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嵐の前の静けさ

自警察の音がドンドン扉を叩くが、全く反応がない。

(何故だ?こんだけ音を立てているのに、何故この部屋にいる人は来ないのだ?)

ジルの魔法の『サイレント』を展開している。

ジル、ホムラ、ロート、ネロは、初めは笑って見ていたけど、ものの3分で飽きて、ベットの上でカードゲームをしている。

「これで、決まったら観音開きの扉を確認するのはどうかな?」

「「「嫌。」」」

関わりたくない。

呼び鈴を連打していた人。

とてつもなく『普通』じゃないだろう。

しかも自警察だ。

自警察はろくでもない人の集まりと聞いてる。

ジル、ホムラ、ロート、ネロなら簡単にあしらう事が出来るだろう。

でも、関わりたくないのだ。

前の冒険者ギルドの受付嬢の件より、殆んど関わりを持たなくなった冒険者ギルド。

「そう言えば、自然に『サイレント』の魔法を使っていたが、今まで出来たか?」

「出来なかったな………?」

「急に出来るようになったのですか?」

「迷宮で出た卵を割って青い黄身を食べてから魔法が上手く使えるようになった………のかな?」

ジルが食べた迷宮の青い黄身は、始姐が作った物だ。

本人ももう忘れてしまったが、まさか1000年後にジルの手に渡るとは思っても見て居なかっただろう………嫌、分かっていたかも知れない。

もしかして、全て、始姐の手の上なのかもしれない。



『サイレント』の魔法でも、臭いは遮断出来ない。

「臭いな」

「臭いですね」

「臭い」

「窓開けるか?」

ネロが顰めっ面で言うと

「「「頼む」」」

とジル、ホムラ、ロートは言った。

窓を開け、勢いよく風が入って来る。

ベットの上にあるトランプが風に舞い散らばった。

「突風だね」

「そうですね」

「本当だな」

「現実逃避しないで!」

ネロが言うと、ジル、ホムラ、ロートは、大笑いをした。

それから床に散らばったトランプを集める。

全部揃ったか確認する為に7並べをするジル、ホムラ、ロート、ネロ。


その頃、自警察の男は、必死になって扉を開けようとしていたが、開かない。

無断で侵入しといて大声を上げるのはどうかと思うが、自分で漏らした糞尿の臭いが堪らなく臭い。

早く、着替えたい為に大声を出すが、誰も来ない。

『サイレント』の魔法は機能している。

しかも、魔法を展開したジルは、そんな事をすっかりと忘れて7並べに夢中になっていた。

ホムラ、ロート、ネロもゲームに夢中で自警察の事を完全に頭からスポポポーンと消えていた。

「それにしても、この臭い消えませんね」

「魔法使っているんだろ?ジル」

「えっ?」

(((えって………もしかして忘れていた?)))

「お、覚えてるよ。た、確かサイレントの魔法を使っているよ」

どもるジルにニヤニヤ笑うネロは、ジルの肩に手を置いて

「大丈夫。疑ってないよ。ただ少しポンコツだなって思ったw………わー!!ジル!ごめんなさい!4の字固めしないで!いだだだ」

そんなネロをホムラとロートは、「馬鹿だな~」って思って見ていた。


「さて、ネロを締め上げたので、自警をどうするか、考えるか?」

ジルがベットで撃沈しているネロを放置して話を進めた。

ネロを気にする人は、誰もいない。

ジル、ホムラ、ロートはいつもの事と思っているし、楽しい事には、全力で介入する。

それが、ネロだ。

「ネロ~。話を聞いてるなら手上げて」

とジルが言うとネロの手が上がった。

「よし!。ネロも話に参加している。話を………会議をしよう。」

「はい」

「了解」

「了」

ジルは、ニヤリと笑い一言言った。

「これより攻撃を開始する」

「攻撃って………でも、攻撃ですよね」

「良い響きだ。自警の男に攻撃をしよう」

「オケー」

ホムラ、ロート、ネロはやる気満々の処ジルがとんでもない事を言ったのだ。

「どうやって、攻撃をする?」

まさかの何にも考えて無かった。

「ノープランかよ!」

ネロが、突っ込みを入れる。

(((嫌。ネロ、お前が言うなよ。いつものノープランでいるじゃん。君)))

「な、何だよ。言いたい事が有るなら言ってよ」

「「「………ないよ」」」

「何なのその間は!?」

意外と仲良しのジル、ホムラ、ロート、ネロ。

「さて、ネロも起きた事だし、自警をどうする?」

「フロントに電話して、来てもらう?」

「嫌々。それだと我らの誰かが1等臭い何かをしたと思われるよ?」

「じゃ、誰かが入って来て、隙を見て観音開きの扉に押し込んだって事にしたら?」

ネロが当たり前のまともな答えを出している。

「「「………」」」

ジル、ホムラ、ロートがポカーンとした顔でネロを見る。

「な、何だよ」

無言の圧力に負けてネロが恐る恐るジル、ホムラ、ロートに聞いた。

「「「ネロが、まともな事言ってる!!」」」

ジル、ホムラ、ロートが大声で叫んだ。

「俺だって、まともな事言うぜ?。お前達、俺をどう思っていたんだ?」

「天然」

「ジルに言われたくない」

「お間抜け」

「ホムラに言われたくない」

「ポンコツ」

「ロートに言われたくない」

「「「「………」」」」

「………やめようか?」

「「「賛成」」」

結局の処、ジル、ホムラ、ロート、ネロは全く同じだった…と言う事だ。

「なぁ、処でよ。何か、嫌な感じしない?」

嵐の前の静けさなのかもしれない。

あれほと音を立てると魔法が発動する仕組みにしていたのに今は何も起こらない。


総員(そういん)装備整えてフロントに直行」

「「「了解」」」

ジル、ホムラ、ロート、ネロは装備服に着替えて、着てた服はベットに脱ぎ捨てて、足音立てず観音開きの前を通り、カードキーを取ってサイレントの魔法を解除して、フロントに行った。

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