表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/15

第十三話「今日乗り切れば連休です。〜前編〜」

作中に登場する固有名詞は、実在のものとは一切関係ありません。

「ついに連休ですか〜〜〜〜〜〜っっ!?」

「はい。」

「今日の仕事が終われば、ついに連休なんですねっ!!ディスティーナ様っ!!」

「はい。」

「くぅぅぅっ!!ビバ!連休ぅぅぅっ!」

「…いつも定期的に連休もらえてるのに、なんで毎回毎回こうハイテンションに喜びますかねぇ?」

「なぁ〜に言ってるかなぁっ!ウィング君っ!連休よっ連休っ!休みが連なると書いて連休なのよっ!これで何故テンションが上がらないかなぁ〜っ!」

「…はいはい。ま、確かに連休は嬉しいですからね。」

その日、異様にハイテンションなフィーアの姿がそこにあった。

運命の救済士という、かなり特殊な仕事をしている二人ではあるが、普通の仕事と同じように休日はある。だいたい、平日出勤の土日休み、みたいなものだろうか。休みはたいてい連休でもらえている。

言うなれば、今日は金曜日。今日の仕事を片付ければ、明日からは、のんびり二連休。想像しただけでテンション上がりまくりのフィーアと、今まで何度も繰り返されて来たスケジュールでしょう、と、相変わらずクールなウィングであった。

