防御魔法と攻撃魔法
始姐の砲弾で王都の半分が瓦礫の山となった。
復興するには1年以上かかるだろう。
だが、今の国王なら直ぐに直すだろう。
これから自警の事もメスが入り解体されるだろう。
「で、何で俺達が復興の支援をしているんだ?」
ジルが魔法を繰り広げ、瓦礫が沢山浮く。
「仕方がありません。運搬魔法を使える者が数が少ないので」
ホムラも魔法を使い瓦礫を浮かせる。
「でもさ、運搬魔法何て初級じゃん。習わんのか?」
ネロが浮かせた瓦礫を荷台に乗せる。
「習わないじゃないのか?我達は手軽に使っているけど」
ロートも浮かせた瓦礫を荷台に乗せた。
ジル、ホムラ、ロート、ネロはブツブツ文句を言いながら広範囲の運搬魔法を使う。
冒険者ギルドからアルバイト代が出るからやっているだけ。
王都の復興?、無償でやって?、どうする?、ただ働きなんて嫌。バイト代は出ないのか?
で、一悶着があり、急遽、バイト代が出ることになった。
しかも1人金貨5枚。
王都の復興なんて興味が無い。必要な調味料は破壊される前に買っていたから、いつでも帰れるのにギルドマスターから運搬魔法が使えるか聞いてきたので「まぁ、一応」と答えたら頼む、手伝ってくれと頭を下げて来た。
嫌がっていたら「バイト代は出す!」の一言で、ネロが即okを出して今は、運搬魔法で瓦礫を荷台に乗せている。
「処で、彼奴らは?」
ジルの言う彼奴らは、土方、沖田、永倉、原田、山崎、斎藤の事だ。
森で見失ってから会ってない。
何処に居るのか、何で始姐族の事を知っているのか、聞きたいことが山程ある。
「運搬魔法だ」
「初めて見た」
何処から聞こえてくる声に少々嫌な気分になる。
「見せ物じゃねぇーぞ!」
ロートの声のトーンが一段下がり、回りの人はビクリと肩を揺らしそそくさと足早に通りすぎる。
近づいて来た1人の女性と執事。
「それは、運搬魔法ですね。」
着飾った女性が声をかけるが、ジル、ホムラ、ロート、ネロは、自分達じゃないと思い込み無視をする。
「聞こえてますの?」
それでもジル達は違うと思っている。
遠くからたったったと足音がして、全員が振り向くと走ってきたのは、ギルドマスターだった。
「どうかされましたか?」
「私の話を無視するのです。良くないとこですわ。」
唇を尖らせ頬を膨らませる。
「なぁ、オバサン。」
ネロが言うと、女性は怒る。怒る。
それはもうヒステリックに
「誰がオバサンよ!私は、32歳よ!」
(((((あっ。自分で言っちゃうんだ)))))
呆れるジル、ホムラ、ロート、ネロ。
念話でロートとネロが話し出す。
その間もジルとホムラは瓦礫を運搬魔法で浮かせて荷台に乗せている
「(どうみても30代じゃ無いだろ?)」
「(40代だと思うが?)」
「何よ?何黙ってんのよ!」
ヒステリックに叫ぶ女性は持っていた扇子をネロに向かって振り上げて、振り下ろした。
大きな音を立てて扇子が折れる。
ジルの防御魔法。
拳大の瓦礫がヒステリック女の顔、身体に当たり、鼻が折れ、鼻血が出て頬は赤く腫れ上がる。
ホムラの攻撃魔法。
「2人ともやりすぎだ!」
慌てて仲裁に入るギルドマスターだった。




