頑張れよ
外に出ようとして足を止めたジル。
それに続いて止まるホムラ、ロート、ネロに土方、沖田、永倉、原田、山崎。
「どうしたんだ?」
何故行かない?と不満たらたらの顔でロート、ネロの間を割って表に出ようとした原田の襟を掴むジル。
「なっ!?」
「しっ!。………死にたいならそのまま1人で出ればいいが、どうする?」
扉の隙間から外を見る原田は絶句した。
そこには、黒いブヨブヨとした物が肌色や緑色や青色にいろんな色に変わりが脈打つ臓器のようになっている。
何でも取り込もうとする触手に身体を巻き付かれて肉の海の中に消えていく女性。
助けてー!!っと叫ぶが誰も助けてない。
いや助けられない。
「上に上がろう」
小声で言うとホムラ、ロート、ネロは頷き来た道を戻る。
ただならぬ雰囲気を感じた新撰組達も来た道を戻り先程の部屋を通り越して出窓の窓ガラスを開ける。
「飛び移れるかな?」
隣の部屋は運良く窓が開いてる。
「貴方達はどうしますか?」
ホムラが新撰組の面々に聞く。
一緒に来るか、それとも自分達だけであの触手を掻い潜り脱出するか、時間は残ってない。迷う猶予が無い中、土方は、
「共に行く」
「土方さん!!」
「俺達だけじゃ無理だな。あの中を掻い潜り脱出するのは」
「いい判断だ。長生きするぞ?」
話を聞いていたジルはフンと鼻で笑い土方の判断力を褒めた。
扉を開けられない様にタンスで重しにして隣の部屋に移る。
移ったらすぐに屋上に行く階段を見つけようとするが無い。屋根裏部屋に繋がる階段すらないのだ。
「ロート」
「はーい」
短く名前を言うとロートは笑い、不意に真面目な顔をして拳を突き上げた。
ドゴン!と大きな音がしたら屋根にポッカリと大きな穴が空いてる。
「また、つまらぬ物を殴ってしまった」
格好良く言うロートにジルは、「ハイハイハイ」と切って捨てた。
「もうちょっと褒めてくれてもいいのに」
ボソボソ呟くロートにジルが振り向きロートの胸ぐらを掴んで頭なぜなぜする。
とろけた顔をするロート。
いいな~って顔をして横にいるホムラをチラリと見て頭をグリグリと押し付けるネロに対してホムラは、ペシンと叩いた。
「上に登るよ」
ジルの声にポッカリ空いた穴を見上げる新撰組達は、ベキベキと割れる音で振り返る。
そこにはあの触手が扉の隙間から姿を現していた。
「やベーな」
佐之助が、真面目に言う。
「跳躍できるよな?」
その場で跳び跳ねるが、ものの10センチしか跳べない土方、沖田、永倉、原田、山崎に対して「マジか」と顔をするジル、ホムラ、ロート、ネロは、冒険者だから出来て当たり前と思っていた。
「な、なんだよ?」
「跳べないんだ…全員…」
思ったよりダメージが強いジルにホムラが全員集合と号令をかける
わらわらとジルの前に集まるホムラ、ロート、ネロは片手を出して
「うーらーおもてくーみーづくりぎっちゃんぽ」
ジル、ホムラ、ロートが表。ネロは裏だった。
「じゃ、ネロが2人運んで、後は、各1人づつね」
飛び移る前の部屋に触手が内臓の様に脈をつちタンスを押し出す。
「戻ってこい!ジル。」
ロートが、ゴツンとジルの頭に拳骨を落とす。
「いった~!」
頭を抱えてしゃがみ、フーフーと息をするジル。
涙目である。
「戻って来たけど、ジルは誰と組む?」
「ロート」
違う。違う。と言いもう一度、要点だけまとめて話す。
「じゃ、リーダーで」
とジルが言うと土方の腰に手を回して荷物の様に抱える様に跳躍した。
「早いですね。じゃ、僕も永倉さん」
ホムラも永倉の腰に手を回して荷物の様に抱える様に跳躍した。
「じゃ、斎藤」
ロートも斎藤の腰に手を回して荷物の様に抱える様に跳躍した。
「最後だな。えーとあんちゃん達、行くぞ」
両脇に山崎と原田抱えてネロは、フローリングの床を蹴って屋根に飛び移る。
「屋根から屋根へ飛び移れるよな?」
ネロが、馬鹿にしたように笑いながら言う。
山崎は簡単にこなせるだろう。
問題は沖田だ。
走ったりすると咳が出る。誰かに担いでもらいたいと顔をするが、ジル、ホムラ、ロート、ネロは何で俺達を見るんだ?と顔をしている。
「走れる処まで走って。」
それからはブヨブヨとの距離を取るために走る。走る。
屋根の上を飛び移り触手が届かない処まで逃げて、振り返る。
最後に見たのは隣の部屋に足止め用と置かれたタンスが窓を突き破って触手の波が押し押せて来たのを隣の家の屋根から見ていた。
ここにおれば危険だと判断して、ジル、ホムラ、ロート、ネロ、土方、沖田、永倉、原田、山崎、斎藤は、後に続く。
[う、う、うわぁぁぁぁ~~~!]
