一話目「出会い」
注意。
この小説は、有りがちな展開。穴だらけの設定等が有ります。
不快になる方が多いと思われますのでご注意ください
気が付いたら手を伸ばしていた。
何で伸ばしているのか。
何かを掴もうとしていたのか。
全くわからなかった。
半身を起こして、掌を見つめる。
そこに答えはない。
結局何もわからなかった。
とりあえず目が覚めたんだから散歩でもしよう、と外に出る。
目が覚めてすぐに日に当たると体に良いと聞いた。
誰にかは覚えてないが。
外に出ると、村人に会い、その人に挨拶する。
村人は黒髪に黒目(少し茶色っぽい)の人間が多い。
その中で俺の銀髪はとても目立った。
村は山と海に挟まれている。
俺は海の方に向かった。
浜辺は砂浜で、歩けばサクサクと音がする。
海を見て、何時もと変わらない風景だと思った。
そんな時だった。
波が引いた瞬間。
その浜辺の上に13位の子供が流れ着いている事に気付いた。
白いローブから出ている腕は白く、細い。
その様子に一瞬呆気に取られるが、すぐにどういう状況なのか理解した。
「お、おい!!大丈夫か!?」
駆け寄り、頬を軽く叩く。
呼吸を確認すればしていない事がわかる。
人工呼吸をすべきか…?と思ったときに。
「けほっ…こほっ…」
咳き込みながら子供が水を吐き出した。
生きてる。
俺はその小さな体の両足の膝の裏と首の後ろに腕を通せば抱え上げて、そのまま駆け出した。
村の方へ戻れば村の中で一番大きな家の中へ飛び込む。
その家の主は畳の上に座ったまま、きょとりと飛び込んで来た俺達を出迎えた。