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取り巻きのライナー、アサヒナ、ユウヒナ、ピータンの心の変化

俺の名前は、ライナー。

ディージーさんの取り巻きだ。

始めは取り巻きなんてしていなかった。

ディージーさんは、王族とも面識が有るから上手く媚びを振れば、此方(こちら)としても卒業後、有利に働くと思って彼、ディージーさんの後を追うようにしていたらいつの間にか取り巻きになっていた。

不本意だが、貴族の間でネットワークを築いておけば後は、楽なのだ。


あの冒険者達が来るまでは………。


はっきり言って俺は冒険者達を馬鹿にしていた。

1年に1回来る冒険者は、俺達の言いなりだった。

だから適当にあしらっておけば良かった。

だが、今回来た冒険者達は違った。

まず彼らが(まと)う雰囲気が、いつもの冒険者とは違った。

5人共強者の雰囲気が(にじ)み出ている。

彼らは、隠居の冒険者と言っていた。

俺達は馬鹿にして笑っていた。

ガターナイフが飛んで来るまでは。

ガターナイフが机に突き刺さったと思ったら冒険者が目の前にいて、ナイフの刃が首に触れ一筋の血が流れて教室は静かになった。

ナイフを首に触れていたその男の名前はディージー・ブラウン

大貴族の1人だ。

ディージーは、震える手でローランドを指を指して

「彼奴が、言っていたんだ。」

と、ローランドに罪を被せていた。

幻滅した。

だけど、俺は声に出さなかった。

もう取り巻きとして長くやっていたせいか、弱い男…ローランドに罪を擦り付ける事が当たり前になっていたのだ。

ローランドは何も言わない。

小さくなって、震えてるだけ。

冒険者はローランドを一瞥(いちべつ)して一言言った。


「弱いなお前」


俺、アサヒナ、ユウヒナ、ピータンは爆笑した。

ローランドの事を言っていると思ってばか笑いをした。


だが違った。隠居の冒険者達は笑わない。

「弱いな」と言った言葉はローランドに向けた言葉ではなく、ディージーに向けた言葉だった。

俺はその言葉に気付かなかったのだ。


俺の名前はアサヒナ。

俺の名前はユウヒナ。

ライナーとは学校で知り合った友達。

そして、ローランドとも友達だった。


ローランドは静かな子だった。

大声上げることもなく、本当に静かな子だった。

そんな彼に目を付けたのがディージー・ブラウン。

大貴族で、欲しいものは全て手に入れてきた。

だが、寮生学校は違う。

自分の事は自分でやるよ。

そんなのは当たり前だった。

だが、ディージー・ブラウンは違っていた。

全て金で解決していた。

洗濯するのも、食事を用意するもの、金でやっていた。

ローランドが、

「自分で取りに行った方がいいよ」

ってやんわりと言うとディージー・ブラウンは激高してローランドを殴ってしまった。

それからと言う物も教室の支配はディージー・ブラウンがした。

金と親父を召還して、やりたい放題だ。


あの時までは………。

隠居の冒険者達が来てから全ての流れが変わった。



俺はピータン。

取り巻きは汚点だったと今になって気が付いた。

隠居の冒険者達の容赦ない攻撃に何一つ抵抗が出来なかった。


俺達ライナー、アサヒナ、ユウヒナ、ピータンはディージー・ブラウンの取り巻きをやめると誓い。

今まで酷いことしていたローランドに謝罪をした。


許されるものではないが、謝罪したことでローランドの気持ちが、納得するはずもない。

「謝罪して、楽になりたいんだろ?」

「そして、こっちは謝ったのにまだ怒ってるの?」

「小さい男だな、男なら許してやれよ」

って言うんだろ?と隠居の冒険者達が言っていた。

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