触手の本体が顔を上げた。
大きくなった顔に紫色をしている舌を見せながら吠える。
遠く離れていても分かる。
顔の肉が重力に負けて流れる様にどろどろした水飴の様に流れ落ち、それが触手の様に噛んだガムを服に強く擦り付けた様に広がる。
大きな顔には、人の指、足がちぎれてい誰のか分からない。
[た、助けて~~~!]
自分意思とは関係無しに取り込んで行く身体。
身体を貫く光の線が次々と溢れだし内臓がはじけオレンジ色の体液が出て来る。
[ギャャャャーーー!!]
遠くに離れていても声が聞こえる。
「あんた達冒険者ギルドは登録済みか?」
ジルが、土方に話を振った。
「ああ、昨日取ったばかりだEランクだ」
土方が言うと「そうか」と言って微笑を浮かべながらジルは、「頑張れよ」と言った。
「とりあえず、冒険者ギルドの方に向かう」
ジルが言い、それに続くホムラ、ロート、ネロと土方、沖田、永倉、原田、山崎、斎藤は、屋根をの上を走る。渡れない処は、先程のチームに別れて飛び移る。
「すまんな」
申し訳無さそうに言う土方にジルは、無言を貫いた。
3階の屋根から飛び降りるジル、ホムラ、ロート、ネロと荷物の様に抱えて降りる新撰組達。
「「「「「ギャャャャ!!」」」」」
叫び声に顔をしかめるジル達。
「マジ、静かにしてくんない?奴に気付かれる」
小声で言うと口に手を宛てる土方、沖田、永倉、原田、山崎、斎藤。
「今さら遅いんだけど?」
大通りは人で大渋滞。出口に荷車が挟まり動かない。
「何をしている早く動かせ!」
「無理です。置いておきましょう!」
そんなやり取りを聞いてジル、ホムラ、ロート、ネロは頷き、また土方達を抱えて屋根の上に跳躍して屋根に飛び移ると肩に担いで走り出した。
「「「「「ギャャャャ!!」」」」」
叫び声を無視して城壁の上を走る。
途中の兵士が「何奴」と言うが、ジルが飛んで膝蹴りが顔面に当たり兵士は伸びる。
それを見ていたホムラ、ロート、ネロもジルを止めることなく「成る程~。そうするのか~」何て言うもんで、ジル、ホムラ、ロート、ネロが通った道は兵士が伸びていた。
ちなみに土方が、ジルに「兵士の力量は?」と聞くと「弱い」と切り捨てられた。
冒険者ギルドについて担いでいた土方達を下ろす。
小路から大通りに出ても人でごった返し。
我先に殺到する冒険者ギルドの入り口を見て、早々に無理と判断したジルとホムラ
ロートとネロは来た道を戻り裏道から抜け道を通りまるで秘密基地に行く道のりで王都を出た。
◇◇◇◇◇
『主砲発射用意~!』
始姐の声で戦艦大和と武蔵の主砲が動く。
『了解!』
形だけのパネル操作をするジェラルド。
『敵の位置と距離を確認後、魔法で作られた砲弾を発射!』
『はーい』
ジェラルドは、タッチパネルをポチポチと操作する。
『始姐、距離と敵の位置、核を確認できました!』
『敵の距離!』
『204、205。誤差0.5です。』
『まぁ、砲弾は軽く作ってあるから飛ぶでしょう』
『創造魔法ですもんね』
他人事の様に恐ろしい事を言う始姐とジェラルド。
『敵の位置、核は?』
『肉の塊で分かりません!』
『撃ち込めば分かるか?』
『分かりますよ。粉々のバラバラになれば後は冒険者にやってもらえれば。』
『そうだね。ところで、ジル、ホムラ、ロート、ネロと歳三、斎藤、総司、佐之助。新八、丞は脱出出来た?』
『ジル達と一緒に脱出してます』
『そう。では、主砲、発射~~~!』
始姐の声でドン!ドン!ドン!と主砲が放たれた。
「着弾まで二十秒」
始姐の秒読みが始まる。
「着弾まで十、九、八、七、六、五、四、三、弾着~、今!!」
◇◇◇◇◇
「空が明るい」
「何か来ますね?」
「!?。逃げろ!始姐の主砲だ!」
土方の声で森の中に逃げ込む土方、沖田、永倉、原田、山崎、斎藤はジル、ホムラ、ロート、ネロの腕を掴んで森の奥に走って行った。
ドン!ドン!ドン!と鳴り響く音に稀人の慣れ損ないが粉々のバラバラになった。
散らばる肉片を冒険者が火球で焼いて行く。
場外に飛んで行った核は、森の奥に入りたまたま、そこにいた元親の手によって粉々にされた。
「あれが始姐族の力。」
粉々にされた核はサラサラと砂のようになって消えた。
が、少し大きい核は、大きな猪の身体に突き刺さり肉の中に入り獰猛な姿に変えていく。
黒かった瞳は真っ赤に。身体をおおう赤黒い触手が生えて森を枯らす。




