風来坊って言ってたけど手羽先じゃないぞ?
霙は渋々帰って行きました。
彼奴何しに来たんだろう?
謎です。全くもって謎です。
目を覚ましたジルは、林檎の折れた枝の処に行き部分時間魔法を展開して、枝を太くガッチリした枝に成長させました。
「すごーい(棒読み)」
高度な技術です。
本人はまだまだと言ってますが、これが凄くて何が凄くないのでしょうか?
「昔、始姐族の最後の1人が使っていたマスケット銃。あれが欲しい。」
なんと言うことでしょう!
欲しい物をあまり言わないジルが欲しいと、凄い事です。
手に入れる方法を考えてるそうです。
東屋で温かい紅茶を飲みます。
だいぶ寒くなって来ました。
「もうすぐ冬ですね。万年雪の婆さんはこちらも雪を沢山降らすと言っていたけど備蓄は足りてる?」
「秋の内に牛丸々2頭分買いして、乾燥させて昨日肉を拳ぐらいの大きさに切ったじゃん。もう忘れていたのかホムラ?」
「そんな事ないよ」
「塩、胡椒、色んなスパイスを買って来たではないか」
ロートがハハハと笑う。
東屋に響く笑い声が曇天の空に広がった。
◇
猫人族。
猫耳が生えた人ではなく、二足歩行で歩く猫を猫人族という。
その柔軟な身体に忍者になる者もいたが、まれに剣士になる者もいる。
どうやって剣を握るのかだって?
そんなのファンタジーだから何でもありだな。と言うのは冗談で、ちゃんと五本指がありますよ。
ちなみに語尾に「にゃ」をつけるが、猫人族の共通言語らしい(一部で)。
詳しい事は知らんけど
その猫人族がどうした?って、
来たんだよ。ジル、ホムラ、ロート、ネロの元に。
風来坊って言ってたけど手羽先じゃないぞ?
あっは今、涎を啜ったな。
分かるよ~。美味しいもんね。
違う。違う。ご飯の話は後でしよう。剣を持って道場破り?って思ったけど、ジルもホムラもロートもスルーしていたよ。
特にジルとホムラは、何か壁があるのか見えないシールドで全く持って会話が成立しない。
何で俺だけって思ったけど、俺の里は猫人族の物々交換的な事してて話している内容が分かったんだ。
「それで、彼は何と?」
「困っている事はないか?三食で請け負うって」
「今は………無いかな。」
その事を伝えたら「もう一週間も食べてないのです。」って泣きつかれたな辺りはしらけたよ。普通貯金しとくじゃん。どうやら詐欺にあい一文無しに………辛いわ。
ホムラからは「共通語喋れ!」って怒られていたわ。
「今まで旅をしてきたのだ共通語ぐらい話せるのだろう?」
ジルの機転で猫人族はモゴモゴして共通語話していたよ。無理があるんだよな~
俺?そ、そうだよ。は、初めっから分かっていたよ




