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ディスる

五稜郭迷宮。


ケタケタ笑いながらやって来るモンスターや包丁を持って振りかざす殺人人形を斬りまくっているジル、ホムラ、ロート、ネロの4人。

斬っても、斬っても湧いてくるモンスターに対して会話しながら斬っていたが、話す内容も底を付き迷宮も会話を聞いていたか、ホムラやネロばかりに集中し、それに気付いたジルが、ホムラ、ロート、ネロに念話で話す。

会話が途切れた迷宮は、手当たり次第にモンスターや殺人人形を送って来る。面倒になって来た4人は、念話で会話をしながら事務的に剣を振るう。

「(面倒になって来た)」

「(そう言うな、ジルよ。)」

「(そうですよ。憂さ晴らし出来ると思えばいいのです)」

「(それにしても、多いな)」

「(どうやって動いてるのか?)」

「(糸は付いて無いからな)」

「(迷宮だからかな?)」

「(迷宮だから)」

ジル、ホムラ、ロート、ネロは、考えるのを放棄して「迷宮だから」で、片付けた。


ボス部屋に繋がる大きな部屋で、長い廊下を走ってくるモンスターと殺人人形を広い部屋で立ちすくして、「またか」と思いながら向かって来る敵を待つジル、ホムラ、ロート、ネロ。

だが、ただの殺人人形では無く、五稜郭迷宮に敗れ、迷宮の一部になった冒険者の姿。

安心して。

腐敗はしてない。

目視で確認出来る近さになってもジル、ホムラ、ロート、ネロは、剣を持って構えず、只見てるだけだった。

「良かった。腐敗してたら触りたく無かったし、剣も汚れるの何か嫌だったから」

小さな声で呟くホムラにジル、ロート、ネロは「確かに」と思いながら成れの果ての姿を見ていた。


操り人形の様にカタカタ音を立てて、クルミ割り人形の口から発射される弾丸。

紙一重で交わし、同じ冒険者のだった物体でも顔色を変えず、ダガーナイフを眉間に撃ち込む。

「相変わらずのいいコントロールだな、ホムラ」

「ダーツより的が大きいから狙いやすいよ」

ジルは、冒険者の首をはねる。

首が中に舞う。

だが、首をはねても冒険者の身体は動き続けた。

「「「「!?」」」」

ジル、ホムラ、ロート、ネロの動きが止まり、ホムラ、ロート、ネロは、少し距離を取るため後ろに跳び、どう動くか、次の行動を見ながらジルは元冒険者の胴体を剣で貫いき、足蹴にし向かって来る冒険者を足止めにしてから後ろに跳ぶ。


「(どうする?)」

「(どうしましょうか?)」

「(どうするんだ?)」

「(どうすんべ?)」

念話で会話を交わし、敵を見る。

「(燃やしちゃおうか?)」

「(こちらが蒸し焼きになる。却下)」

「(踏破した1000年前の人はどうやって倒したんだ?)」

「(倒す方法が分かればいいんだが)」

「(そんなに上手く行かないよな?)」

「(その前に彼奴ら元人間だよな?)」

ジル、ホムラ、ロート、ネロは、切り捨てながら敵を見る。




1000年前のシロエ達は、始めは剣や刀で倒していたが、クルミ割り人形の口から発射された弾丸が、従者の腕にかすり傷を負わせた事に激怒したシロエが、創造魔法で46cm砲弾を作り出して、敵のクルミ割り人形やモンスターに撃ち込み、四肢がちぎれ肉片になるまで続けた。

大きな肉片を見つけるとマスケット銃で小さな肉片になるまで弾丸を撃ち込み、それは、それは、大変嬉しそうに、汗を脱ぐって笑っていた。

従者はドン引き。

ジェラルドは、それは、それは、嬉しそうに胸の位置で手と手を握り合わせて目をキラッキラに輝せて見てる。


ジェラルドのその姿に迷宮もドン引きしていた。



「(ジル。)」

「(何だ?)」

「(なんか無い?)」

「(夢で見たあの銃は出ないのか?)」

「(無理だな。実用化?。はまだ出来て無い。それに相手は元人間だ。手足の関節を狙えば立てなくなるじゃないか?)」

「「「(((そうか!!関節を狙えば!動けなくなる!)))」」」

「(ジル!頭良い!)」

戦い方が決まった。

ジル、ホムラ、ロート、ネロは効率的に関節を狙って倒して行った。


迷宮 : 何なの?あの4人組。あんなにてこずっていたのに、今は、サクサクと倒して行くよ!。別の意味で怖い!特に白銀髪と紫色の瞳の2人、あの化け物襲来か?



作戦方法が決まりジル、ホムラ、ロート、ネロは、元冒険者を切り捨てて行く。


「おおっ!宝箱が有るよ」

ネロが大きな部屋にひっそりと置いてある宝箱を見つけた。


迷宮 : さぁ、さぁ、開けろ!開けろ!

冒険者は宝箱に目が無いから!

今までの冒険者は開けていた!!


全ての元冒険者を葬り、部屋の中は、色んな色の火の玉が燃えている。


「こう言う時に宝箱開けると中からわんさかとモンスターが出て来るんだよな?開けて見る?」

ネロが口の端を上げて笑いながら宝箱を指を指して言う。

「開けるか?」

「開けますか?ジル?」

決定権は、いつも何故かジルになる。

「俺に聞かなくても開けてもいいんだぞ?」

(((ジルに聞いた方が良いと思うからそれに)))

「・・・リーダーだから」

ネロが言う。

「違うぞ」

ジルが直ぐに否定する。

「嫌。リーダーだろ」

「リーダーでしょ」

「リーダーだよ」

3対1で勝ち目に無いジル。

あれよ、あれよとジルは、リーダーになった。

(普通もっと話し合いしてから決めるよね?)

