドラゴンアッシュ、そんな人たちゃまだいない、ビリヤードにダーツなんて映画の世界、ましてシガーなんて特権階級、自遊~で快活~を満喫~するにはまだまだ時間を待たねばなるまい・・・」
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今は平成初期、ITのあ、の字もなかったようなあの平和成るあの時代、ブロードバンドより虎舞竜、漫画にテレクラCDゴルフ、娯楽なんてそれだけで十分だった、なんでもないようなことが幸せだったと思う、回線さえありゃ全てがタダで済んでしまうそんなみみっちい幸せなんてクソくらえ!そう、彼こそ、本小説の主人公、浪藤吉藤吉浪、来たれ次回、エゴサ↑チ第二話、保健室ってセクシーね、乞うご期待!