↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
1/21

Chapter1息子と夫のため

オナルムス市では、ギャング同士の抗争が市内全域で爆発的に広がっていた。

フォーセイクンズとアイボリー・ヴァルチャー・カンパニーが激しく衝突しているのだ。


無垢な市民たちは命からがら逃げ惑う中

フォーセイクンズは重プラズマガンを建物に向けて乱射し、数多くの一般人を殺害していた。

一方のアイボリー・ヴァルチャー・カンパニーはフュージョンキャノンで反撃し

フォーセイクンズのLWSSウルヴァリンを次々と撃ち落としていく。


965フラックス・タワーの頂上では、金髪の女性が怒りと決意に満ちた瞳でアンチタンク・ガトリングライフルを装填した。

彼女は躊躇なくタワーから飛び降り、空中でLWSSウルヴァリンに照準を合わせ、引き金を絞る。

轟音とともにウルヴァリンが爆発し、炎を纏った残骸が街路へと落下していく。


アイボリー・ヴァルチャー・カンパニーのメンバーたちは呆然として空を見上げた。

金髪の女性――ターヘル・アナトミアは、優雅に着地すると、両ギャングの前に立ちはだかった。

瞬時にアンチタンク・ガトリングライフルを掃射し、敵の隊列を次々と粉砕していく。


彼女が両勢力を相手に猛攻を続ける中、通信機から上司の声が響いた。

「ターヘル・アナトミア! ギャングとの交戦は命じていない!」

しかしターヘルは返事をせず、攻撃の手を緩めなかった。

インファーナル本部では、司令官のトーマス・ブルックスが苛立ちを抑えきれず拳を机に叩きつける。

「我が隊で最強の二人を派遣しろ。ギャングを片付け、同時にターヘルを本部へ連れ戻せ!」

挿絵(By みてみん)

そのころオナルムス市では

ターヘル・アナトミアは、残るアイボリー・ヴァルチャーとフォーセイクンズの構成員を容赦なく仕留めていく。

アンチタンク・ガトリングライフルを連射しながら、彼女は静かに呟いた。


「これは……私の息子と夫のためよ」


巨大な足音が響き渡り、ターヘルは警戒した。

闇の中から、巨大な影が現れる。

彼女が顔を上げると、そこにはキースボット・プライムが立っていた。

融合キャノンをこちらに向け、照準を合わせている。


決意の瞳を輝かせたターヘルは、即座にキースボット・プライムへ突進しながら、ガトリングライフルを連射した。

キャノンの砲口を狙い、弾丸を叩き込む。

キースボット・プライムは巨大な手を振り上げ、全力で彼女を押し潰そうとする。

ターヘルは素早く横に跳び、足元へスタンダード・プロトン・グレネードを投げつけた。

爆発が巻き起こり、敵はバランスを崩して地面に倒れ込む。

ターヘルは倒れた隙を逃さず、顔面へ向けてガトリングライフルを浴びせ続ける。


するとキースボット・プライムはガントレットを開き、フラッシュバンを発射。

強烈な閃光がターヘルの顔面を直撃し、視界を奪った。

ターヘルは両手で顔を覆い、必死に視界を取り戻そうともがく。

キースボットは再び融合キャノンを構え、今度こそ発射態勢に入る。


その時空からエンジン音が響いた。

派遣の高速艇STSアレクサンドリアだ。

「ターヘル・アナトミアは援護が必要みたいだな!」

側面ハッチが開き、インファーナル本部屈指の格闘戦士が飛び出した。

ターヘルは迫る死を覚悟していた。

しかし次の瞬間――

鋭い斧のような蹴りの音が響く。

目を向けると、そこにはパンサー中隊の隊員がいた。

「ニキ……? どうしてここに!」

ニキは返事の代わりに、倒立からの回転蹴りを繰り出し、融合キャノンを粉々に破壊する。

「助けに来たのよ、ターヘル・アナトミア!」

ニキはキースボット・プライムを睨みつけ、迷わず突進していった。


STSアレクサンドリアがターヘルの背後へ着陸すると、ドアからニキの姉のラキが飛び出してきた。

「ターヘル・アナトミア!!!」

ターヘルが振り返ると、ラキはすでにバキューム・ドライブ・ジェルを起動させていた。

「腕を直してあげる!」

ターヘルは素直に腕を差し出し、ラキに治療を任せる。

「司令官は一人で動かないでって言ったのに! 奴らと同時に戦うなんて!」

ターヘルは口元に溜まった血を吐き捨て、再び戦場へ視線を戻した。

挿絵(By みてみん)

その頃、ニキはゴーストのような動きでキースボット・プライムのミサイルの弾幕をかわしていた。

肩の上に跳び乗り、中段蹴りでミサイルショルダーキャノンを破壊。

キースボットは反対の手で叩き潰そうとするが、ニキは肩から飛び降り、落下肘打ちでその右手も粉砕する。

怒ったキースボットは融合キャノンを構える。

照準を合わせ、今まさに発射しようとしたその瞬間――


「よし、腕の修理完了よ、ターヘル!」

「ありがとう、ラキ!」

ターヘルは素早くガトリングライフルを手に取り、融合キャノンへ正確に狙いを定める。

そして引き金を絞った。

放たれたアンチタンク弾はニキの頭すれすれを通過し、キャノンの中心を直撃。

轟音とともに融合キャノンが爆発し、キースボットの左腕が木っ端微塵に吹き飛んだ。

「助かったよ、ターヘル!」

「まだ礼を言うのは早いわ、ニキ!」


二人は同時にキースボットを見据え、互いに頷くと――

同時にとどめを刺すべく、猛然と突進していった。


ターヘルはガトリングライフルを連射し、キースボットの胸部装甲を次々と貫いた。

弾丸が集中した箇所に、明らかな弱点が生まれる。


「今よ、ニキ! とどめを!」

ニキは即座に反応し、キースボットの胸の中心へ突進した。

ロケットレッグを起動させ、地面を蹴る。

空中高く跳躍したニキは、全身の力を込めた残虐なフライングニーを弱点に叩き込む。

轟音とともに、コアが粉砕された。

キースボットの両眼が光を失い、巨体が地響きを立てて崩れ落ちる。


ニキは長い青い髪と顔に飛び散ったオイルを拭いながら、ターヘルのもとへ駆け寄り、強く抱きしめた。

「一人で戦っちゃダメだよ!」

だがターヘルは静かにその腕を振り解き、無言でSTSアレクサンドリアの方へ歩き出す。


ラキとニキは、そんな彼女の背中を見つめていた。

二人の姉妹にははっきりとわかった。

ターヘルが、暗い道へと踏み込もうとしていることが。

「ねえ、ニキ……本当にこの街を片付けたら、ターヘルは心の平穏を取り戻せると思う?」

「そう願うしかないわ、ラキ姉……」

二人は急いで後を追い、STSアレクサンドリアに乗り込んだ。


ターヘルは操縦席に座ると、ガトリングライフルを脇の小さなテーブルに置く。

ポケットからネックレスを取り出し、そっと開いた。

中には、家族の写真――夫と息子の笑顔が収められている。

写真を見つめるターヘルの頰を、静かに涙が伝った。

「ごめんね……あなたたちを守れなくて……」

小さな声で呟く。

組織間の抗争で、夫と息子を奪われたあの日の記憶が蘇る。

金属の身体が震え始め、悲しみに満ちていた瞳が、徐々に激しい怒りに変わっていく。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。