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Chapter21エピローグ

――格納庫ベイ。

ジェイ・カーターは、シンプルなダッフルバッグを肩にかけ、SCアリーズのタラップへ向かっていた。

背後から、静かな声。

「……行くのね」

振り返ると、そこに立っていたのは白いドレスを纏ったターヘル・アナトミア。

普段の戦闘服とは違う、柔らかな装いが、彼女をより女性らしく見せていた。

ジェイは小さく頷いた。

「ああ」

バッグを持ち直し、歩き出そうとする。

ターヘルは一歩前に出て、ジェイの胸にそっと抱きついた。

「……ありがとう」

「あなたのおかげで、家族の仇を討てた」

ジェイは一瞬固まったが、ゆっくりと彼女を抱き返した。

温かく、静かな抱擁。

挿絵(By みてみん)

やがて二人が離れると、格納庫に慌てた足音が響いた。

ニキが息を切らして駆け込み、ジェイの姿を見つけると、迷わず飛びついた。

どたっ!ジェイが地面に倒れ込み、ニキが上から強く抱きしめる。

「行かないで!! お願い、ジェイ隊長!!」

ニキの声が、涙で震えていた。

ターヘルがそっとニキを引き離す。

ジェイが立ち上がると、柱の陰からルゥちゃんが恐る恐る顔を覗かせていた。

「……ジェイさん、本当に……辞めちゃうの?」

ジェイはバッグを下ろし、ルゥちゃんを手招きした。

ルゥちゃんが近づくと、涙を堪えきれずに零れる。

ジェイはポケットから、四つの銀のネックレスを取り出した。

シンプルなプレートに、龍の頭蓋骨の小さな刻印。

「これは……俺の古い部隊のものだ」

一人ずつ、ターヘル、ニキ、ラキ(医療室から駆けつけた)、ルゥちゃんへ手渡す。

最後に、ターヘルのネックレスを掛けながら、ジェイは静かに尋ねた。

「……お前の息子の名前は?」

ターヘルはネックレスを握りしめ、穏やかに微笑んだ。

「……ジェイミー・アナトミア」

ジェイは目を細め、優しく頷いた。

「覚えておくよ。ジェイミー・アナトミア……いい名前だ」


彼はバッグを肩にかけ直し、アリーズのタラップへ歩み出す。

振り返らず、しかし確かな声で告げた。

「みんな……ありがとう」

「ウォー・エンジェルスは、お前たちで十分だ」

エンジンが低く唸り、SCアリーズがゆっくりと離陸していく。四人は並んでそれを見送った。

ニキは涙を拭い、ネックレスを握りしめる。

ターヘルは静かに微笑み、空を見上げた。

ラキとルゥちゃんも、ネックレスを胸に押し当てた。

ジェイの乗った機体が、朝焼けの空へ溶け込んでいく。



SCアリーズはインファーナル本部を飛び立ち、フロンティア地帯のブロンクス・チェンへと向かった。

ジェイの手首のコミュニケーターが起動し、オスカー・フォックス大尉のホログラムが現れた。

「任務完了です。アンダーワールドの三人の軍閥はすべて破壊しました」

フォックス大尉の無表情な顔は変わらなかったが、ジェイの任務完了に小さく頷いた。

「よくやった」

フォックス大尉は、ブロンクス・チェン北部国境で問題を起こしている軍閥の写真を送信した。

ジェイはその顔を見て、古い友人の一人だと気づき、小さくため息をついた。

「平和を守る仕事は、終わらないらしいな……」

窓の外を見つめながら、ターヘルの笑顔が胸に温かなものを残した。

「……もう、彼女に会うことはないだろうな」

ジェイはフラックス・マシンガンを取り出し、世界で最も危険な国の一つへの片道切符に備え始めた。


To be continued…

次回作「ウルトラ・プライム ウォーエンジェル・レザレクション」をお楽しみに!!

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