騎士養成学校2
剣術の練習に集まる貴族の子ら。
皆、刃を潰している剣を持っている。
「さて、代表者が急に止めに入ったから仲間が消化不良になってしまった。で、剣の腕を見せてもらう事になった。」
ホムラが言った。
「俺達から1本取れたらお願いを聞いてやる。ただし全滅したら此方のお願いを聞いてもらう。」
ロートが言う。
「俺は回復と支援に回ろう」
ジルが言う。
「いいな~。支援。俺、出来ないのに~いいな~」
口角を上げて言う元親。
「ご褒美ごあれば遣り甲斐があるだろう?」
ネロが言った。
「1対1では無いのか?」
「?。団体戦だが?」
何言ってんのと顔をするジル。
あ~………可愛い。このきょとんとした顔が可愛い。
ホムラは内心でガッツポーズをする。
「ふん。団体戦だろうが1対1だろうが受けてやりゃ!」
そう言っていた若造は、今や撃沈していた。
回復、支援に回ったジルを先に倒せば自分達の勝ちと思い込んでいたらしい。
誰も1人に勝てとは言って無い。
襲った若造は、ジルに軽くあしらわれて剣の腕も底辺だった。
刃を潰していても当たれば痛い。
手加減無しにジルは若造に剣を叩き込んで、足蹴にして生徒達がいるところまでに飛ばす。
ボーリングのピンの様にぶっ飛ぶ生徒を見て笑うロート、ネロ、元親に拍手を送るホムラ。
上手く行ったと満更ではない顔のジルだった。
「こいつは腕が有るな」
突如元親が呟く。
ジル、ホムラ、ロート、ネロは相手の若造を見た。
荒削りだが、元親のかなりの手加減でどうにか付いていってるいじめられていた若造だ。
「小僧名前は?」
「ローランド」
小声で答えるローランド
「何俺より目だってんだ!ローランド!!」
怒鳴る若造の声にビクリと肩を揺らすローランド。
「ディージー」
「ほぉ~………あの小僧の名前は、ディージーか………
よし。ディージー俺と勝負だ!」
元親は元気良く言うと
「えっ?」
間抜け顔をするディージーに胸ぐら掴んで
「お前は、ローランドより強いんだろ?。まさかローランドより弱いって事は無いだろ?」
顔を近付けて言う。
弱いと言うワードにこめかみをピクピクするディージーは
「当たり前だ!!。剣の腕しか取り柄がない奴とは違う!」
元親の手をはたきディージーは唾を飛ばして言う。
(((((剣の取り柄しか無くても後から自信が付けば問題無い。問題なのは、このディージーを筆頭にいじめが当たり前の様になっている世界だね)))))
元親とディージーの試合はものの1分で終わった。
ディージーの剣を元親が叩き落として腹に蹴りを入れて終わり。
当の本人は伸びている。
そんな姿を見て、ジル、ホムラ、ロート、ネロは
「呆気ない」
「まだローランドの方がやりますね」
「口先だけか」
「つまらん」
と、貶した。
「ディージーさん!!」
「大丈夫ですか?」
取り巻きが身体を揺すり何とか起こそうとする。
「お前ら何をすっ………」
最後まで言わせずに刃を潰した剣で叩き伏せる。
「「「ひっ!!」」」
だが、試合はまだ続いてる。
ジルの蹴りが取り巻きの顔面にクリーンヒットして後ろに飛んで行く。
「手加減してくださ~い。」
「「「「は~い」」」」
やる気の無い返事が返ってくる。
「ぼ、僕達は、いじめに荷担してない………だから」
「だから?」
ニヤリと笑い剣を振り下ろす。
ものの5分で制圧。
「つまらん」
「弱い」
「これが強いのか?」
「自惚れていただけか」
ジル、ホムラ、ロート、ネロは椅子に座り遠くに死屍累々の生徒の姿。
最後の1人ローランドを元親が倒して、僕達の勝ちになった。
生徒の中には、骨が折れたり、打ち身になったり、顔面が晴れ上がったり、ゲロを吐いていた人もいたが、全ての生徒の意識を刈った。
「起きないね~」
「起きませんね」
「寝過ぎじゃない?」
「じゃあさ、ぶっ刺して起こす?」
「水の固まりを絶えず顔にかけ続けるのは?ガポガポ言って、溺れる姿が見たい。」
30分も立っても起きない生徒にどう起こすか模索中するジル、ホムラ、ロート、ネロ、元親だった。
結局、元親の水攻めはダメになり、ネロのぶっ刺すのをダメになった。
「「「「「チッ!!」」」」」




