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ラジカライズアワー  作者: 九郎士郎
激流編
36/39

33# 1対300

お久しぶりです。いやーね。もうね。キャラ崩壊しつつあるラジカライズアワーですけどもね。もうそれこそやっちゃえー☆精神でやってます(笑)


でも、文章作法的におかしい所はジャンジャン言ってくださいましね。

 時折吹き付ける凍てつく風が木々をざわめかせる。俺はバリケードと化したトラックを背に、月明かりでうっすらと照らされる街道を眺めていた。

 ボルはと言うと焚き火の傍で他の傭兵達と酒を飲みながら盛り上がっている。俺はなんだかなぁーと思いながら、口の中で飴玉を転がす。


 焚き火の傍の傭兵達が惚けてる頃。俺は寝てしまおうかと思った矢先。目の前に『showtime!!』の文字が浮かんだ。俺はとっさに片目を瞑り、目線を街道の奥へ向ける。雲間の月明かりに照らされた街道、そこには影の様に蠢く群集があった。

 小刻みに揺れ始める地面がその群集の質量と狂気を告げる。


「来やがったな」

 とボルが大剣を手に俺と肩を並べる。

 先ほどまでのふやけた表情とは打って変わって、真剣な眼差しで遠くを見つめる。


「別に遊んでて良いんだぜ?」

 そう俺が軽口を叩くと、ボルは口角を上げ「独り占めはよくないってお袋さんに言われなかったか?」と金属製のヘルメットを被る。

 気が付けば、他の傭兵達もバリケード前に集まって来た。


「ありゃあ……東亜街の奴らだ」

 一人の傭兵が双眼鏡を覗きなが言う。それを機にいつの間にか居た傭兵達は散り散りに逃げて行った。

 残ったのは俺とボルを入れてたったの七人。


「アンタら逃げないの?」

 と俺が声をかけると、「この歳になるとジタバタしてもどうしようもねぇからな」「一応前金分くらい働かないとねぇ。ま、やばくなったら森に逃げ込むよ」と朗らかに微笑む傭兵のオジサンと気の良さそうな青年。



「東亜街ってのはそんなに恐ろしいのか?」


「恐ろしいっつーか、数が多いのと死を恐れないって言ったらわかるか?ヤツらはむしろ死ぬ事で誇りが守られると思ってるんだ」


「そいつは面倒くさそうだな」


 俺は向かって来る群衆にさほど気構えもせずに、ベオウルフと蛮族ブレードを抜き、両目を開く。


 パパパと後方でマシンガンの音が聞こえたが最後、駆け出したとたんに消える音。最早俺以外が止まった世界。

 なんか戦国時代の鎧武者みたいな装備の群集三百に突っ込む。


 遅いよ遅い。もう三百人も居るとターゲットマークが乱立してウザったい。俺のA.Tは完全に反則で理不尽で尚且つ防御不能だが。そんな事に躊躇するような優しさなんて持ち合わせちゃいない。ので、蛮族ブレードでブッ叩き。ベオウルフの超近距離発砲で蹂躙していく。

 どうせなら訳のわからない内に眠ってくれ。NPCだとしても恨まれたら気分悪い。



side:バラキ=テッショウ


「ん?何故止まった?オイ!」


「わかりませんが前線で混戦している模様で……」


「たかだか三十人程の奴らに止まるなと伝えい!」


「しかしこう暗くては」


「ならば焙烙を放ち当たりを燃やしてしまえ!」


「ハッ!」


 今日のためにサルバトーレファミリーから重火器三百丁仕入れたと言うのに……まあ乱戦ならば我が鉄甲衆に歩があるか。




side:鷹目のシュウ


「???」


 我は丘の上から、フォンドの護衛隊と鉄甲衆との激突を眺めておった。当初はものの数分で鉄甲衆に突破されて、それを追う様に追跡する算段だったが……。どうしたことか、なぜか三百もの鉄甲衆が圧されているではないか。


「訳がわからない」


 我は『鷹目』と呼ばれる程に目には絶対の自信がある。がそれをもってしても何故鉄甲衆がバタバタと倒れて行くのかがわからなかった。目を凝らせど鉄甲衆が『見えない敵』に踊り、そのまま倒れると言う奇妙な光景だけが広がっているのだ。


