俺辞退していい?
次の日5人はちゃんと来た。
いじめられっこのローランド。
ディージーの取り巻きAのライナー
ディージーの取り巻きBのユウヒナ
ディージーの取り巻きCのアサヒナ
ディージーの取り巻きDのピータン
の5人だ。
取り巻き達は仏頂面でジル、ホムラ、ロート、ネロ、元親の前に立つ。
学校から借りてるゾーンと言う別空間のところで、この5人とジル達はいる。
「ジル。今日は読書禁止です。」
ニコニコのホムラ。
苦虫を潰したジル。
笑うロート、ネロ、元親。
取り巻き4人衆と呼ぼう。
断じて名前が分からないではない。
………分からないです。何度聞いても名前が入って来ないのです。
だから4人衆+ローランドになりました。
「お前ら馬鹿だろう。我らの名前が覚えれないとはな」
とディージーの取り巻きDのピータンが言う。
「「「「・・・」」」」
口を開かない、黙ったままのジル、ホムラ、ロート、ネロ、元親。まるで空気のようだ。
「黙ったか?。俺達は貴族。何時だって父上に言えばお前達何てどうこう出来る。」
とディージーの取り巻きBのユウヒナが言う。
「「「「・・・」」」」
それでも口を開かない、黙ったままのジル、ホムラ、ロート、ネロ、元親。まるで空気のようだ。
「俺達に何かあればディージーさんが許さないぞ」
とディージーの取り巻きCのアサヒナが言う。
「「「「・・・」」」」
それでも口を開かない、黙ったままのジル、ホムラ、ロート、ネロ、元親。まるで空気のようだ。
「嫌なら今この場で土下座すれば許してやろう」
とディージーの取り巻きAのライナーが言う。
「「「「・・・」」」」
………以下同文。
深いため息を限界まで吐き出して、新たに肺に空気を入れて、始めに口を開いたのは元親だった。
「ローランドと4人衆はそれなりに出来る。今まで虐められて来たローランドには剣の才能がある。それこそお前達のディージーよりもな。」
「(本当ですか?ネロ?)」
「(あの中では1番才能がある)」
「(ふーん。どうでもいいけど、やるのは本人だからね)」
「(まぁ、直ぐにやめちゃうんじゃない?)」
ジルとホムラとロートとネロは念話で会話する。
「ディージーよりも強くなれる!ローランドも4人衆。今からの1ヶ月で鍛える。もう、取り巻きや虐められずにすむ。どうだ?やらないか?」
4人衆は乗る気が全くないが、ローランドだけは、
「ボクは強くなれますか?」
とローランドが、震える声で聞いてきた。
「勿論だ」
ニカッと笑う元親。
((((誰が鍛えるんだろう?))))
とまるっきり自分達じゃないと安心しきってるジル達に、飛びっきりの笑顔で、
「頼んだ」
と言いやがった!!。
「「「「はぁぁぁ?」」」」
「言い出しぺがやりなさい!」
ジルが言いどつく。
「1人で5人相手なんて簡単でしょう?」
ホムラが言いどつく。
「俺はやらないかな!」
ロートが言いどつく。
「あんな餓鬼の世話なんてしたくない。偉そうにして腹立つ。弱いくせに」
ネロが言いどつく。
「痛い!痛い!!痛い!!!痛い!!!!」
と頭を守る元親に
「「「「元親が鍛えろ!」」」」
と大合唱。
「俺でいいのか?俺の先祖は沖田総司って言う人でな、剣の強い人だけど、肺が弱い人だったらしいの?俺も先祖返りで肺が弱いんだ。定期的に薬を飲まないといけないし・・・俺辞退してもいい?(コソッ)」
「それがどうした?(コソッ)」
「薬飲んでもいいからやれ!(コソッ)」
「そもそもこの5人を鍛えると言い出したのは、元親。君ですよ(コソッ)」
「がんばれ~(コソッ)」
(チッ。先祖の話を出したら鍛えなくてもいいと言ってくれると思ったのに…)
「あー、分かったよ。やるよ!」
髪をガシガシとかき5人の前に立つ。
「ローランドと4人衆、木剣で打ってこい。安心しろ手加減してやる」
「手加減してやる」の言葉にカチンと来た4人衆は元親に駆け寄り木剣を振り下ろすが、簡単に交わされ、逆に木剣を打ち込まれたり、足蹴にされたりしていた。
「さーて、ローランドも」
ニッコリ笑うホムラ
「さっさと来い」
元親の周りには、4人衆が倒れていた。
中々来ないローランドを見てから自分の周りを見る倒れてる4人衆に納得して元親は言った。
「あー…、こいつらが邪魔なんだ~…」
元親が言うとピータンの腹に思いっきり蹴りを入れて遠くに飛ばしていた。
次に、立ち上がったアサヒナの首に蹴りを打ち込む。
その次に立ち上がろうとしたユウヒナの顎目掛けて膝蹴りを入れ後ろに倒れる。
最後に残ったライナーは失禁して腰を抜かしてアワアワ言っていた。
「邪魔な者は、排除したぞ」
振り返りローランドを見る元親。だが直ぐにライナーに向き直り木剣で顔を叩きつける。
「お前ら強いんだろ?だったら立てよ!戦えよ!剣を取れよ!」
徹底的にライナーを痛め付ける。
ジル、ホムラ、ロート、ネロは終始笑って誰も止めない。
(おかしい!何で誰も止めないんだ?俺は貴族だぞ!偉いんだぞ!)
ライナーが思っていた頃に教室で言っていたジルの言葉を思い出す。「偉くないよ。偉いのは彼奴らの親父や母親だよ」と………
「いつまで貴族が続くのやら」
「本当ですね。」
「じゃあ上の者が言っていたのは本当か?ディージーとその取り巻き4人衆を退学にさせるのは?」
「マジマジ。大マジ」
(何だと?!)
「何せ、ディージーの取り巻きだからね。しかもローランドより弱い。いらないんだよ。屑はさ」
「そうだね」
「「「「アハハ」」」」
馬鹿にした笑い。元親の手加減で辛うじて食らいついて行くローランド。
そこにはロートが、ライナーの傷口に塩を送った。
「同じ手加減でお前達が呆気なく撃沈。いじめていたローランドは、辛うじて食らいついている。お前達なら誰を育てる?貴族云々を無しにしてさ」
(俺は………)
カーーーン
っと音がしてライナーは音がした方がを見る。
ローランドの手から飛ぶ木剣。自分達は立っていることすら出来なかったのに、弱いはずのローランドが本当は自分達よりずっと強い事を知っていた。
ただ、現実を見たくなかったのかも知れない。




