食べ物を大事にしない奴は、例え女でも容赦はしない
ドンドンと扉を叩く音が聞こえる。
ジル、ホムラ、ロート、ネロは顔を見合わせ「どうする?」と視線で語り合うが結果は、分かりきっている。
扉を叩いてる人は悪徳セールスマンだろうと思ってる4人。
居留守の一択でokと決まった。
だが、蹴り開けた事実が、残っている。まぁ、「うるさいから蹴り開けたって」と言えばいいだろう。
うん。うん。
問題なし。問題なし。
と頷き会う4人は扉の音を無視して、だらだらと 過ごす。
扉を叩く音が消えていた今年に気付いたジルは、ホムラ、ロート、ネロにババ抜きをしながら聞く。
「音が止んだ」
「本当ですね。次はネロですよ。」
「これだ!」
ババを抜いてガックリ肩を落とすネロに「フフン」と笑うホムラ。
「処で窓から視線を感じないか?」
ロートがハートの7を取りテーブルの中央に捨てる。
「嫌。感じないが?」
ジルがロートからスペードの1を取るとテーブルの中央に捨てる。
「今は勝負中です。この結果により氷室から氷を取りに行く人が決まります。」
ジル、ホムラ、ロート、ネロは、誰も行きたくないので、トランプで決める事にする。
3回の勝負の末、決まったのは、ジルだった。
「くっ!」
「氷室に氷10個位お願いします。ジル」
ため息を付いてジルは席を立ち玄関の扉に向かう。
ドアノブをガチャガチャと動きガタガタと引っ張って開けようとする。とんでもない常識知らずの来訪者。
ロックを解除する音に気付いた人は、さらにガチャガチャとドアノブを動かす。
ジル施錠を解除して扉が少し開いたら、勢い良く蹴り開けた。
「ゴブッ」
の声と思いっきり玄関の扉が顔面に当たりロートよりも遠くにぶっ飛んで延びている。
「ジル。誰かいたのか?」
ケラケラ笑うネロに「嫌。」と返すジルは、家の隣の倉庫の氷室に行った。
氷室から氷の塊を10個近く取り、家に戻る。
途中、延びてる術師と開放しているパツンパツンのブラウスを着て巨乳強調しているの女性が目の端に写るが、きっぱりと無視して家に戻るジル。
「あ、あの、助けて貰えませんか?」
ボヨンボヨンと胸を強調して一昔の「だっちゅーの」と腕で胸を寄せて強調するポーズをする女性に声を掛けられても眉1つ動かさないジルは無視して扉の開けて家の中に入り、それから出て来ない。
術師は右側の顔が腫れ上がり、ぐらついていた歯が折れていた。
ドンドンと叩く音に扉を閉めたままホムラが、聞く。
「誰?」
常識知らずの来訪者の相方か?と扉の向こうにいる巨乳の女性に言う。
「あ、あの、私はサラです。地面に転がっている術師の秘書見たいな者です。」
巨乳の女性はサラ。
サラは説明する。
1つ、ドアをドンドン叩いて申し訳ない。
1つ、ドアノブをガチャガチャして申し訳ない。
と謝るが、興味の無いジル、ホムラ、ロート、ネロは、扉に向かって、
「「「「で?」」」」
と言った。
「謝罪したくて」
サラは言うが、ジルが、
「謝罪はいらない。ここから消えてくれればいい」
感情を乗せず淡々と言葉を発する。
「話だけでも聞いて貰えませんか?」
「え?、嫌だけど」
ホムラが、断ると、
「・・・いい加減しやがれ、糞どもが、こちらが下手に出ていれば図に乗りやがって、テメーらは黙って、扉を開ければいいんだよ!。私らは王都がら来た凄腕の術師だぞ!」
巨乳を揺らしながら口汚い言葉を吐くサラ。
「開けねぇなら魔法で家事吹き飛ばしてやる!!後で、謝罪しても許さないからな!」
術を唱えるサラ。
ホムラ、ロート、ネロは扉の向こうで魔力が集まるのを感じて、「どうする?」と顔を見合わせる。
そんな時でもジルは、ホムラ、ロート、ネロより1歩下がった処で腕を伸ばして手の平を扉に向けてる。
「ジル?」
「何やってんの?」と声を掛けようとしてネロは、言葉を飲み込んだ。
サラが術を放つが、魔力は球体の様な物に弾からて消える。
ジル、ホムラ、ロート、ネロの家は無事だった。
被害に有ったのは栗の木だけ。
燃えボロボロになる栗の木。
「なっ!!術が弾かれた!。そんな馬鹿な!」
焦るサラ。
玄関の扉が開いて、中からジルが出て来た。
白銀髪が揺れる。銀灰の瞳がサラを写す。
「今頃の謝罪かしら?」
サラが言うがジルは無言で、手を伸ばして髪を鷲掴みにし、思いっきり地面に何度も叩き続ける。
歯が折れ、鼻は折れ、顔面血だらけだ。
「だずげで」
サラの声にもなんの反応を見せないジル。
ホムラ、ロート、ネロは無言で見続ける。
誰も止めない。
止める事が出来ない。
ホムラ、ロート、ネロも恐怖で動けないのだ。
なんの感情が抱かない目をしてジルが、ただ事務的にサラを叩きつける。
髪を後ろに引っ張り顔を近付けて今は使われてない言葉で言った。
[調子に乗るなよ小娘]
ドスの効いた女の子の声に、肩をビクッとするホムラ、ロート、ネロ。
立ち上がり髪を鷲掴みされたサラは勢い良く術師の処まで、投げ捨てる。
女だからと言っても容赦ないジル。
手を叩いて埃を落とすと家に帰って来たジル。
扉を閉めて、膝を付き四つん場になるジルが一言言った。
「栗の木がーーー!」
栗?
えっ、栗?
栗の木の為に怒ったの?
「栗がーーー!」
食べ物かい!
いつものジルに戻って安堵するホムラ、ロート、ネロは、その場に経たり来んだ。
(((いつものジルだ。良かった)))
ホムラ、ロート、ネロは笑い有った。