「(そんな馬鹿な話しがあるか!)」


 と自ら見ている光景に信じられなくなった。コレでは御屋形様にどう報告すれば良いのか……。

 我は埒が明かないと思い、近くまで行く事にしたのだった。



side:ボルフィード=ウォロック



「うおおおおおおおお!!!!」


「ぎゃ!ヴお!」


 俺の大剣バスターソードは一度で二、三人同時に吹き飛ばす。隠れれば銃弾を防ぐ盾となり一石二鳥だ。

 しかしあれよ。あれはなんなんだ?誰か説明してくれないか?この武者共が薙ぎ倒されてハリケーンが通った後の街みたいな状況は?



side end



「(必殺ダブルラリアッート!!)」

「(シャイニングウィザード!!)」

「(水面蹴り!かーらーのーバックドロップじゃーい!)」

 日本全国八千万の紳士淑女の皆々様!只今カイゾウこと榊改蔵は絶好調であります!絶光蝶ではありませんが言わせてもらいます!絶好調であると!もはやちぎっちゃ投げ状態が氾濫しております!言い換えればファイターズハイで楽しくなっておりますです!弾が尽きても手に余るほどの黒武者が俺を襲ってきます!ヒャッハーっ!!状態とはこの事ですね!どこぞの世紀末覇王ですかあーーっ!!それは俺の事だぁーーー!!

 そんな感じで黒武者をなぎ倒してたら、なんか知らんけど最後尾まで突き抜けてしまったのよ。そこの馬に乗ってる一際偉そうな人の首もとにブレード擦り付けたらさ。案の定ドン!っつって『DESTROY!』A.Tが解けたわけだ。

 三百人は流石に疲れたらしく、目がジンジンする。黒武者共を見ると相変わらずの地獄絵図だったけど、なかには無傷と思われる者も残っている。でもさっき『DESTROY!』ってなったよね?あれ?


「貴様……何者だ?」


 おかしいな。戦闘不能にならないとA.Tは解けないはずなんだけど?そう思って黒武者達を見回すと、なんか腰を抜かしる。


「おい!聞いてるのか!」


 ああそうか!戦う気が無くなれば”戦闘不能“とみなされるのか!ほほーこれは良いことを思い付いたなぁ。

 そこで俺は騎馬武者に振り落とされた。

 もちろん、華麗に着地したが。

 見るからに激昂している偉そうな髭の騎馬武者は槍を俺に突き付けた。


「貴様は誰で!一体何をしたぁぁぁあ!!」


「?何ってね。お宅さ、それが人にモノを訊ねる態度なの?それにさ、この時代に馬とか槍ってどうなのよ?」


 騎馬武者の男は辺りの凄惨な状況に目を白黒させながら、槍を引き、馬から下りた。そして、その場で正座する。


「俺はバラキ=テッショウ、これはお前一人でやったんだな?」


「そうだ」


「名前を伺いたい」


「改蔵」


「カイゾウ……覚えておこう。此度の戦は我々の負けだ。生き残った者達を国元に帰してやってはくれんか?その代わり俺の首を差し出そう」


「首?いらねぇよそんなの。帰るんならサッサと帰れ」


「くっ!俺を侮辱するのか!」


「はぁ?わけのわからんことを。こっちが侮辱する理由がない」


「俺を生かすと後々後悔する事になるぞ!」


「ふーん。まあ暇つぶしになるからまた来なよ」


「暇つぶっ!!!くそお!覚えていろ!!」


 そうして、バラキナントカさんは死人を埋めて、怪我人を含めて二百余名連れて来た道を戻っていった。


「ふう」


 とそれを見送っていると、ボルが傍らによって来た。


「カイゾウ、お前さ……無事なのか?」


「いや、無事じゃねぇな」


「なに!どこか撃たれたのか?!」


 ボルが前のめりになった所で、俺はボロボロのコートの裾を持ち上げた。


「ああ、コートが重傷だ」


 そうして、ボルにニヤリと笑いかけ、俺達二人は酒盛りでもするかと笑い会った。



side:鷹目のシュウ


「鉄甲衆……敗北」


 結果だけを見れば予想通りであった。事飛び道具に関しては、我が国東亜街は他の街とは歴然とした差があるとわかっていたからだ。しかし、この過程は遥かに常軌を逸していた。

 そう、たった七人に対銃兵装の武者達が薙ぎ倒されるなんて……。特にあの二人にはっ……。

 我は街道に立つ、二人の背中を見ていた。

 片方は恐らくヴァンガード兵で、あのバスターソードから特別急襲部隊(ブリッツ)であることがわかるが。もう一人はなんだ?いつからそこにいた?