「んで、んで、ディスティーナ様。連休を前に、ちゃちゃ〜っと片付けておきたい今日の仕事はなんですか〜?」

「はい。今日の仕事は、ストーカー退治です。」

「ストーカー、ですか。」

「ふ〜む。前回のファンタジックな世界観から一転、急に現実的問題だわねぇ。」

「あらゆる運命を救済するのが、救済士の仕事です。」

ディスティーナが水晶球に手をかざす。一人の女性の姿が、水晶の中に浮かび上がった。

「この水晶球のシーン、第一話以外書かれたことなかったわよね。」

「いきなり現場にいるか、話の流れでそのまま仕事になだれ込むか、どちらかでしたもんね。」

「まぁ、たまには書いた方がいいかもとは思ってたけどね〜。書かないと、ディスティーナ様の小説上での役割ってもんがなくなっちゃうし。」

「運命を司るすごい神様のはずなのに、小説では随分と出番が少ないですからね。作者もここに来て、その辺を考慮に入れたのかもしれませんね。」

「まぁ、私達が仕事始めちゃうとほとんど現れなくなるから、どっちにしろ出番は少ないんだけどね〜。」

「そんなストレートな…。ディスティーナ様のような出番の少ない方がいらっしゃるおかげで、私達が多く出番を貰えているんですから…。」

「あなたたち…わざとですか?」



…ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…



「わ!?わー!!嘘です嘘です!冗談ですー!!」

「す、少し悪乗りしてしまったようで、大変失礼いたしました。」



「…以後、気をつけなさい。」

「は、はい…。ふぅ…危なかった…。」

「あの、ゴゴゴゴゴゴ…も、久しぶりでしたね。久しぶりでも、やっぱり恐かった…。」

「…コホン。」

「…んんっ。」

緊張した面持ちで姿勢を正す二人。ディスティーナは満足気に頷くと、再び水晶球に向き直った。

「彼女は三階堂愛(さんかいどうあい)。局地的に熱狂的なファンを持つアイドルです。」

「局地的、って…。」

「ずいぶんと微妙な感じですね。…ということは、ストーカーはその熱狂的なファン達の中に?」

「おそらくは…。ファンという存在は、度を過ぎると狂信者に変わります。ほおっておけば、彼女にどんな危害が及ぶかわかりません。よろしくお願いします。」

「は〜い。」

「了解しました。」




「というわけでやって来たわけだけど…どうしよっか?」

「そうですね…常套手段としては、やはり彼女を陰から護衛して、怪しい動きをしている奴を彼女に近づけないようにする。…でしょうか?」

「…それって、私達もストーカーっぽくない?」

「私達は彼女を護る立場ですから、ストーカーじゃないでしょう。」

「いや、第三者から見たら、さ。ストーカー同士の足の引っ張り合いに見えないかなぁ?」

「そんなこと気にしなくてもいいと思いますが…。なら、フィーアはどうするのが良いと思うのですか?」

「そ〜ねぇ…堂々とボディーガードです!って名乗って、彼女をガード。とか。」

「…信用すると思いますか?見ず知らずの人間に、いきなりそんなこと言われて。」

「う〜ん、物事を少しでも考えるタイプなら、信用しないわね。」

「じゃあダメじゃないですか。」


…とかなんとか、話をしていると…


「……〜…♪〜…〜♪♪」

「んんっ!?なにやら鼻歌歌いながら歩いてくる女性が一人。」

「…彼女ですね。三階堂愛さん。」

「なんとも都合よく私達がいるところに現れたものね〜。」

「ディスティーナ様が、彼女の帰宅経路上に私達を送ってくれたからですよ。…それにしても不用心ですね。」

「確かに。局地的人気とはいえ、仮にもアイドルが、顔も隠さず独り歩き…。」

「まだ夕方ではありますが…。普通マネージャーが自宅まで送るものなんじゃないのでしょうか?」

「それは甘いわ、お二人さんっ!」

「うぉっ!?」

突然背後から飛び込んできた第三者の声に、思わず飛びのくフィーア。冷静なウィングも、目を丸くしている。

二人の背後に、いつの間にか一人の少女が立っていた。年齢はまだ十代半ばといったところだろうか。好奇心の塊です!と言わんばかりの大きな瞳が、爛々と輝いている。

「アイドル、と呼ばれる人種、全員にマネージャーがついていると思ったら大間違いなのよっ!」

「そ、そうなんだ。」

「でも、普通事務所に所属したら、専属ではなくとも、仕事を管理するマネージャーは付くものではないのですか?」

「そ〜こ〜が、甘いのよっ!お兄さんっ!」

「は、はぁ。」

「アイドル、と呼ばれている人種、全員が事務所に所属しているわけではないの!フリーで活動してるアイドルだっているのよ!」

「へ、へぇ…そうなんだ。」

「彼女、三階堂愛も、そんなフリーのアイドルの一人。自分で自分をプロデュースして、自分で自分の仕事を得る。いつの日か花開くために、地道に頑張っているのよっ!」

「は、はぁ…。…熱いわね〜。」

「あの、ところで、あなたは何者なんですか?」

「私は三階堂愛のストーカーですっ!」




…べごすっ!




「いったぁぁぁぁーーーーーーーいっ!!」

「ごめん。あまりにストレートな告白だったから、つい無言で殴っちゃったわ。」

「なによーーっ!あんた達だってストーカーなんでしょっ!?」

「なっ!!あんたと一緒にしないでよっ!」

「何言ってんのよ!彼女が帰宅に使う道にピンポイントで待ち伏せしてたくせにっ!」

「私達はストーカーじゃなくてボディーガードよっ!彼女をストーカーから護るためのっ!」

「ふんっ!他のストーカーはみんなそんな言い訳するのよっ!自分が彼女を護るんだ〜だから側にいる必要があるんだ〜…。キモいっつーの!ストーカーならストーカーだと素直に認めろってーの!」

「だぁーーーっ!ストーカーじゃないってーのにっっ!」

「フィーア。」

「何よっ!」

「三階堂さん、もう見えなくなっちゃいましたけど。」




「ああああああああっ!」

フィーアと少女が、同時に声を上げた。

「こ、こうしちゃいらんないわっ!早く後を追わなきゃっ!」

慌ただしく駆け出す少女。

「あっ!!ちょっと待ちなさいストーカーっ!!」

「…あっという間に見えなくなってしまいましたね。」

「感心してる場合じゃなくて!行くわよウィング!」

「そうですね。早いとこ、あのストーカー少女を追い掛けるとしましょう。」

「連休前のこの仕事。万が一しくじったりした日にゃあ、ディスティーナ様に連休取り上げられる、なんて、笑えないオチだって十分ありえる!気合い入れていくわよーーーーーっ!!」

「(ホントに連休大好きなんですね…)」

今まで見たことのないくらいの気合いを発しながら、道を突っ走っていくフィーア。その後を追いながら、ウィングは一つの疑問にぶつかっていた。

(彼女、言ってましたよね…他のストーカーがどうこう、って…。それはつまり、彼女の他にもストーカーがいる、ってことなんでしょうか?)

脳裏に走る、嫌な予感。もしかしたら今日の仕事は…

(長引く事になるかもしれませんね…。)

心の中で溜息をつきつつ、フィーアに遅れないように、ウィングは足を速めた。


今回はちょっと短め…私が書くと、だいたい前編って短めになってしまいます。…ペース配分が下手なようです、はい(^.^;)。後半も楽しみながら書いていきますo(^-^)o

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