と言いたい言葉を飲み込んだジル。

「開けないでいいか?」

「えー!開けても大丈夫だぞ、我らなら倒せるぞ?ジル。」

「面倒。」

「パンドラの箱を上げて、厄災を出た後は、中に残ったら何か有るかも?」

「開けよう!」

「開けるべ」

「開けるべきだ」

「なぁ?結局開ける事は確定何だから俺に聞かなくても良いんじゃないか?」

ホムラ、ロート、ネロはジルの言葉に視線絡め頷く。

「「「開けるのは確定だが、やっぱりリーダーに聞いた方がいいから」」」

「それに、ジルがリーダーの方がしっくり来るし、安心感が違う」

「は?安心感?」

「そうそう」

ネロがジルの肩を叩き笑って言う。

「こいつなら付いて行けば面白い事が起こる。それに仲間を絶対に見捨てない。」

「嫌。見捨てるぞ?」

ホムラが手刀を横に振り笑いながら「違う、違う」と言う。

「見捨てられた事無いぞ」

「僕も無いです」

「無いです。(おとり)なら有るが」

「「えっ!?」」

「有ったか?ネロ」

「有ったじゃん!五稜郭迷宮に来る前の迷宮で、囮になれと胸ぐら掴んでホワイトウルフの群れに投げ入れたでは無いか!!」

(((そういえば、有ったな・・・)))

「生きていたから良いじゃないか?」

「何が不満だ」と言う顔をするジルとホムラとロート。

「俺の味方はいないのか?」

泣きっ面に蜂で有る。

「ゴホン、では、ネロ宝箱を開けてくれ」

さあ、さあ、とネロの背中を押して宝箱の前に立たせて、ジル、ホムラ、ロートは少し離れた処にいる。

「お前らな・・・」

握り拳を振るわせる、ネロ。

イライラしながら片足で、宝箱の蓋に足をかけ蹴り開ける。

黒い霧が出て、宝箱からカサカサと音を出て瓶詰めされた虫が出口に集まり我先にと出て来る様な光景が目に入る。

ジル、ホムラ、ロートは飛行魔法を使い中に浮く。

ネロは、ロートに襟首を掴んで空中に浮いていた。

「だから言ったのに!」

「あんなのが入ってると思わないじゃん!」

「カサカサって最悪な音!」

「ネロ!暴れるな!落ちるぞ」

「虫の様に6本足で長い尾っぽ!ドロドロとした体液!気持ち悪い!!」

「で、どうする?」

「剣で、倒す?」

「見た目事態気持ち悪い!」

「よし。燃やそう!」

ジルは火魔法で弓を作り矢を放つ。無数の敵に当たり燃える。

始めは美味しそうな匂いだったが、時間が立つにつれツーンと来る匂いに変わり、最後には、生ゴミの臭いに変わる。

「うぷっ、臭いが最悪だ。」

小さな虫?見たいなモンスターを倒して床に降り立つジル、ホムラ、ロート、ネロ。

小さな宝箱から巨大な蜂が身体をくねりながら出て来る。

「良く、入っていたな!」

「サイズ的に無理が有る。あっ!頭が出て来た」

「自分を小さく見せようとして、無駄な頑張りだな!」

「あっ!体格を揺らして何とか出ようとしてる。まるで芋虫だな!」

ジル、ホムラ、ロート、ネロは出て来る蜂をディスる。

「あっ!上半身がつかえた。今の内に倒そう。」

「「「イエッサー!!」」」

ジルの掛け声に敬礼して剣を持って集団リンチに合う蜂。

まだ、全体像が出て無いのに袋叩きに会い悲痛の鳴き声を出す蜂。

頑張った。蜂は頑張った。

只、相手が悪かった。

情け容赦ない4人組。

まぁモンスターだから情けはかけないが、只、頑張っている時に「芋虫や、自分の体格を考えろよ」とかディスるのは辞めよう。

モンスターだって感情はある。

一応。有ると思う。多分・・・。

蜂を倒して、上半身を細切れにしてる下半身を無理矢理小さい宝箱から出す。

下は蛇の体だった。

「メデューサだったら上半身は女の人だな。」

「メデューサ?」

「食えるか?」

「じゃ、毒味が必要だな」

ジル、ホムラ、ロートがネロを見る。

「な、何だよ。その目は何だよ?お、俺は食べんぞ」

ジーっと見るジル、ホムラ、ロートに対して後退りをするネロ。

逃げるが勝ちに走り出すネロをジルが「取り押さえろ!」の一言で追いかけっこが迷宮内に始まる。


30分後、捕まったネロは、モンスターを解体して一口大に切って串に刺して焼いていた。

独特な匂い。

ジル、ホムラ、ロート、ネロのお腹の虫が鳴った。

肉が焼けるまでの間、小さな宝箱の中を覗く。

そこには手の平サイズの4つの宝箱。

開けて見ると

ジルは、青い黄身の卵。

ホムラは、ガターナイフ。

ロートは、減らない酒。

ネロは、宝石だった。


その後、モンスターの肉を食べたネロは、「旨い!鶏肉より薄味だ!!」と言って食べた。

ちなみに、ジル、ホムラ、ロートは、少ししか食べなかった。

味は確かに美味しかったけど、どうしても生臭いが嫌だった。

そして、ネロは、胃薬を飲んで3時間寝た。


迷宮 : ちょっと!ここ迷宮だよ?何で寛いでるの?

もっとピリピリしているはずじゃない?何で誰も指摘しないの?

・・・ああ、普通じゃ無いんだ。

迷宮は悟った。

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