 恐らく薙ぎ倒された原因はあの”赤い奴“に違いない。が、それだけでは報告書に纏める事が出来ない。『鉄甲衆が負けた原因』が全くの不明だからだ。

 我はこれまでこの様に報告に困る事案に当たった事はなかった。むしろそれ故に御屋形様に信頼されてきた。

 『わかりません』では帰れない。

 そう意を決して茂みから飛び出すのであった。


side end



side:ボルフィード=ウォロック


ガザッ


 その音に俺が振り向くと、風の様なモノが脇をすり抜けて、次の瞬間に耳元で「ガキン!」と言う金属音が響いていた。


「なにか用かい?お嬢さん」


 カイゾウはいつの間にかブレードを抜き、その刺客の短刀と競り合っていた。


「何故……女だと……?!」


「何故って?勘かな?」


「ふざけるなぁ!!」


 その黒装束で身を固め、額の鉢金を煌めかせた刺客はカイゾウと距離を取った。

 刺客は前傾姿勢で逆手に短刀を構えて、カイゾウの出方を見る。

 逆にカイゾウはこれと言って構えず、ブレードをプラプラさせている。


「どうやって鉄甲衆を倒した?」


「どうって、殴ったり撃ったり?」


「ふん!信じられぬ!ならば我を倒して見るがいい!」


 その瞬間。俺はまばたきなどけっしてしていないが、カイゾウが消えた。

 そして何故か刺客が持っていた短刀を持ち、カイゾウが刺客を羽交い締めにしているではないか。まるでフィルムの飛んだ映画みたいだった。


「!?こんな!」


「ハイハイ。こんな危ないモノはしまっとこうね」


 そして、次の瞬間には刺客は縛られて転がっていたのだ。


「すげぇ……」


 俺は思わず唸ってしまった。カイゾウは縛られた刺客の覆面を剥ぐ。それがまた結構美人だったんだよ。


「わからない……どうして貴様にはその様なことが……死ぬしかない」


「死ぬ死ぬってアンタら東亜街の人はなんなんだよ?もうさ、死ぬとか言うのやめない?」


「辱めをうけるくらいならば、この舌噛み切って、ぐうっ!」


 カイゾウは刺客の女に舌を噛み切らせないために、猿ぐつわを噛ませた。

 しかし女は抵抗する。


「どうすりゃ……そうだ!」


 カイゾウはそう言うと、左手のグローブを取って女の頬に当てる。何をしているのか全く理解出来なかったが、何故か女は大人しくなっていく。


「う……くっ………ぐうっう?!ぃい??」


 大人しくなっている……のか?なんか顔が上気してる様な。呻き方がなんか卑猥な……?


 その後完全に脱力した刺客は縄を解かれた後も、フラフラと方向が定まらない様に、茂みに入っていった。


「逃がしてよかったのか?」


「なんだ、ボルはああ言うのが好みか?」


「アホゥ!そう言う意味じゃねーよ!」


「まあ、俺が強いって事が伝われば簡単に攻めて来ないだろう?」


「なるほど、しかしなぁ……俺ぁ、お前が何者なのかよくわからない時があるよ」


「何者ってただの便利屋だぜ?」


 そのカイゾウの不敵な笑みに、詮索するのも馬鹿らしくなる。

 俺は”敵に回したくない“と心からそう思った───。




サムライ?ノウ!シノービ?ノウ!アサーシン?ノウ!KUNOICHI!!


(・д・)ハッ!夢か!


次回へのヒント:陰謀と濡れ衣!


お楽しみに!

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