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ミト

「ミト」

部屋に入って来たライトがミトを見つけて呟く。

「ライト」

部屋に入って来たライトを見つけてミトが呟く。

顔を見合せ2人は、いないだろうと思っていた人がいてビックリして言葉を発した。

ミートスパゲティを食べながらネロが聞いてくる。

「ミト、知り合いか?」

「あ、ああ。知りたいだ」

ライトとアイコンタクトを取りミトは双子をジルに任せた。

「ジルちゃん、悪いが双子を見てくれないか?」

「そのつもりだったろ?。話して来ていいぞ。」

双子を預かると、先程出してきた毒入り紅茶を双子の前に出す。

「これ、毒入りだよ?」

「そうだな」

「私達に飲みなさいって言うの?」

「そうだな」

「「………」」

双子は黙った。

それを見ていたホムラ、ロート、ネロは、喉の奥で笑う。

ロートもネロも毒ぐらいでは簡単に死なない。

ただ、舌にピリピリして「癖になる」とまで言い出すのだ。毒を入れた食材を誤ってジルとホムラが食べてしまったら大変な事になるので、普段は口にしない。

だが、たまに、本当にたまにピリピリやヒリヒリが欲しい為か、カエンダケを食べている。

ジルとホムラは知っているロートとネロが、七味唐辛子じゃ満足出来ない事を。


「どうしても飲まないとダメですか?」

「君達が考えて作ってきた毒入り紅茶だろ?」

「本当に毒が効かないか試したくなったんだ」

「そーなんだ………だから?」

「「たから?」」

「俺は、君達が作った毒入りの紅茶の効果を知りたいんだ。実験台になってくれるよね?君達が作ったんだから」

「「………」」

双子は黙った。

「自分が嫌なと思う事は相手にしない事。必ず自分の元に戻って来るから、分かったか?」

目に涙をためて何度も頷く双子。

厳しい顔のジルがふっと柔らかな顔になり双子は、ポカーンと見ていた。

「処で双子よ。」

ロートが双子に声をかけた。

「「何です?」」

ドキッとして震える声で双子は答える。

「どんな毒を作ったんだ?」

ネロが頬杖をついたまま言う。

「………」

押し黙る双子。

「「怒らないから」」

ロートとネロはニコニコ絵がで言うと

「「ど、どんなにぶちんもイチコロになる惚れ薬。」」

「「なんだと!」」

双子の言葉を聞いて、ガタガタと椅子から立ち上がりロートとネロは双子から紅茶を取り上げるとジルとホムラの前に置いた。

「「ジル、ホムラ、飲め!」」

ジルもホムラはポカーンとしてロートとネロの行動を見ていた。

「あっもう効力ないよ」

「なんだと!」

「熱うちに飲めば効果があったの」

「冷めたら?」

「「冷めたらただの甘い蜜になって甘いだけの紅茶になるの。」」

キョトンとして言う双子、何でロートとネロが慌てているのか分からない。

項垂れるロートとネロは念話で、

「(もっと早く聞けば良かった)」

「(本当ですよ。惚れ薬)」

「「((欲しかった))」」

ずーんとお通夜の様に暗くなるロートとネロに双子は、

「ロート様もネロ様も黙っちゃた」

「とうしたのかしら?私達何かしました?」

と、困った顔をしてジルとホムラの顔を見上げる。

「ほっておきなさい。」

「関わるのは辞めておきなさい。」

苦笑いのジルとホムラの言葉に元気良く双子は

「「はーい」」

と、言った。


「おやおや。双子がジルちゃん、ホムラちゃんに懐いてるねぇ~」

ミトばぁが、ほほほと笑いながら言って歩いて来た。

どうやらライトとの話が終わった様だ。

だけど、ボソボソと話を続けるミトとライト

「「ミト様」」

双子がミトに弾丸の様に飛んで来て抱きつく

「ヴォエ!!」

うん。バッチリ入ったな。

みぞおちに。

人体の急所だ。

腹を抱えて座り込むミトにジル、ホムラ、ロート、ネロ、そして近くで見ていたライトは、自分達でなくて良かったと思う。

ちなみにロートとネロだったら男の急所に当たり悶絶するだろう。

身長が高いのも良いことは余りない。

「じゃ、後は宜しく」

「はい。」

回りに聞こえない小さな声でライトとミトは話、頷くと大きな手で双子の頭をなぜてライトは出て行った。

「ミト様。ロート様とネロ様が私達の作った惚れ薬が欲しいみたいなの?」

「でも、ジル様とホムラ様に僕達作らない約束したんだ!」

天使の様な笑みで双子は話す。

双子が作った惚れ薬は、ほんのり顔を赤くするのではなく、本能のままに動くと言う名ばかりの惚れ薬である。

何故、そんなもん作ったのか?

偶然の産物です。

安心して下さい。レシピも材料も無いので

「ミトばぁ」

ジルが呼び、ほほほと笑いながらジルの隣の席に座り、新しい緑茶を湯飲みにそそいだ。

ミトばぁの顔に、ジルも顔を近付けて、こそこそと話出す。

「前話していた、自白剤の事だけと、自白剤は、あるのか?」

「あるよ。自白剤はあるが、何に使う?。」

「家の回りが五月蝿くてな、馬で駆けるたり、夜な夜な花火をあげたりするし、洗濯物には泥を投げつけて来たり、汚れた手で洗ったばかりの洗濯物で拭いたりしてやりたい放題。取っ捕まえて、自白剤で使って見ようと思う。代表者を集めて………そうそう自白剤を使ったらどうなる?」

「廃人になるね。私も一度試したこと有りましたが。強力過ぎて廃人になりましたよ」

のほのほと言ってのけるミトばぁ

「廃人かぁ。だったら頭の中をかき混ぜた方が足が付かんかも…」

「恐ろしい事を平気で言ってくれる。(まさ)しくあのお方の子だよ」

「ん?何か言ったか?ミトばぁ」

「嫌。何も言ってないよ」

そう言うとミトは緑茶をすすった


「「ジルちゃん、ホムラちゃん、ロートちゃん、ネロちゃん、また遊びに来ておくれ。双子も楽しんでる」」

ミトの裏にあるソファーには、遊び疲れた双子が心地よい寝息を立てて寝ていた。

双子が、ミト意外に心を開く事はまずない。

だが、ジル、ホムラ、ロート、ネロには心を開いた。

ミトにとってそれが何より嬉しいのだ。



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