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トヨハシ

トヨハシに着いた元親。

王都より北に位置してある小さな街だ。

だが、最近は人が来ない。

そのせいか、街は綺麗にたもられている。

外来人が来ないのか、店の前で店員が、お客を呼び込む。

賑やかな街を歩く元親。

街の中を歩き、一際大きな建物にたどり着く。

「ガルーダ便?」

「おやおやお客人とは珍しい」

白髭を蓄えた背中が曲がった老人が出てくる。

「始姐の森までか?」

ニコニコ笑いながら髭を触る。

優しい顔に目尻のシワが永い年月このまま店で働いてるのが分かる

「しその森?」

「外から来た人は知らんが、遠くに見える広大な森に覆われて始姐様が支配していた森なんだ。皆、始姐様の事を"異端者"何て呼び方をするが、我らは始姐様が大好きなのだよ。

いつも飴ちゃんをくれる。何故かのど飴だがな。身体に良いものや薬をくれたり傷を治したりしてくれる」

爺さんは孫を思い出す様に言う。

「その始姐様はどんな人でしたか?」

「優しくてな、ちょっと天然で、料理全般が駄目な方だ。儂も菓子をもらったが黄泉の国に片足を突っ込んだのは、初めてだよ。ガハハハ。」

「黄泉の国?って死にかけたって事か?」

爺さんはガハハハと笑う。

「ここのトヨハシで黄泉の国に片足突っ込んで無い者はおらなんだ。

誰かかぁ寝込む。

………だがそのお陰か、少しの風邪では倒れないんだ。スゲーだろ始姐様は。お着きの右腕の青年は、料理が旨い。あれは、また食べたいなぁ。だが、作ってくれなんだ。だってあの青年は始姐様LOVEだからな」

「そうなんですか」

話をしていると部屋の奥から湯飲みを持ってきた20歳ぐらいの男性が元親と爺さんの前にお茶をだした。

「有難うございます。」

ペコリとお礼をして、爺さんが茶箪笥にあるどら焼きを持って来てくれと言う。

「かしこまりました」

お盆を持って青年は奥の部屋に消えて行く。

「くくく…。彼奴は始姐様LOVEだからな。儂の仕事がなければ始姐様の処に行き弟子にしてもらおうと思っていたからな。ハハハ」

緑茶を飲み喉を潤す元親と老人は、奥からお皿にどら焼きをのせて青年が椅子を持って元親の元にやってきた。

その後は、どら焼きと緑茶で長時間青年と老人の話を聞いた。


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