ロートの能力
結局の処、核は結局割れなかった。
ついでに変態共は、瓶に入ったまま迷宮に置いてきた。
ジル、ホムラ、ロート、ネロは持っていたく無い事で満場一致。
蓋を開けたら追いかけて着そうなので、ロープでぐるぐる巻きにして宝箱に入れて置いてきた。
晴れやかな顔で額の汗を拭うジル、ホムラ、ロート、ネロの4人はルンルン気分で迷宮から帰って来た。
「お疲れ様です。五稜郭迷宮はどうでした?」
ニコニコ笑顔で元気な声で話す受付嬢。
五稜郭ギルドは、皆が皆白髪なので、カラフルな付け毛を付けている。
朝番は、青の付け毛。
昼番は、黄の付け毛。
夜番は、オレンジの付け毛を付けている。
初めは皆、白髪だったがお洒落好きな受付嬢が、マニキュアをして来た事から始まった。
髪を一纏めに結び髪に1cm幅のほどけない様に結んだ付け毛を髪にピンで留めて受付に出るようになった。
3交代制のギルドなのでどの時間帯に行けばお目当ての受付嬢に会えるか調べる人もいた。
「面白かった・・・よ?」
と、何故か疑問系で答えるネロ。
(何で疑問系?)
疑問に思いながら顔に出さない受付嬢。
「ねぇ。そうだよね。ジル、ホムラ、ロート?」
ネロは晴れやかな顔で聞く。
「うん。それなりに楽しめた」
黒ネロとの戦い?を思い出して答えるジル。
「久々にいい運動をした」
黒ネロとの戦い?を思い出して答えるホムラ。
「お腹が空いた。迷宮はデリバリー出来ないのか?。ギルド内も食べれないのか?」
空腹を訴えなお腹を擦りながらロートは言う。
「デ、デリバリー? デリバリーですか? 申し訳ございません。迷宮内もギルド内もデリバリーはやっておりません。」
受付嬢の眉毛がピクピク動く。
「こんな事を聞いて来るのは貴方方だけですよ」と言いたげな顔だ。
美人が台無しだぞ。
「「「ほら見ろ!」」」
ジル、ホムラ、ネロは、「当たり前の事じゃん」と顔をする。
「何だよ。その顔。お前らだってデリバリー出来るか考えていたじゃん!」
ジル、ホムラ、ロート、ネロの会話を聞いていた冒険者達が、4人を馬鹿にする様な笑い言う。
「馬鹿じゃないか?迷宮で、デリバリー何てさ」
酒を煽りながら飲む冒険者。
「疑っては駄目だぞ。ククク。馬鹿なんだよ。」
酒で顔を赤くして手には酒の瓶が、ある。
五稜郭ギルドの内がジル、ホムラ、ロート、ネロを馬鹿にした笑いに包まれる。
受付嬢の肩も振るえて笑いを堪えてる。
カーテンの奥でも笑い声が聞こえて来る。
「「「「・・・」」」」
黙ってるジル、ホムラ、ロート、ネロに気を良くして1人の冒険者が酒を片手に近付いて来る。
「恥ずかしくて答えれないか?赤髪の兄ちゃん?」
派手で目立つロートの髪。
蝦夷では見ない髪の色にカツラを作るのに持ってこい長さ。
その道の人に売れば高く買い取ってくれる。
酒臭い息でロートの肩に腕を乗せて言ってくる。
ジル、ホムラ、ネロは、男を一瞥する。
ロートは、微睡んだ目をしている男の目と視線を合わせる。
酒臭い息で、ジル、ホムラ、ネロは、眉間にシワがよる。
酒を煽ろうとして右手を上げて固まる。
