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Chapter9重装甲ドロイドとの激闘

ジェイ・カーターは階段を駆け上がり、二階の廊下へ慎重に足を踏み入れた。

フュージョン・フラックス・マシンガンを構え、周囲を素早くスキャンする。

煙と火花が漂う中、柱の陰にターヘル・アナトミアの姿を見つけた。

「ターヘル!」 ジェイは即座に駆け寄り、柱の陰に身を隠す。


ターヘルの脇腹――新型アーマーが裂け、血とオイルが混じって流れ出していた。

「ひどい傷だ……今すぐここから出るぞ!」 

ターヘルはジェイの肩を強く掴み、痛みを堪えてゆっくりと立ち上がる。

「……ディネックス大佐を捕まえずには、ここを去らない」

ジェイは彼女の腰に手を回し、傷口を押さえながら支えた。

「わかった。一緒に捕まえる」 


その時、上階――三階から重い足音が響いてきた。

金属が床を叩く、規則正しい振動。

ジェイは即座にターヘルを背後に庇い、マシンガンを廊下奥へ向ける。

「後ろに下がれ!」 


闇の中から、ゆっくりと二つの巨大な影が現れた。

全高3メートルを超える重装甲ドロイド――ダロッチ313型。

肩にシングルロード・レーザーキャノンを搭載し、両腕にはプラズマブレードが収納されている。

赤い光学センサーが、冷たく二人を捉えた。

挿絵(By みてみん)

ターヘルはガトリングライフルを操作し、弾倉を切り替える。

非殺傷弾から、徹甲弾へ。

彼女はジェイの肩を軽く叩き、手信号を送った。

――私に任せて。

ジェイは一瞬だけ彼女を見て、頷いた。

そして、躊躇なく引き金を絞る。

青白いエネルギー弾の連射が廊下を埋め尽くし、二体のダロッチの注意を完全に引きつけた。

重装甲が弾を受け、火花を散らすが、ダロッチはびくともしない。


その隙に、ターヘルは柱から離れ、左側のダロッチへ向けて低姿勢で疾走した。

ダロッチが反応し、肩のレーザーキャノンが回転。

赤い照準がターヘルを捉え、発射。

高エネルギーのレーザー弾が、彼女のいた場所を焼き焦がす。


だが、ターヘルはすでに横の壁へと跳んでいた。

壁を蹴り、斜めに走る。

重力に逆らうような動きで、ダロッチとの距離を一気に詰める。

空中でライフルを構え、頭部のセンサー部を正確に狙撃。

引き金を絞る。

徹甲弾が轟音とともに放たれ、ダロッチの頭部装甲を貫通。

内部回路が爆発し、巨体が膝をついた。

火花を散らしながら、ダロッチがゆっくりと倒れていく。


残る一体が、ジェイからターヘルへ砲口を向け直す。

だが、ターヘルはすでに着地し、次の行動に移っていた。

ジェイが再び連射で注意を引き、二人で残るダロッチを挟み撃ちにする態勢へ。

傷を押さえながらも、ターヘルの瞳は揺るぎない決意に満ちていた。

――ディネックス大佐は、もうすぐそこだ。


一発で左側のダロッチの頭部を粉砕したターヘルは、着地と同時にライフルを振り、残る一体の腰部装甲に銃口を突きつけた。

引き金を絞る――その直前。

ダロッチの巨大な手が閃き、ガトリングライフルを強烈に弾き飛ばす。

続けて、冷たい金属の指がターヘルの顔を鷲掴みにした。

「っ……!」 

頭を締め上げられ、視界が歪む。

ターヘルの足が地面から浮き、装甲が軋む音が響く。


その瞬間

――ジェイが疾風のように駆け寄り、全身の力を込めた拳をダロッチの胸部装甲に叩き込んだ。

金属を貫く重い衝撃。

ジェイの右腕が、肘まで埋まるほど深くめり込み、内部の回路とコアを一瞬で握り潰す。

火花が散り、ダロッチの光学センサーが激しく明滅した。


ターヘルを掴んでいた手が緩み、彼女の身体が解放される。

ジェイは無言でダロッチの胴体を掴み、残った力を込めて横に振り回した。

巨体が壁を突き破り、隣の部屋まで吹き飛び、床に激突して完全に機能を停止した。


ジェイは腕に付着した黒いオイルを振り払い、ターヘルを見下ろす。

言葉はない。ただ、静かな視線

――――立て。

ターヘルは歯を食いしばり、脇腹の傷を押さえながら立ち上がった。

ライフルを拾い上げ、再び先頭に立つ。

ジェイがその横に並び、二人は無言で階段を上り始めた。

フロアを一つずつクリアしながら、ジェイはコミュニケーターを起動。

「ニキ、20階で合流だ」

――了解!

通信の向こうで、ニキの声が力強く返る。

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