兄様。姉様。
私を愛してくれる兄様。
僕を愛してくれる姉様。
私達は、いつも、どこでも、一緒。
僕達は、いつも、どこでも、一緒。
私達は、生きる為にお金持ちの人を殺して財布を取ったり、掃除の仕事もしたわ
そんな僕達だけど、ある掃除の依頼が来たんだ
私達は、勝てると思っておりましたの
でも、僕達は、たった1人の冒険者に呆気なく負けた
「「彼の名前は、ジル」」
白銀髪で、銀灰の瞳の男ですわ
そして仲間のホムラ、ロート、ネロ
この3人は何も言われて無かったけど一緒にいたから1人増えようが、3人増えようが関係無いと思ったの
ジルは、白の装備服の上にもう1枚、紺の装備服を着ている。二重のガード
ホムラは全身真っ黒ですわ
ロートは、全身真っ白
ネロは、全身紺色ですわ
でもそんなのただの服と思っていた
だけど、私達は、それが最強の装備服だと思わなかったの
そして、僕と姉様は、彼達に再戦闘を申し込んだけどまた負けた
普通は殺されると思ったが、なにもされなかったわ
その代わり首根っこを捕まれて風呂屋に連れていかれた
ジルやホムラ、ロート、ネロが顰めっ面をしていたわ
しかも常連の店みたい
顔パスだったの
無理やり僕達の服を脱がせて身体と頭を洗ってから湯船に浸かりましたわ
微睡んできた頃に湯船がら出されて、タオルで身体を拭き、ホムラが持って来た白のワイシャツに黒のブレザーと黒のネクタイに黒ズボンと黒の靴下
白のフリルが付いた黒の長袖ワンピースに黒のタイツを着替えさせられたわ
靴も黒の革靴で、履くのを躊躇ったら無理やりロートに履かされ外に出たんだ
その後、ネロによって散髪に行き兄様と姉様は2人揃ってボブカットされましたわ
切った髪が代金に変わり金貨20枚になりまして、ビックリしました
そのお金を手元に置いてジルさんは、ミトと言う見た目おばあちゃんの処に私達を預けらたわ
そこで色々な事を勉強したんだ
掃除屋の手順
情報の収集の仕方
たまたま、ミト様に誰を調べたい人はおるかと聞かれて私達は、
「「ジル~」」
と答えたら拳骨が落とされたの
「様だ!ジル様と言う事!それと仲間もホムラ様、ロート様、ネロ様と言う事!」
「「・・・はい・・・。分かりました(わ)」」
結局、ジル様の事を調べましたがなにも出てきませんの
勿論、ホムラ様も
普通あれ程の手練れなら幼少の時に、貴族から声がかかったりするのに本当に何も出てきませんでしたの
僕達は直感で分かった
「彼は、普通じゃないわ」
「彼は、普通じゃない」
と・・・
ミト様に話したら微笑み
「良かったな。答えを間違えていたら生きていなかったよ」
と、細い目を少し開けて私達を見た
その顔が怖かったわ
それから僕達は、ミト様から色々様々の事を覚え吸収した
今日、僕達は、ミト様に言われてブラウン家の調査をしている
家族構成、旦那の愛人の数、妻の愛人の数、兄弟、姉妹の彼氏彼女の数にやった数
そして人の売買の数
結果、人身売買は有りませんでした
黒に近いグレーだったですわ
「姉様。どうする?」
「どうしましょう?兄様。」
困った感じで言うが全く困った風に見えない双子。
双子の姉が何かを思い出しだ様に言う。
「でも、ミト様から深追いはするなと言われてますわ」
「そうだね、姉様。ここで帰るべきだね」
僕達は、ミト様の元に戻った
「良く、あそこでとどまった。引くときは引かないと行けない。良くやった」
しわしわの手で僕達の頭をなぜてくれるミト様の大きな大きな手。
ジル様もホムラ様も大きな手をしていますが、私達はミト様の手が好き
「ミト様、どうしてブラウン家の事を調べさせたの?」
「何か意味があるんですか?」
ニコニコ笑うミト様は、
「私抜きでも出来るか調べていたんだ。最終課題だよ。」
「「クリアした(の)?」」
わくわくしながら僕達は聞いた
「荒削りだが、クリアだよ」
一応、合格を言い渡されたの
「じゃ、次の段階に行こう」
ここから僕達の本当の意味で始まる。
「ミトばぁ、彼奴らは?」
「荒削りだけど、私の言った事を守りやってるよ」
喫茶店で紅茶を飲んでるジル、ホムラ、ロートとミートスパゲティをズルズル音を立てて食べるネロにチョコレートケーキを食べてるミトばぁ
「そうか」
「あの双子は名前が無い。付けないのか?ジルちゃん」
「付けないよ。」
「あの双子。自分達の事、兄様。姉様。って言っていたし何か意味があるのかな?」
「どうでもいい」
「右に同じ~」
「ロートちゃんもネロちゃんももう少し、興味を持って欲しい処だね~」
緑茶を飲みながらミトばぁは言う
「情が移らない為だろう、ジルちゃん」
「・・・」
「肯定ととっておくよ」
ズルズルと音を立てて緑茶を飲むミトばぁ
「ミト。ジルをあまりいじめるな」
ロートが牽制をいれるが、ミトは動じない。
「ロートちゃん、私はいじめてないよ」
「ミト。ミト。」
「なんだい?、ネロちゃん」
「実際の処、ミトは女なの?男なの?」
誰もが疑問に思ってる事をネロが花が咲いた様な顔で聞く。
(((ネロ!良く聞いた!)))
顔には、出さないがジルもホムラもロートは心の中でグッジョブする
「ミトは、ミトさ。男のミト。女のミト。」
「「「「?」」」」
「はっはっはっ。今は分からなくていい。」
(全ては、あの方のために)
「両性体って事?」
「うーん。どうなんだろうな?」
のらりくらりかわすミト。
珍しく歯切れが悪い。
聞かれたくない事なんだろう。
「ミト様、お茶のお代わりを持って来ましたわ」
「ジル様、ホムラ様、ロート様、ネロ様紅茶のお代わりはいかがですか?」
双子が、ポットを持ってきてジル、ホムラ、ロート、ネロを見上げる
「もらおう。」
「下剤入りじゃないよね?」
ロートとネロが笑いながら言う
「「下剤は入ってないよ。入っているのは毒だよ~。でも、ロート様もネロ様も毒なんて効かないだろうね」」
((マジか~!))
キャキャしながら双子は話す。
そんな双子をホムラはつまらない顔をして見ていた。
理由は自分でも分からない。
でも、ジル、ロート、ネロが談笑しているのか、何故か許せないのだ。
ミトも気付いているが、あえて話をジルにふらなかった。
(この辺は、あの方の側近の方が、良いな)
フムフムと1人で考えていると、双子がミトに声をかけた。
「ミト様。何1人で考えてるの?」
「ミト様、良く1人で考えてるよ?」
珍しい者を見た様に目を輝かせている双子。
(おやおや。意外と観察力がある子だね)
「へぇ~、意外と観察しているな、ミトばぁの事」
「おやおや、ジルちゃんにも分かっていたのかい?」
僕はロートとネロを見るが、2人とも小さく首を横にふっただけ、目が語っていた。「知らなかった」と・・・
ミトの家の玄関がチリンチリンと鳴って開いた。
入ってきたのは執事ライトだった。