「ん?動かない?酒の飲み過ぎか?」
男を見るロートの瞳孔が、キューと細められ男を見ている。
他の席で浴びる様に酒を飲んでる者が、男を煽る。
「何やってんだ?」
「うるせぇ」
男の体内で血管が石化する。
流れる血も手足からじわじわと内部から石化して表面は弾力の有る柔らかい皮膚対し内部から石になっていく。
血管、血、内臓が少しづつ石化。
「?。動かない?」
冒険者も受付嬢も冒険者の異変に気付かない。
「身体が動かない?」
冒険者は違和感を覚える。
「お酒の飲み過ぎですよ。ポークさん」
ゴホンと咳払いして、受付嬢は、ポークに言う。
ロートに絡んで来た冒険者は、ポーク。
毎年、Eランクから上に上がらない冒険者。
素行の悪いので有名で酒を飲み仲間と飲んだくれて、新しく来た冒険者に馴れ馴れしくして、金を巻き上げる。
迷惑な冒険者だが、金の使い方が荒く、酒はツケにして酒場から支払いの催促を受けるている。
ジル、ホムラ、ロート、ネロは一瞥して4人で話す。
ポークは、耳は聞こえているの何かを言いたそうに口を開こうとしたが、うまく動かない。
他の冒険者を見回し、空いてる席に移動する、ジル、ホムラ、ロート、ネロ。
椅子に座り、ロートのマジックバックから現れたのは蝦夷観光グルメ本をテーブルの中心に置いて、ジル、ホムラ、ロート、ネロの4人で読む。
「お前、何固まっているんだ?」
ガハハハと笑っての脂肪がたっぷり着いた巨体が床をギシギシ鳴らしポークの側にやって来た。
「身体が動かねぇ」
「何言ってんだ、ポーク?酔うにはまだ早いぞ?」
ジル、ホムラ、ロート、ネロは次に行く処で味噌ラーメンを食べに行く事が決まり、席を立つ。
出口に向かい歩くと脂肪がたっぷり着いた男が声をかける。
「ちょっと待てよ」
だが、ジル、ホムラ、ロート、ネロは、自分達が呼ばれているとは知らず出口に向かう。
「待てって言ってんだろ」
ナイフを投げつけて来る男にロートは指と指で挟みナイフを掴み振り返り男を見て言う。
「何か?」
脂汗をかいてる男にロートは見る。
ちなみにジル、ホムラ、ネロも振り返る。
「お前の髪高値で買い取ってやろう」
金の臭いに感ずいて鼻息荒く言う。
「は?」
ロートの間抜けな声にジルが、一言言う。
「あんた誰だい?」
綺麗な顔に白銀髪のジルを見てニヤニヤ笑う。
「男のくせに綺麗な顔だな。俺とベッドで一夜過ごさないか?」
ナンパである。
「冗談を!」
ジルが大層嫌な顔をする。
「自分が格好いいと思ってんのか?脳ミソ詰まってんのか?」
ホムラが「こいつ何言ってんだ」と顔をしながら馬鹿にする。
「その前に俺達だって選ぶ権利はある」
ケラケラ笑い声を上げてネロは言う。
脂肪たっぷり着いた男をジル、ホムラ、ネロはディスる。
「俺はEランクだぞ!」
ブルブル震えながら顔を赤くさせて言う。
「馬鹿にされてんぞコキ」
外野が、口出しする。
「ふーん。それは凄いなー」
棒読みで、「良くできました。」って言う風に手を叩きロートは冷ややかな目で言った。
「我とネロは、Cランクだぞ?
もうすぐ上がるけどな?」
ロートは片方の眉毛を上げてでたらめの事を言う。ランクで決まるならロートの方が上だ。
「俺はは10年以上の冒険者だぞ!」
コキの言葉に対してネロが、馬鹿にした様にケラケラ笑って男を見て言った。
「Eランクだけどな」
顔を茹で蛸の様に赤くするコキ。
本当の事を言われて腹が立っている。
「もういい?」
詰まらないのやり取りを見て飽きてジルは言った。
「黙れ!。男のくせに綺麗な顔して、男に身体を売ってんだろ!」
堪に触ったのか、コキは指をジルに向けて言うが、ジル程ガードが硬い男はそうそう見ない。
「ジルは、美しいし、綺麗たよ」
「身体に傷痕も無いしな」
ホムラ、ネロは「何、当たり前の事言ってんだ?」と言いたげな顔をして、腕を組んでうんうんと頷く。
「お前より強い奴に喧嘩を売ったな。まぁ、彼らはBランクでAの依頼も回ってくるコンビだぞ」
肩を振るわせて笑い声を殺してロートは言う。
「馬鹿にすんな!」
剣を抜き振り下ろすコキ。
あまりにも遅いのでロートは回し蹴りをしてコキの腹にキツイ一撃を放つ。
揺れる腹の脂肪。
まるで腹だげ別の生き物の様にタプンタプンと波立つ様にに揺れる。
壁にぶつかりボテッと落ちるコキ。口から泡を出すコキを見て、騒がしかったギルドが静まる。
「け、喧嘩は辞めて下さい」
受付嬢が慌てて口を挟むが、どう見ても剣を抜いたコキが悪いが、ランクが上のロートが怒られた。
ジル、ホムラ、ロート、ネロは、冷ややかな視線で受付嬢を見下ろす。
その視線にゾッとする受付嬢。
それもそうだ。
馴れていない事も有るが、モンスターにもしない視線。
カーテン裏に隠れてる受付嬢も怖くて動けない。
「どっちが悪いか分かるよね。馬鹿じゃ無いんだし?。我らが大人しくしている間にそれなりの処罰を考えていたら?。血の海にしたくないなら?」
ロートが冷めた声で言う。
顔は笑顔だ。逆に恐怖が募る受付嬢。
「も、申し訳御座いません。こちらからランクを下げて、」
ガタガタ震えながら受付嬢が答えるが、ネロが口を挟み言葉を発する。
「ランク下げれば許されると思ってんの?」
中々の冷たく棘のある言葉。
ギルドでは、ランクを下げて、初めのFランクから始めるようにと手打ちにしたかった。
しかし、ネロの言葉で受付嬢の肩がビクリと動く。
「い、いえ、そんなことは御座いません。」
深々く頭を下げる受付嬢。
「じゃ、どんな事ならやってもらえるの?今から1人で五稜郭迷宮に行ってもらえる?踏破してもらえる?」
ホムラが冷たく言い放つ。
「!?」
受付嬢の深々く下げていた頭が上がり目が見開く。
「あの身体じゃ駄目だろうね。脂肪着け過ぎ。動きに俊敏性が全く無い。それにまだ目を回して倒れてるままだし、あれが、『冒険者』とは、言い難い、・・・」
辛辣な言葉。
ジルは今だに伸びてる冒険者のコキを一瞥する。
「も、申し訳御座いません。冒険者の資格を剥奪して、」
ジル、ホムラ、ロート、ネロが、首を横に振り否と答える。
「『目が覚めたら五稜郭迷宮の踏破をしてこい』と伝えて10年以上の冒険者だろ?それぐらい出来るよな?」
カラカラと愛想よく笑うネロが言うと、受付嬢の回答を待たずにギルドを出て行った。
「怖かった~‼️」
「本当に!」
「あれがBやCクラスの冒険者の風格かぁ」
「ポークさん、受付に立ったままだと皆様の迷惑になります。退いてもらえますか?」
男性の受付が言いポークの側まで来て肩に手が触れる。
「?。 ポークさん?」
「どうしたの?エヌ」
「ああ、シルビア。ポークさんが動いてくれないんだ」
シルビアとエヌは話して受付に戻る。
ポークは何度も何度も問題を起こした問題の冒険者。受付の人も関わりたく無いのだ。
「うぅぅぅ」
うめき声を上げてコキが目を覚ます。巨体をゆっくりと起き上がる。
「ポーク、俺を起こせ。手を貸せ」
だがポークは立ったままだった。振り返る事もしない。
「俺の命令を無視したな!」
真っ赤なトマトの様に頭の血管を浮き上がらせ、巨体を揺らしながら立ち上がり、ポークの肩を揺すってから手を離した。
ポークは前のめりになり倒れて粉々に割れた。
目の前でポークの身体が粉々に割れている処をマジマジとみたコキは顔面蒼白になり受付嬢も叫び声を上げて五稜郭ギルドは阿鼻叫喚に包まれた。




